自分の気持ちの変化に気づいていない・・・──ヒロインの薫役を演じるにあたって気を付けたことはどんなことですか? 【武井】 薫は、父亡きあと道場を引き継いで女ひとりでその道場を守っているんです。なので、所作や殺陣が身体になじんだ状態で演技をしなくてはならないなと思っていました。撮影の3ヶ月前から所作と殺陣を練習しましたが、もっと時間があったらまだまだやれたんじゃないか……と思うこともありました。でも、あのときの自分がやるべきこと、やりたいことはすべてやりきったので、その姿をスクリーンで観てもらえたら嬉しいです。 ──ここを観てほしい!というシーンはどこですか? 【武井】 やっぱり剣心の殺陣はすごい迫力があって格好いいですよね。アクションシーンは本当に鳥肌ものです!撮影中もみんなでモニターの前で、何度も剣心の殺陣のシーンを見返したりしていました。また、剣心と薫のやりとりのなかで登場する弥彦の存在が、私にとって癒しでもありました。演じている田中偉登くんもすぐに打ち解けてくれましたし。薫が弥彦をかわいがるように、私も田中偉登くんをかわいがっていたというか。そういう気持ちが自然と役に反映されていると思います。エネルギー溢れるアクションシーンのなかにある薫と弥彦の癒しの空間にも注目してほしいですね。 ──たしかに、ほのぼのとしていて観ている側も癒されます。内面的にはどんなことに気をつけて薫を演じていたのでしょうか? 【武井】 薫を演じているときに私がつねに感じていたのは、純粋さです。剣心にどんどん想いを寄せていく様子は傍から見ても明らかなんですが、薫自身はそんな自分の気持ちの変化に気づいていないんです。その純粋さを大切にしながら演じていました。 ──薫が想いを寄せる剣心をはじめ、斎藤一、相楽左之助……魅力的なキャラクターがたくさん登場します。武井さんのタイプはどのキャラクターですか!? 【武井】 個人的な好みとしては、やっぱり剣心ですね。殺陣のシーンのあの髪のなびき方とか、格好よすぎます!香川さんの演じた武田観柳も最高でした(笑)。大好きなキャラクターです。ただ、薫とのセリフでの絡みはあまりなかったのが残念で。もう少し香川さんとお芝居してみたかったな、という心残りはあります。 佐藤健さんの意外な一面!? 想像できない裏の顔!?──香川さんから撮影中の京都での食事の話を聞きました。苦手な食べ物があるそうですね(笑)。 【武井】 魚介類が苦手なんです(苦笑)。香川さんに連れて行っていただいたお店でスッポンが出てきたんですが、私にとってスッポンはかなりハードルが高くて……。ほとんど食べられなくて、香川さんには本当に申し訳ないことをしてしまったなと思っています。そのときに、蒼井(優)さんと食べ物の好き嫌いの話をしていて、蒼井さんも昔は食べられないものがけっこうあったそうなんですね。年齢とともに食べられるようになったと言っていたので、私も『るろうに剣心』のこの現場を機に、食わず嫌いを徐々に減らしていきたいなと。いいきっかけになりました(笑)。 ──ちなみに、好きな食べ物は? 【武井】 お肉が好きです(笑)。 ──続いて、一番共演シーンの多かった佐藤健さんについてもう少し聞かせてください。剣心には抜刀斎というもうひとつの顔=裏の顔がありますが、演じる佐藤健さんにも意外な一面はありましたか? 【武井】 剣心を演じているときの佐藤さんは、目の色が違うというか、出しているオーラが違うというか。とくにアクションシーンの前、メイクを終えて衣装に着がえた後にいつもストレッチをして準備をしているんですが、そのときからメラメラしたオーラを感じました。でも、セッティング待ちやご飯を食べに行ったりしているときは、少年のような無邪気さがあったりして。なぞなぞを本気で考え込んだりするところとかは、剣心を演じている姿からは想像できない顔でしたね(笑)。 ──武井さん自身にも裏の顔がありますか? 【武井】 そうですね……。私自身は(家族のなかで)お姉ちゃんではあるんですけど、年下を引っぱって行くようなタイプではないんです。大人っぽいイメージがあるみたいなんですけど、実際はどの現場でもたいてい年齢的に一番下なので、可愛がってもらう方が多くて。みなさんに甘えています(笑)。なので、お姉さん的イメージを持っている方からは「意外だね」と言われたりも。それが裏の顔かもしれないですね(笑)。 (文:新谷里映/写真:鈴木一なり) プロフィール
武井咲
1993年12月25日生まれ。愛知県出身。 BACKNUMBER
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