ORICON STYLE

2005年06月08日
これで初めて、自分の声を好きになりました。
インタビュー
 3月にリリースした3rdアルバム『MUSIC』が自身通算4枚目のアルバム首位を獲得した中島美嘉が早くもニューシングル「ひとり」をリリース。『MUSIC』からのシングル・カットということだが、思い入れはひとしおのよう。

歌ってて、泣きそうになりました。

――サード・アルバム『MUSIC』のリリースの後、休みってあったんですか?
【中島】 うん、半月ほど休んで、ロンドンとパリに行ってきました。久しぶりにゆっくりできましたね〜

――楽しかった?
【中島】 楽しく過ごしました! 楽しすぎて我を忘れるくらい(笑)。やっぱり、誰も自分のことを知らないっていうのは、いいです。こっちにいるときもあんまり気にしてないけど、解放感がありますよね、すごく。向こうに住んじゃおうかな、とか思ったもん。

――(笑)。えーと、『MUSIC』に収録されていた「ひとり」っていうバラード曲がシングル・カットされるんですが。
【中島】 はい、もちろん知ってますよ(笑)。

――これ、「雪の華」の続編なんですよね?
【中島】 そう、アルバムのときもね、“「雪の華」の続編ってことがわかるようなタイトルにしようか”って話もあったんですよ。結局、“取材のときに自分で説明すればいいか”ってことになったんだけど、すっかり言うのを忘れてて(笑)。この曲に関しては、最初から、“「雪の華」の続き”ってことでお願いしてたんですよ。

――中島さんの希望で?
【中島】 そうです。「雪の華」で描かれてたカップルって、幸せは幸せなんだけど、結末があやふやだったじゃないですか。だから“その後、どうなったか?”ってことが気になっちゃって。そしたら「ひとり」だったわけですけど。

――悲しい結末ですよねえ。
【中島】 それはそれでいいと思うんです。はっきりさせてほしい、結果を見せてほしい、っていうのが私の願いだったので。ただ、あまりにも可哀想ですよね。歌ってて、泣きそうになりました。

自分がステージに立って歌うなんて、まったく考えてなかった

――思い切り感情を込めた歌い方ですよね。
【中島】 うん、ちょっと演歌が入ってますね(笑)。この曲に関しては、とにかく気持ちを込めるってことだけを考えてました。あとね、これではじめて、自分の声を好きになりました。

――いままでは自分の声が嫌いだった?
【中島】 小さいときからコンプレックスだったんですよ。小学校のときって、“自分の長所と短所を書いてみましょう”っていうのがあったでしょ。先生に聞けばわかると思うけど、短所のところにはいつも“声”って書いてたもん。とにかく、みんなの前で声を出すのがイヤでイヤで。だから授業中も発言できないし、音楽の時間も歌わなかった。将来、自分がステージに立って歌うなんて、まったく考えてなかったですね。はじめて(自分の歌声を)聴いたとき、びっくりしたもん。恥ずかしくて。でも、「ひとり」は客観的に聴けたし、“いいな”って思ったんです。“中島美嘉さんのバラードって、いいですね”って言ってもらえる意味が、ちょっとわかったような気がします。遅いんですけど(笑)。

――すごくいいと思いますよ。別れたことを悔やんで、「情けない僕だけど/今でも/忘れられない」なんて言っちゃう男性の気持ちがグッと伝わってきて。しかしこの人、めちゃくちゃ引きずってますよね。
【中島】 ものすごく後悔してますよね、別れたことを。でも、そういうのって女性は嬉しいんじゃないですか。“いまさらそんなこと言っても遅いよ”とは思うだろうけど(笑)、男性から好かれてイヤな気持ちになることはないので。

――あ、そうですか。
【中島】 うん、人から「好きです」って言われたら、“ありがとう”って思うよ。それが発展するかどうかは別にして。この曲の歌詞にしても、男が「情けない僕だけど」って言うなんて、すごいことだと思うし。

――参考になりました(笑)。ところで中島さんは「自分は“ひとり”だな」って感じることってありますか?
【中島】 うん、けっこうあります。というか、意識してひとりの時間を作るようにしてます。何か考えなくちゃいけないときは、ひとりにならないといけないと思うし。それにひとりでいることがけっこう好きなんですよ、私(笑)。

(文:森 朋之)
(写真:鎌田 拳太郎)