──撮影も順調のようですが、今日の格好を見ると、徐々に地味な女の子から華麗な女性へと変貌しつつあるようですね。
【香里奈】 そうですね。3段階で言えば“2”くらいまできている感じです(笑)。
──『リアル・クローズ』は、エルメスとのコラボを筆頭に、毎週さまざまな流行の服が登場しますが、ここまでファッションとリンクしたドラマは今までなく、モデルとしても活躍されている香里奈さんにとって、うってつけの役だと思います。
【香里奈】 ありがとうございます!女優のお仕事は、モデルとは全く違うモノだという気持ちでやってきて、“モデルの香里奈”と“女優の香里奈”は分けてきたんですけど、『リアル・クローズ』では、ある意味でひとつになったという気持ちがあります。
──双方の仕事が今回の現場では活かされているわけですね。
【香里奈】 モデルをやっていなかったら、きっと洋服の見せ方とかコーディネートも分からなかったし、モデルをやっていてよかったなって実感しています(笑)。
──香里奈さん演じる主人公の絹恵は「人間は外見じゃなく内面」という信念から、オシャレを頑なに拒否しながらも、自身のなかで徐々に変化の兆しが生じていきますね。
【香里奈】 分かりやすくするために、最初は極端にイケテない感じにしているんですけど(笑)。成長していく様では、単に洋服のレクチャーというわけではなく、外見が変わると中身も変わっていく・・・自分自身を変えていこうとする女性のドラマになっていると思います。
──ファッションの仕事をしていくなかで、絹惠の意識も変わり、前向きに成長していきますが、香里奈さん自身も仕事に対する意識が変わったなと思う時期はありましたか?
【香里奈】 学生の頃は、学校に行きながらお仕事をしていたこともあって、モデルや女優というお仕事のことが今のようにわかっていなかったし、学生のバイトや習いごとのような感じがあったんです。
──そこで、自身のなかで意識改革が起こった。
【香里奈】 21とか22才ぐらいのときだったんですけど、そういう延長線上じゃダメだなと思いました。仕事は楽しくて続けていきたいと思ったので、だからこそちゃんと意識を変えないダメだと思って。周りにいろいろとアドバイスをくれる方がいたので、少しずつ直していけたと思います。
──それは、女優の仕事をさらにさらに力を入れていきたいという思いがあったからですか?
【香里奈】 それもあると思いますが、「20才を過ぎても中身は10代のままでいたい、大人ぶりたくない」という気持ちから抜け出さないといけないなって思い始めたんです。当時は今と比べたら子供だったと思うし、今もまだまだですが、仕事に対する意識が今とは違いましたね。例えばインタビューでも何を話していいのかわからず、ちゃんと答えられなかったりして・・・だから、まずは聞かれたことにちゃんと答えるとか、そういう小さなことからやっていきましたね。
──1年前に放送された『リアル・クローズ』SP特番から振り返っても、女優としての変化を実感するときがあるのでは?
【香里奈】 演技力などの面でいうと、自分自身を客観視できるほどの余裕はないですが、1年前と比べると、やっぱりペース配分が掴めてきたという実感はあります。ドラマは長時間撮影が行われるので、このタイミングで別の仕事をするとか、このタイミングで仮眠を取るとか(笑)。
──1年前のスペシャル放送をDVDで振り返ったりはしましたか?
【香里奈】 撮影に入る前に、やっぱり不安があったので、ちょっと観てみようかなって思ったんですけど、それだと1年前の自分のマネになってしまうので止めました。なんとか体が覚えているみたいです(笑)。でも、記憶を大事にしながらも、今は新しいドラマを創っていこうという思いの方が強いですね!