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トップ声優として幅広く活躍し、音楽活動でも脚光を浴びる平野綾。『豆富小僧』では、ピュアな心をもち妖怪が見える少女・室田アイ役を演じている。個性豊かなボイスキャストたちとのアフレコでのエピソード、役柄への感情、さらにプライベートでの感動話も語ってくれた!
平野綾

──原作のファンとうかがいましたが、脚本を読んでみていかがでしたか?
【平野】 京極夏彦さんの作品なので、どこか不気味で怖い印象があったんですが、この映画はガラッと変わって、子どもからお年寄りまで楽しめる作品になっていました。それに、物語に組み込まれた家族愛や古きよき心などのメッセージを強く感じることができる作品で、演じていてすごくやりがいのあるものでした。

──平野さんが演じたアイちゃんは8才の女のコでしたが、役作りはどんな風にされたのですか?
【平野】 アイちゃんは子どもっぽくなくて。大人のなかで育った子どもなんです。自分の意見をすぐに口にせず、考えて、ずっと周りを観察しているようなコ。なので設定よりも少し大人に見えるように演じました。でも、お母さんの前や本音がこぼれるところは、より子どもの部分が出るようにしました。

──最後のほうのシーンでは、アイちゃんの泣き声がすごく心に響きました。
【平野】 嬉しいです。子どもって、泣き方が独特でそのときの気持ちを全て乗っけるんです。なので、とにかく力いっぱい泣き続けました。泣くのって本当にパワーがいるんですよね。子どもは泣くとき呼吸が浅いので、終わったらドッと疲れて。でもそのおかげで、満足できる仕上がりになったと思います。

──アイちゃんは物語が進むにつれ、すごく成長していきますね。
【平野】 そうなんです。大好きなお母さんがだんだん変わっていく姿を見て、誰にも相談できずにいたことが、豆富小僧や達磨先生と出会うことで解消され、しっかりと成長していきます。一番成長するのは豆富ちゃんなんですが、そこに引っ張られたのかもしれないですね。

平野綾

──それにしても可愛い妖怪たちですよね。
【平野】 ね!妖怪というと怖がる人もいると思いますが、この映画に出てくる妖怪は可愛くてたまらないんです。今まで可愛い妖怪がそんなに描かれなかったのが不思議なくらい。妖怪って、お化けと違って、より人間らしいと思うんですよね。私のなかで妖怪は、仁義を大切にするイメージなんです。この作品に出てくる妖怪に出会って、人と人とのきずなや、普段気づかなかった小さな、でも大切なことを思い出させてもらいました。

──共演された方も個性豊かですよね。
【平野】 はい!なかでも達磨先生の武田鉄矢さんは本当にすごくて。武田さんは台本にないアドリブを連発していらしたんです!その言葉が全部的を得ていて、しっかり役どころを捉えているんだなと思い、本当に先生でした(笑)。深田さんも本当に癒される声だし、すばらしかった!今回は本当にたくさんの先輩方に囲まれて、すごく勉強になりました。

──最後に、キャストの皆さんの“心温まるエピソード”をお願いしているのですが。
【平野】 免許を取りに教習所に通っていたんですが、これが受かれば免許が取得できるという最終試験の日に合格して、実家に報告しに帰ったら、まだ合格を知らせていないのに、ちらし寿司が用意してあって。それを見て母に「落ちてたらどうするつもりだったの!?」って聞いたんです。そうしたら母は、「綾は昔から失敗したり、できないことがあったら、誰も知らない所で必死にがんばるでしょ。だからそろそろ受かるだろうと思ったのよ」と言ってくれたんです。これには感動しましたね。でもホント、落ちていたらどうするつもりだったんだろう(笑)!?

(文:吉田可奈/写真:片山よしお)

平野綾
1987年生まれ。愛知県出身。
テレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』『DEATH NOTE』『NANA』(2006年)『らき☆すた』(2007年)など話題作に多く出演し、数々のアワードを受賞。一躍、トップ声優として脚光を浴びる。音楽活動も精力的に行うほか、ミュージカル『嵐が丘』(2011年夏上演)では主演を務めるなど、活躍の場を広げている。

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【ストーリー】
 時は江戸時代。まだ人間と妖怪がともに暮らしていたころの話。その間の抜けた外見と、弱虫な性格からまったく人間を怖がらせることができない豆富小僧は、父親である妖怪総大将の見越し入道から怒られてばかり。他の妖怪たちからも馬鹿にされている。なぐさめてくれるのは目付け役の達磨だけ……。
 ある日、お母さんがいない豆富小僧は、母を探す旅に出る。すると突然目の前にお母さんが現れ、そのお母さんに導かれ、達磨と一緒にお堂のなかに入ったところ、ふたりは閉じ込められてしまう。妖怪の長年の敵、狸の仕業だ……。途方に暮れるふたりがようやく外に出ることに成功すると、目の前に広がっていたのは見たことのない世界。そこは現代の日本だった。

【ボイスキャスト】
深田恭子 武田鉄矢 小池徹平 大泉洋 宮迫博之 平野綾 はるな愛 檀れい 松平健

2011年4月29日(祝・金)3D/2D同時公開
(C)2011「豆富小僧」製作委員会

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