ORICON STYLE

2006年03月15日
樹海 SPECIAL INTERVIEW
“樹海”って入れた瞬間、これしかない!って

――“樹海”というユニット名は、誰が考えたんですか?
【出羽】 あ、僕です。
【愛未】 去年の夏くらいに“ライブをやっていこう”って話になったんですけど、そのためにはユニット名が必要じゃないですか。で、(出羽に)“考えてきて”って言われて。めっちゃ真剣に考えたんですよ。10個くらい考えて、それを見せたんですけど、数日後に“樹海って名前にしたから”って。

――勝手だなあ(笑)。
【出羽】 (笑)。iPodに自分たちの曲を入れてるんですけど、それまではアーティスト名のところに“ユニット”って書いてたんですよ。そこに“樹海”って入れた瞬間、“もう、これしかない”って思って。

――何の脈絡もなく思いついた?
【出羽】 いや、そうでもないんです。実は彼女を主体にして考えたんですよね、樹海って名前は。彼女の書く歌詞の世界、声の感じ。そこからイメージされるのって、切なさだったり、力強さだったり、神秘的なものだったり・・・。そういう感じと“樹海”って言葉がぴったりハマったというか。

――なるほど。デビューシングルの「あなたがいた森」もまさにそういう手触りの曲ですよね。幻想的で壮大なバラードなんだけど、生々しい感情も入ってて。
【出羽】 ただ単にきれいな曲ってことではなくて、聴き終わった時に何かを考えさせられるような曲にしたかったんですよ。
【愛未】 この曲に関しては“こういうことを書こう”っていうテーマがすぐに決まりました。切なさだけを追求していく感じというか・・・割と得意な系統なんですよね、そういうものが。

――“切なさ”がテーマになることが多い?
【愛未】 そうですね。前向きで明るい、っていう雰囲気よりは、切ない感じのほうが。“がんばれ!”って言ってるだけの曲って、あんまり共感できないんですよ。“言われなくてもわかってる!”って思っちゃうから。

――個人的にはとてもよく分かります。

音楽は人の心を動かせるものなんだってことに気づいた

――カップリングの「SAKURA difference」は軽やかでポップなナンバー。歌詞を聴いてると、春の風景がパーッと浮かんできますね。
【出羽】 この曲に関しては、特にテーマはなくて。春っていうイメージも、彼女の方から出てきたものなんです。
【愛未】 曲の雰囲気がなんとなく春っぽいかなって(笑)。(出羽の作る曲は)わりとマイナー調のものが多いんですけど、これは違うじゃないですか。だから歌詞もいつもとは違うイメージになったんだと思います。
【出羽】 普通に作ってると、割とマイナー調の曲が増えちゃうんですよ。で、気分転換ってわけじゃないんだけど、“ちょっと明るい曲を作ってみようかな”って思うことがあって、「SAKURA difference」はそういう曲の1つですね。

――当然ですが、声のトーンがまったく違いますよね。
【愛未】 そうですね。アレンジでは色んな楽器を使うことができるけど、声は1つじゃないですか。変えられるものっていったら、歌う時の感情くらいなので・・・。意識してるわけではないんだけど、自然と変化してるんだと思います。

――ボーカル、楽曲に込められている感情の量がものすごく多いですよね、樹海の音楽は。
【出羽】 最初に曲を作った時に“いい曲やん”って言ってもらったり、感動してもらったりして。その時初めて、“音楽は人の心を動かせるものなんだ”ってことに気づいたんです。

――それが音楽をやってる理由?
【出羽】 そうかもしれないですね。他の事で人の気持ちを動かすことはできないので、僕の場合(笑)。(文:森朋之)