9歳の天才ドラマー・よよかの素顔 奥田民生やロバート・プラントなど国内外の音楽家が注目

 レッド・ツェッペリンのロバート・プラントや、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミスといった世界のそうそうたるミュージシャンから絶賛されている天才少女ドラマー・よよか(9歳)。米ローリングストーン誌で特集されたり、『ニューズウィーク日本版』の「世界が尊敬する日本人100」に選出されたりと、海外からの注目度も上がっている。

ドラムの練習時間は? 好きな食べ物は? よよかに聞く「33の質問」

2歳の頃からドラムを開始、家族でバンド活動も行う

 きっかけはYouTubeにアップした“(ドラムを)叩いてみた動画”。小さな身体から繰り出されるパワフルなドラムや確実なテクニックが話題となり、世界中からコンタクトが来るようになった。この春にはアメリカの人気トーク番組『エレンの部屋』に、日本人としては初めて2度目の出演を果たしている。

「世界中の人と仲良くなりたいので、すっごーく嬉しかったです。いろんな国を探検して、たくさんの人に会ってみたいです」(よよか)
 北海道石狩市に在住。現在、両親、弟と共にバンド活動もしている彼女が、初めてドラムを叩いたのは2歳のときだった。

「(当時のことは)あまり覚えてないんですけど、おうちでお父さんとお母さんがやってるユニットの練習をしていたときに、私がドラムをずっと見ていたんだそうです。イスに座らせたら、楽しそうにトコトコ叩いたのが最初だったってお母さんが言っていました」(よよか)

 初ライブは4歳のとき。作詞作曲もしており、6歳で初のCD「ハマナスの約束」を自主制作している。
「最初に作った曲は、お父さんが弾いてたギターに合わせて勝手に歌っていたらできました。でも、今はだいたい1人で作ります。作るというよりは、歌詞とメロディーが一緒に落ちてくる感じかな? お父さんが昔使っていたiPhoneをもらったので、歌詞とメロディーが落ちてきたらボイスメモに録音しています。でも恥ずかしいので、メモはあんまり家族に聴かせないです(笑)」(よよか)

 曲作りと同様にドラムも全くの独学。カバーも譜面をなぞるのではなく、自分が好きな曲をチョイスしている。母親の相馬りえさんによると、YouTubeで特に話題となったレッド・ツェッペリン「Good Times Bad Times」も、よよか自身の選曲だったという。

「夫も私も実はあの曲は知らなくて。パソコンでランダムに流れていたのを、よよかが『この曲のドラム叩いてみたい』と言い出したんです。娘は結構、頑固なところがあって、私が『ドラムの練習になるからやってみたら?』と言っても、自分が気に入った曲じゃないと絶対にやろうとしないんですよ」(りえさん)

 近年は、国内のミュージシャンとのセッションも増えている。昨年の『RISING SUN ROCK FESTIVAL』で共演した奥田民生も、「『Good Times Bad Times』は学生の頃から演奏したかったんですが、ドラマーが下手でやれなかった」と舌を巻いた。なかでも音楽プロデューサーの亀田誠治氏とは何度も共演しており、彼女の音楽センスを高く評価している。

「亀田さんは面白くて優しくて、とても楽しい人です。バナナが好きなところも一緒だし、亀田さんはベーシストなのでリズム隊同士、気が合うのかな?」(よよか)

最も楽しんでいるのは曲作り レコーディング作業にも興味を示す

 母親のりえさんは、「ドラムというポジションはこの子の性格に合っている」と言う。

「あまり自分が前に出るタイプではないんです。むしろ周りの状況を分析したうえで、自分がどう振る舞うべきかを瞬時に判断する能力が備わっているといいますか。赤ちゃんの頃から常にジッと周りを観察している子でしたね」(りえさん)

 ドラムのカバー動画で一躍話題になった彼女だが、最も楽しんでいるのは曲作り。ギターやベースなどの楽器にも取り組み、ミックスやマスタリングといったレコーディング作業にも興味を示しているようだ。
「おそらく、アーティストというよりもクリエイター気質なんだと思います。小学校で一番好きな授業も図工ですし、コツコツものを作るのが楽しいようですね。今はたまたま音楽ですが、今後たくさんの経験をしていくなかで、もしかしたら違う表現手法に興味が向かうかもしれません。ただ、先ほども言ったように、自分が納得して初めて取り組むタイプですので、親としては何かを押し付けることなく見守っていきたいと思います」(りえさん)

 よよか自身は、「どんな大人になりたい?ってよく聞かれるんですけど、考えたことないです」とはにかむ。“天才少女”として喧伝される彼女だが、天賦の才能が世に広まるのは環境も大きな要因。そのきっかけがYouTubeだったのは、なんとも現代的だ。これから彼女がどんな表現に出合い、才能を発揮していくのかを楽しみにしたい。

文/児玉澄子

提供元: コンフィデンス

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