ORICON STYLE

2006年10月18日
サディスティック・ミカ・バンド
SPECIAL INTERVIEW
 日本のロック史に、唯一無ニの存在感を刻んでいる伝説のサディスティック・ミカ・バンド、17年ぶりの新作『NARKISSOS(ナルキッソス)』は、ボーカルに木村カエラを迎えての天下無敵のロックグルーヴを楽しませる。
ミカ・バンドに集まるとひとつのブランドに

――軽井沢に集まってのレコーディングですよね。
【加藤】 ええ。バンドっぽいのにしたいというのがあって、都会を離れたほうがいいだろうと。曲を持ち寄って、セーノッでやっていったんだけど、作為的なものは何もしていないんですよ。演奏した音をそのまま録ってるからとてもナチュラルな音なんですけど、何故かロックしている。凄く難しい曲ってのもない。ただ、それを気持ちよく、良いグルーヴで演奏するというのが実は最も困難なことだと思うんだけど、みんなが互いにやりたいことを知ってて、それを表現できる技術というのかな、なんだろうな、センスというのかな、それを持ってる。
【高中】 みんな大人というか、すごいプロだよね。いろんな曲を持ち寄るんだけど、それぞれが上手いからちゃんと全員がそこに加わって成り立たせちゃう。
【小原】 普段はバラバラの人たちがミカ・バンドに集まるとひとつのブランドになる。それぞれが役割もわかっているし、大人だしね。
【高橋】 こうやって一緒にやるんだとしたら、理想的な出来あがりだと思う。それに、ドラムを叩くのはこれが最後というくらい本気で叩いたから、結構すっきりした(笑)。

――カエラさんは、どうでしたか。
【カエラ】 勉強になりました。大変だとか、辛いだとか、そういうのは本当にひとつもなくて、素直に楽しいなあというのと、木村カエラでは不得手なことがミカ・バンドではできたりとか、自分の歌いかたって決まってきちゃうところがあるんですけど、いろんなことをやらせていただいたので。

――年齢の差は感じませんでしたか。
【カエラ】 違和感とかはなかったですね。CM撮りのときはすごくドキドキしたんですけど、レコーディングとか見ていると、あれっ、子供みたいだなあと(笑)。

昔からのミカ・バンド・スタイル

――そのカエラさんは、3代目ボーカルということになりますが。
【加藤】 いままで歌がいちばん上手かったし、きちんとした日本語アクセントでロックしている。ただ、名前こそ同じミカ・バンドなんだけど、全然違うものですよ。ミカのときも、かれんのときも、今回もそれぞれがね。ここでも何か新しいことをやっているわけじゃないけど、かといって古いことをもう1回やろうとしているのでもない。自然にやって、そこにカエラが入ってきて、また全然違うものが出来あがる。そういうのが、昔からのミカ・バンド・スタイル。趣味もバラバラ、年中会ってるわけでもない。でも、それぞれ個人の生きかたみたいなもの、そういったものの集合体としてのバンドだからミカ・バンドは面白い。だから、音楽も必然的に面白いものが出来る、出来なきゃおかしい。ミカ・バンド的なるものの集大成ですよね、汗をかかないロックをやるミカ・バンドとしての。

(文:天辰保文)