これから大きく変化していくこの世の中において、従来の仕事はAI(人工知能)やロボットに代替されていく可能性があります。世界は今まさにイギリスで起きた産業革命、そしてインターネット革命以来の産業構造の大きな変革が起きようとしています。
そんな中、子どもたちが素晴らしい未来を切り開いていくためにはどうすればよいのか? 大人になってからの必須の力として世界的に注目されている「創造力」や「コミュニケーション力」、「セルフコントロール力」などの非認知スキルを、子どものころから磨くためにはどうしたらいいのでしょうか?
ダイヤモンド社から『脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A』を上梓した脳科学者の西剛志さんが、最先端の研究から分かってきた驚くべき事実を紹介していきます。
大人からの多すぎる命令が
子どものやる気をそいでしまう
「子どもがやる気がなくて困っている」という話をよく耳にします。ただ、子どもがやる気のない理由は、たった1つだけかもしれません。これは「やる気を高めたい」というお父さん、お母さんにいつも質問していることです。「子どもに〜しなさいと命令することは多くありませんか?」ということです。
すると、やる気がない子どもを持つ親のほとんどが「ええ、その通りです」と答えるのです。
実は、子どもは生まれつきやる気がない子はほぼ存在しないことが分かっています。皆さんは生まれたときからやる気のない赤ちゃんを見たことがあるでしょうか? そんな光景を見たことがある人はほとんどいないかもしれません。赤ちゃんは転んでも諦めずにどんどん前に進もうとしますし、常にやる気に溢れています。
しかし、そんな赤ちゃんや子どものやる気が失われてしまうきっかけがあります。それが『大人からの数多くの指示や命令』です。子どもは大きくなるにつれて、大人からたくさんの指示を受けます。中には大切なこともありますが、自分がどうしてもやりたくないこともあるかもしれません。
実際に脳科学と心理学の研究でも、脳は「勉強しなさい!」「片付けなさい!」「しっかりしなさい!」と命令形で言われると、抵抗を感じて真逆のことをしようとする性質があることが分かっています。例えば「箱を開けないで」と言われると私達は開けてしまいたくなります。実は、こうした命令をたくさん受けているうちに、子どもはやる気を失ってしまうのです。
参考記事
子どものメンタルを強くする
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