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第2回:羽住英一郎監督
4作目の挑戦!いつもの直球勝負で感動のゴールへ

羽住英一郎監督

強い信念を胸に『海猿』シリーズを、『海猿』チームを、『海猿』ファンを牽引してきた羽住英一郎監督。続編を望むファンの声に応えるべく4作目『BRAVE HEARTS 海猿』の制作を決意した。感動作を再び世に放ち、今回もみんなを感動のゴールに導く!そんな4作目の挑戦を羽住監督が熱く語る!!

『海猿』を背負う男、伊藤英明というヒーロー

海猿 場面写真
(C)2012 F/R/P/T/S/A/FNS

 主人公・仙崎大輔はシリーズ4作目『BRAVE HEARTS 海猿』で、機動救難士から海難救助の最後の砦といわれる特殊救難隊へ進みます。クランクインのとき、黄色いウエットスーツを着た英明がこう言ったんです。「訓練生だった1作目のころの自分(仙崎)に、特殊救難隊まできたこの姿を見せたい」と。その言葉を聞いて、改めてこの『海猿』シリーズは英明がいたからこそ、ここまで辿り着くことができたんだなと思いました。今となっては英明以外の仙崎大輔は考えられない。あれだけ過酷な撮影をスタントなしで本人自らがやる、しかも説得力ある肉体を作り込んで演じるというのは、なかなかできることじゃないですから。

 思い返せば、まだブレイクしていない彼をシリーズ1作目で仙崎役に抜擢した理由は、普通の兄ちゃんだったからなんです(笑)。というのは、原作の仙崎は母親を海で亡くしているので、海で誰も死なせたくないという思いを最初から持っている。でも、僕はそういう特殊な境遇に置かれている人ではなく、ごく普通の青年が成長していく話にしたかった。だから当時の英明を選んだ。英明は本当に惚れ惚れするほどいい兄ちゃんで、キャストからもスタッフからも慕われています。英明が体を張っている姿を見て「自分たちも負けてられない」とキャストがみんな奮い立つ。彼のがんばりが『海猿』の現場をひとつにしているんです。

仙崎&環菜に続くふたりのカップルに託したもの

海猿 場面写真

 今回は、仙崎と長年のバディである吉岡と、彼の彼女の美香に『海猿』のラブストーリー的な部分を託しています。複雑な恋愛ストーリーではなく、守ってあげたくなるような、戦場のなかに咲いている花のような、そんなラブストーリーを目指しました。とはいっても『海猿』ですから、女性とはいえ過酷な撮影が強いられます。そんな現場に新キャラクターとして投入された美香役の仲里依紗は、役柄同様に根性のある女優でしたね。

 いわゆるパニックムービーにおけるヒロインは「ワー!キャー!」と恐怖におののく演技を求められますが、美香の場合はキャビンアテンダントという職業柄、恐怖心を表現することだけでなく仕事の責任感も出してもらわなくてはならない。恐怖と戦いながら必死で働く格好良さ、がんばっている姿を、彼女は見事に演じてくれました。また、美香を助けようとする吉岡にも命に関わる危険が降りかかります。実は、吉岡の某シーンは最初の脚本ではなかったんです。制作過程でスタッフから「もうひとつ欲しい」「もっと海猿っぽくしたい」という意見が出て……。それならもうひとヤマ用意しようということに。『海猿』らしい、前菜ナシでいきなり肉、肉、肉とメインディッシュが続くような展開になっています(笑)。

過去3作を超えるのは当然。4作目における挑戦

海猿 場面写真

 『BRAVE HEARTS 海猿』は、原作のジャンボジェット機の海上着水エピソードを軸にしています。4作目で飛行機を持ってきたのには理由があって──映画1作目やドラマシリーズは仙崎や吉岡たちが救難士として成長していく青春ドラマでしたが、2作目はフェリー、3作目でオイルリグを舞台にしたアクションドラマにしている。その続編としては、過去作で描いてきたものと同じような舞台ではダメなんです。舞台の大きさだけではないのですが、それ以上のことをやらないと前作を超えたとはいえない。そう考えたとき、ジャンボジェット機の海上着水はふさわしい題材だと思いました。ただ、飛行機は多くの人が乗ったことのある乗り物なので、そこでの危機を描くうえで、これまでの舞台とは異なるリアリティという面での難しさもありましたね。

 また、過去3作のスケールを超えると同時に、誰もが共感できる話であることも『海猿』の“らしさ”として欠けさせてはならないことです。今回は仙崎と環菜をはじめ、たくさんの家族の話が出てきます。海難という特殊な状況を描きながらも、受験で悩んでいる中高校生、恋愛で悩んでいる人、子育て中の主婦……誰が観ても共感できる人間ドラマを描き、映画を観た人それぞれが勇気を持てる。そんな感動を描き続けることが『海猿』の挑戦でもあるんです。

変化球ではなく、常に直球で勝負する

海猿 場面写真

 これまでの『海猿』では、仙崎大輔というヒーローが全面に立っていました。我々にとっての「こうなりたい、こうありたい」という理想の男が仙崎大輔だったんです。彼が毎回さまざまな困難に遭遇して、挫折して、立ち上がっていく姿を描いています。前回は、子どもができたことによって恐怖を感じてしまうという新しさを出しました。そして今回は、仙崎を否定する人物を登場させることで、これまでと違う風が吹きます。そんななか、危機に対して救難隊だけではなくみんなが力をあわせることで、仙崎大輔というヒーローは誰の中にもいるんじゃないか、そういう想いを加えたんです。

 「BRAVE HEARTS」というタイトルはそこからきています。でも、それは目に見えるものではないので、観客にとっては「いつもの『海猿』だったね」でいい。変化球を投げるつもりはないので、「また同じ事やってるよ」でいいと思うんです。『BRAVE HEARTS 海猿』がヒットして「ファンの方がもっと『海猿』を観たい」と言ってくれるのなら、5作目もあるかもしれませんね(笑)。

(文:新谷里映)

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■第3回:三浦翔平(服部拓也) 『ほかでは体感できない勇者たちの空気』
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作品情報

BRAVE HEARTS 海猿

BRAVE HEARTS 海猿  海上保安官・仙崎大輔(伊藤英明)は長年のバディ・吉岡(佐藤隆太)とともに、最高レベルのレスキュー能力を持つ特殊救難隊の一員として海難救助の最前線にいた。そんな彼らの前に、シドニー発羽田行きのジャンボジェット機のエンジンが爆発炎上、東京湾へ海上着水する大事故が発生。しかもその機内には、吉岡の恋人でキャビンアテンダントの美香(仲里依紗)が乗っていた。
 沈没までの残された時間はわずか20分。果たして大輔たちは、乗員乗客346名全員を無事に救出することができるのか!? そしてその先には、誰もが予想だにしていない事態が待ち受けていた……。

チーフプロデューサー:臼井裕詞
監督:羽住英一郎
出演:伊藤英明 加藤あい 佐藤隆太 仲里依紗 三浦翔平 平山浩行 伊原剛志 時任三郎

予告編 OFFICIAL SITE

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