だまっていれば男前、ひとたび口を開けば類まれなる妄想キャラで、笑いの渦を巻き起こす芸人、チュートリアル・徳井義実。そんな一筋縄ではいかない男が、映画『莫逆家族 バクギャクファミーリア』で主演を務めた。「ヤンキー要素はない」と言いながら、見事に激しい格闘シーンをこなした彼に、初主演への想い、そして仕事に対する本音を直撃!

自分じゃないみたいで新鮮だった

徳井義実

徳井義実

──金髪にがらりとイメージチェンジしての役作りはいかがでしたか?
【徳井】 純粋に新鮮でしたね。自分じゃないみたいで「こんなんなんねや!」っていう感じでした。頭皮がちょっと痛かったですけど(笑)。 ──さらに今回は、ハードな肉体改造も行ったそうで。
【徳井】 学生時代に部活とかやっていて、運動経験は多少よかったんですけど、そのときはしんどかったら手抜いたりしてたんですよ。だから、こんなに本格的な筋トレは初めてでした。今回はねえ、手抜くというわけにはいかないですから、必死でした。 ──どんな気持ちでトレーニングしていたんですか?
【徳井】 「迷惑かけたくない」だけですね。やっぱりねえ、芸人が一人だけ役者さんたちのなかに入っているので、「これだから芸人は……」と思われたらイヤじゃないですか。「役者だったら体しっかり仕上げて来るのにな」とか「何でコイツが主役やねん!」ってガッカリされたくないので、その気持ちを原動力にしてがんばっていました。 ──“初”が多い現場だったんですよね。
【徳井】 もう、やったことないことのオンパレード。金髪も筋トレも、主演というのも初めてだったし、格闘シーンも。とにかく初めてづくしでしたね。役柄も元ヤンキーで、一人息子を持つ父親でもあるという設定で。今思い返してみても、刺激的な日々でした。 ──いっぱいいっぱいになったりしなかったんですか?
【徳井】 その辺は割と冷静でしたね。ただ、主役というプレッシャーはありましたし、最低限の責任のようなものは感じました。「完成したらどのくらいの人に観てもらえるのかな」という思いは、これまでお芝居させていただいたほかの作品より強かったですね。撮影中は「他の役者さんたち、(自分を)どう思いながらやってるんだろう」と気になってたりもしました(笑)。 ──プロの役者さんたちのなかにどっぷり入るというのは、どんな気持ちだったんですか?
【徳井】 「えらい所に入れられてしまったなあ」というのはすごくありました。カンベンしてと(笑)。でも周りの方々も温かかったですし、僕も少しずつ開き直っていけたので、比較的すぐに安心して撮影に臨めるようになりました。やっぱり共演したみなさんも、大人だしプロなんで。お互いに役作りを邪魔しないような、心地よい距離感で接してくれたのでありがたかったです。

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(文:奥浜有冴)

PROFILE

徳井義実
1975年4月16日生まれ。京都府出身。
漫才コンビ・チュートリアルとして、ABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞、上方漫才大賞新人賞などを獲得。2006年、M-1グランプリ王者に輝く。俳優としては、ドラマ『アンナさんのおまめ』(EX/2006年)『カレ、夫。男友達』(NHK/2011年)、映画『天国はまだ遠く』(2009年)『お墓に泊まろう!』(2010年)などに出演。2012年、『莫逆家族 バクギャクファミーリア』で映画単独初主演。



自分じゃないみたいで新鮮だった

 17歳で関東一の暴走族「神叉」のトップに立ち、その名を馳せていた火野鉄(徳井義実)。しかし現在は家族を養うために現場作業員として仕事に明け暮れる日々を送っていた。反抗期の息子・周平(林遣都)からも完全にナメられ、昔の威光は見る影もない。

 そんなある日、同じように今は平凡な一市民として過ごしていたかつての仲間・横田(阿部サダヲ)の娘が、不良たちに暴行されるという凄惨な事件が起こる。落とし前をつけるために、数年ぶりに集結した「神叉」の仲間たち。この世界に存在する意味を与えてくれた<家族>=仲間のために、自分はもう一度立ち上がることができるだろうか?

 暴行事件の背後に「神叉」時代の遺恨を引きずり続ける五十嵐(村上淳)がいることを知った鉄は、長年封印してきた荒ぶる魂と暴力への衝動を解き放っていく。気がついた時には、事態はもう二度と後戻りすることができない地点へと突き進んでいた……。

監督:熊切和嘉
出演:徳井義実 林遣都 阿部サダヲ 玉山鉄二 中村達也 新井浩文

2012年9月8日(土)全国ロードショー
(C)2012「莫逆家族」製作委員会

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