ORICON STYLE

2006年06月28日
竹仲絵里 SPECIAL INTERVIEW
ペルソナ=音楽が、本当の自分を出すツール

――初の1stフルアルバムですが、いきなりタイトルがペルソナ(仮面)って意味深ですね(笑)。
【竹仲】 よくそう言われるんですけど、実はペルソナって“人”とか“個人”って意味もあって、“私とあなた”って一対一の距離感で曲を伝えたいって思いや、私自身のキャラクターを表現してるってことでつけたタイトルなんですね。それと同時に私にとって音楽は仮面というか、普段は照れくさくて見せられない自分を出せる、音楽っていう仮面をかぶることで押しこんでいた自分を伝えられるっていう意味もこめてるんですよ。


――仮面(音楽)は自分を出すツールだと。
【竹仲】 そうですね。私の場合、実体験をもとに詞を書くことが多くて、日記や誰か特定の人に宛てた手紙に近いものだから、音楽という力を借りないと恥ずかしくて出せない。ちょっと素直じゃないところがあるんで(笑)。


――あと竹仲さんって実はすごく寂しがり屋でもありません?シングル曲の「ありがとう」とか、“ひとり”っていう言葉がキーワード的に出てくる曲が多くてそう思ったんですけど。
【竹仲】 寂しがり屋ですね、すごく。一人が好きだし、人との距離感っていうのもすごく持ってるんだけど、一人じゃいられない。帰り道でも寄り道とかしまくっちゃって、意味もなくスーパーとかコンビニに1時間ぐらいいるんですよ(笑)。アルバムには私のそういう部分が無意識に散りばめられてしまってるんですよね。


――でもコブクロの小渕さんと作った「サヨナラ サヨナラ」や、もう一方の「gerbera」では、そういった孤独感をすごくストレートに表現してますね。
【竹仲】 「サヨナラ サヨナラ」は小渕さんが私の曲なり声なりからインスピレーションを受けて書いてくださった曲だし、「gerbera」は映画の主題歌ってことで、両方ともストーリー仕立てになってまして。自分じゃない別の誰かのことを書いたり歌ったりすることで、逆に私自身がすごく出たというか、書き上げてみたら他の曲以上にストレートな内容になってたんですよね。


――フィクションっていうペルソナがあったことで、より本当の自分が出た?
【竹仲】 それです!うまいこと言いますね(笑)。そういった意味で新しい引出しをもらった曲ですよね。


深い思いがある曲ばかりの卒業アルバム的な存在に

──「サヨナラ サヨナラ」と「gerbera」の2曲があることで、竹仲絵里の淡色系の世界に直接的で色の濃い油絵が混ざったようなメリハリと幅も出てますよね。
【竹仲】 そうですね。他の曲にしてもサウンド面で仕掛け的な音を使ったものもあれば、自分のルーツである70年代の曲をイメージしたものもあったり、バリエーションは出たと思います。時期的にも遡れば4年前に書いた曲もあって、竹仲絵里としてのいろんな表情や瞬間を切り取ったフォトアルバム的な内容になってるんですよ。だから、よく“アルバムの中でどの曲が思い入れがありますか?”って聞かれるんだけど選べなくて。


──確かに、思い出の写真をどれか1枚だけ選べって言われても選べない。
【竹仲】 そう。どれも深い思いがあるし愛しい曲達なんで。でもこれは卒業アルバム的な存在でもあって、これでまず竹仲絵里の幼稚園を卒業したなって気はしてるんですよ。


──まだ幼稚園?(笑)
【竹仲】 はい。まだまだなんで。次のアルバムが中学卒業ぐらいかな。

(文:若松正子)