ORICON STYLE

2006年02月22日
DREAMS COMES TRUE SPECIAL INTERVIEW DREAMS COMES TRUE SPECIAL INTERVIEW
愛がロックする、このアルバムがみんなをロックさせる

 出来れば、2005年のうちに出したいくらいだったという。それだけ、創作に対する気持ちに勢いがあった。きっかけとなったのは「何度でも」、テレビドラマ『救命病棟24時』の主題歌として親しまれた曲だ。
「私たちにとって大切な楽曲で、あれができたとき凄く嬉しかった。とても真摯な姿勢で書いた曲だったし、あのままほっておきたくない、という気持ちがあって、なんとか頑張ってあれを入れたアルバムを1枚仕上げたい、そしてそれを自分たちも聴きたいし、聴いてもらいたいと思った」と、吉田美和。『DIAMOND15』を発表し、それにあわせたツアーを開始して間もない頃だった。それで、多忙を極めながらも、二人はレコーディングに入る。
 中村正人言うところの、「天変地異を含めて、余りにも悔しいことが多すぎる世の中で」で、吉田は「音楽の力を信じているひとりとしてね、音楽が持つベーシックな力というのかな、そういうものが届け、届けと念じて1曲1曲作っていた」と、レコーディングを振り返る。しかも、その過程で、「『JET!!!』とか、『SUNSHINE』とか、弾けたのができたので、必然的に強くてストレートなアルバムになったらいいねと話し合うようになって。後は、ドリの中にあるポップ、ドリができるポップ、ドリがやるべきポップ、ドリにしかできないポップ、そういうポップに拘った」(吉田)。
 二人は意見を出し合い、楽曲を持ち寄りながら、ひとつの方向を目指していく。その際、互いに共通認識として存在しつづけたのは、“ストレート”であること、“ポップ”であることだったと、中村は改めて付け加える。
 そして結果として、ロックという言葉さえもが、彼らの中から引き出されるまでになる。それも、類型化されたところのロックではない。「格好いいという意味であったり、揺さぶられるという意味であったり、そういった意味で、なんかロックする感じがしない?と、正さんから言われて」と吉田。一方、中村は、「ロックという言葉が備えている意味を我々が音楽のジャンルとして狭めたところもあるんですが、ロックって、本来音楽全てに共通して言えることであって、それを改めて提示したかったというかね。クラブシーンでも、ロックという言葉がすごく良い状態で使われ始めているわけでね、例えば、今日はロックしたよなあ、とかね」。そういったところから、タイトルは、『THE LOVE ROCKS』。「愛がロックする、このアルバムがみんなをロックさせる」と(吉田)。

人間的にも、音楽的にも一皮むけた

 吉田美和がレコーディングでは初めてピアノに挑戦したのもあれば、吉田曰く「ドリに昔から脈々とあって、だけど最近しばらくはなかったくらいのストレートに弾けた恋の歌」(「JET!!!」)、「以前はバラード・タイプを歌うのに抵抗があって、でもそれが、前作の『はじまりの la』でもうやってもいいんだと思って。正にそういう思いがあったからこそ、こういうクラシックな、ポップスにおいてのバラードをやってみたかった、というか、挑戦してみたかった」(「めまい」)もある。

 「ほんのささやかな出来事を描いていて、その映像を浮かべているとボサノバが生まれた状態と重なって、それもフィルム・ボサノバというか、ブラスも入れて、切なさをちょっとゴージャスに映画のように仕上げてみたいと思った」(中村「哀愁のGIジョー」)、「私たちにもとても大切な曲で、今回のアルバムでどうしても大切な芯のひとつでもあったから、しっかりアルバムを支えてもらおうというか、そんな意味もあってこの2曲は切り離せなかった」(吉田「空を読む」と「何度でも」)、そして、「次は何をやるんだろうとか、次は何が聞こえるんだろうとか、自分たちが聴いてもそう思えるような終わりにしたかった。バラードで終わるんじゃなくて、走ったまま終わりにしたかった」(吉田「SPOON ME,BABY ME」)まで、息をもつかせぬ感じでアルバムは終わる。そして中村正人は、最後にこうつぶやいたのである。それも、印象深く。「一皮むけたんじゃないですかね、ドリカムが、人間的にも、音楽的にも」と。

(文:天辰)