想像で演じた 自分自身との共通点がない役──今回は、父親に反抗し家族とも溝がある女子高生役ですね。 【橋本】 (演じる)梓美は反抗期で、友人関係もうまくいっていなかったりするんですけど、撮影前に自分のなかに梓美の要素が無いということに気づきました。私自身は、友だちは多いほうですし、学校では周りでもいじめとかは無かったので、すべて想像で演じるしかなくて。悩みましたし難しかったです。 ──ベテラン俳優の水谷豊さん、安田成美さんとの共演でしたが、現場の雰囲気はいかがでしたか? 【橋本】 水谷さんは『相棒』の(杉下)右京さんの役柄のイメージが強かったのですが、実際にお会いしてみるととても気さくな方で、現場での空気感を作ってくださる優しい方でした。安田さんは本当に素敵な方で、すごく優しくしてくださって、何度も笑顔に癒されました。理想の女性です。でも、撮影中に共演者の方々とお話しをしているときに、自分が何かのツボにハマって大笑いしたら、その笑い方を皆さんに笑われてしまって恥ずかしかったです(笑)。 ──(笑)どんな笑い方だったんですか? 【橋本】 ひき笑いなんですけどちょっと特徴があるようで、(濱田)龍臣くんにめっちゃバカにされました(笑)。現場でも音声さんに「橋本が笑うときはスイッチを切る」って言われていました……。 ──楽しそうな現場ですね!では橋本さんが一番好きなシーンは? 【橋本】 龍臣くん演じる智也と座敷わらしの六ちゃんのシーンですね。2人が寝転んで話しているシーンとか。2人だけのシーンがすごく可愛らしかったです! ──撮影中に監督からは何かアドバイスはありました? 【橋本】 とても緊張していたので、撮影中は「もっと力を抜いて〜」とよく言われていました。最後まで力が入ってしまっていたと思うんですけど、終盤ぐらいに監督から「よくなってきたね」と言っていただけるようになり、嬉しかったです! ──岩手でのロケは楽しめましたか? 【橋本】 龍臣くんと遊んだり、盛岡名物の冷麺を食べに行ったりしました。あと、空き時間にひとりでカラオケにも行きました(笑)。 父親を見て自分を見つめ直してほしい!!──高橋家のような家族をどう思いますか? 【橋本】 理想的な家族ですよね。私の家も仲が良いほうですが、高橋家の家族の関係性は、どこをとっても良いなぁと思えました。 ──そんな家族を描いている本作のなかで、橋本さんと同世代の子たちに向けて“こんなところを観て欲しい”というポイントは? 【橋本】 梓美のように反抗期で、父親のことを「ちょっと嫌だな」と思っている人には、日ごろの父親のがんばりを見て自分を見つめ直してほしいと思います! ──世の中のお父さんたちが喜ぶと思います(笑)。橋本さんご自身はお父さんとの仲は? 【橋本】 今はとても仲が良いです。小学校低学年のころ、父親から誕生日プレゼントに何が欲しいか聞かれて「新しいお父さん」と言ったことがありました(笑)。当時はあまり父親が家にいなかったこともあって。 ──寂しくて言っちゃったんですか? 【橋本】 多分そうです。それで祖母に怒られました(笑)。でも今は家族のために働いてくれているんだと思うと、反抗とか出来ないなと思います。 ──話は変わりますが、今のお仕事ではモデルとしてもご活躍ですね。 【橋本】 モデルはこの業界に入ったときの目標でしたし、すごくやりがいを感じます。現場が楽しいので、お仕事に向かうときはいつもルンルンなんです(笑)。 ──お菓子が好きと聞きましたが、多忙ななかで体型の管理も大変では? 【橋本】 はい。でもセーブはしません(笑)。一時期ダイエットにハマって、糖分をとらなくなったんです。でも、逆に痩せすぎと言われてしまいまして……。その後にもとに戻りました。 ──今後、女優として挑戦してみたい役はありますか? 【橋本】 今のイメージをガラッと覆しちゃうような役をやってみたいです! (文:奥村百恵) PROFILE
橋本愛 HOME 愛しの座敷わらしストーリー:父・晃一の転勤で、東京から岩手県の古民家へ引っ越すことになった高橋一家。家でも会社でも居場所がない晃一、夫の能天気さに不満な妻・史子、ひそかに友人関係に悩む中3の梓美、好奇心旺盛なのに過保護に扱われる小5の智也、認知症の兆候がある晃一の母・澄子。家族は一緒に暮らしているのに心はバラバラ。 そんな一家が築100年以上の新居に移ってようやく田舎暮らしにもなれてきた頃、智也は着物を着た不思議な子どもに出会い、梓美も鏡に映る人の顔を目撃。史子は物が消える等、不可思議な現象に遭遇し、澄代もなにやら感じている様子。やがて、古民家には座敷わらしが居ついていることがわかり、家族の関係に微妙な変化が……。
監督:和泉聖治
2012年4月28日(土)全国ロードショー |