ORICON STYLE

2006年02月22日
中島美嘉 SPECIAL INTERVIEW
 昨年に引き続き'06年の活躍も期待されている中島美嘉が新曲「CRY NO MORE」をリリース。アニメ『BLOOD+』エンディングテーマとしてすでにオンエアされて話題の曲。ゴスペルやリズム&ブルース、ソウルのフィーリングを感じる、彼女にとってまたも初挑戦となるシングルになった。

すごい!さすが!すげー!って、ひたすらそんな感じでした(笑)

――今回の曲はメンフィス・ソウルの特徴であるピアノやサックスの音が入っていて、そしてリズム&ブルースのメロディ。悲しい歌なのに力強さと温かさが表現されていて、曲後半にかけてどんどん高揚していく。けっこう難しい曲だったと思うんですが、今回一番こだわったのはどんなところですか?
【中島】 すごくシンプルな曲で、同じメロディと同じフレーズが何度も出てくるので、聴いている人が飽きないように、同じにならないように変えて歌おうと。今回はディレクターやプロデューサーからここはもっとこうしようとかあって、けっこう細かく話し合いながら制作していったんです。あと、メロディの崩し・・・・・・崩しすぎず崩さなすぎず、そのへんの加減をこだわって歌いましたね。

――“CRY”って言葉が何十回と出てきますが、よく聴いていると、すべてニュアンスが違うんですよね。
【中島】 そう。英語の“CRY”と日本語の“くらい”が出てきて、それぞれ発音も違うし。気持ちの込め方も色々で、“泣きたいくらい”“壊れるくらい”、前に付く言葉で気持ちが変わるし。“CRY NO MORE”だったら“泣きたくない”とか“泣かない”とかあって。意識して変えようと思ってやっていたんですけれど、でもそのうちごちゃごちゃになっちゃったりして(笑)。

――そういえば、作詞家の康珍化さんの歌詞を歌うのは初めてなんですよね。
【中島】 最初は自分で歌詞を書こうと思って、何度かチャレンジしたんだけれどダメだったんで。

――どうして書けなかったんでしょう?そんな時もあるんですね。
【中島】 うーん・・・・・・シンプルなメロディなので歌詞の字数が少なくて。それなのにアニメ『BLOOD+』のエンディングであるとか、ゴスペルというテーマとか、入れ込んでほしい注文がやたらとたくさんあって。そういう明確なテーマがあるなら、作詞家でもない私が無理して書く必要もないんじゃない?って、ネガティブな考えが頭をよぎってしまったり・・・・・・。ちょっとテンパっていたんです。自分の中に気乗りしない感じや、不安や迷い、そういうものが渦巻いていたから、いい言葉が全然浮かんでこなくて。それで結局お願いすることになったんです。

――実際に出来た歌詞を読んでどんな風に?
【中島】 いやもう、私があれだけやってもダメだったのに。こんなにきれいに歌詞をハメて!すごい!さすが!すげー!って。作詞家さんだから当たり前なんだろうけど、ひたすらそんな感じでした(笑)。ほんと、頼んでよかったです。

歌の仕事で海外に行くのは初めてで新鮮!

――サウンドはアメリカ南部をルーツに持つ泥臭いテイストなんですが、その良さを残しつつ、いい具合で洗練されたものになっていますよね。
【中島】 そうですね。メンフィス・ソウルについては、うちのプロデューサーが音楽マニアなので熱弁をふるってくれたんです。すごく熱心に教えていただいたんですけれど・・・・・・私は頭で考えるんじゃなくて、感じたままにしか歌えないタイプだから。

――メンフィスだからこうしようとか、作意がないのが逆に良かったんでしょうね。
【中島】 うん。それが一番だと思うんです。メンフィスだからって意識するのは私らしくないと思うし。それに自分で言うのも何ですが、いい感じでポップス感が出たんじゃないかな?って思う。どんなに難しいジャンルの曲でも私が歌うと、マニアックに陥らずちょうどいいくらいのポップスにまとまる。そういうのがいいんじゃないかって思う。

――PVの撮影では、そのメンフィスに行ったんですよね。ソウルの聖地に行った感想は?
【中島】 PVをロケで撮るのも初めてだったし、歌の仕事で海外に行くのも初めてだったので、それだけでもすごく新鮮な気持ちでしたよ。スタッフは毎晩のようにブルースのバーに行っていたらしいんですけど、私の場合はもっと風景とか土地を楽しもうと思って。オフの日は撮影で行った綿花畑にもう一度行ったり、車を借りてドライブをしたりしていました。綿花畑は何時間いても全然飽きなくて、日が暮れるまでボーっと眺めてましたね。

――あたり一面、綿花で真っ白だった?

【中島】 行った時期は摘み取りが終わっていて、撮影に使う場所だけ綿花を残しておいてもらったんです。だから一面真っ白というわけではなかったんだけれど、とにかく土地の広さと空の広さがものすごくて。それだけで十分って感じでしたね。

――歌っている時は、その綿花畑の風景をイメージして?
【中島】 映像みたいなものはないんですけれど。あるとすれば色。今回は、黄金と言うか夕陽のような色。ジャケット写真の色味の感じが近いですね。皆さんも自分なりの色を感じて聴いてもらえたら嬉しいです。
(文:榑林史章)