2000年以上もの歴史を持つ北イタリアの州都トリノ。北西部にアルプスの山並みが望め、ドーラ・リパリア川とポー川の合流点に広がる町並みは、17世紀、サヴォイア家の安定した支配下で都市整備が行われ、現在も残るイタリアン・バロック様式の建物で溢れています。
トリノでは、いくつかの大きな広場を出発点として観光するとわかりやすい。緑が多く、テラス席が設けられた広場で寛ぎながら街歩きを楽しみましょう。
玄関口となる二つの鉄道駅から広場を目指そう!
イタリア北西部に広がるピエモンテ州の州都トリノ。アルプス山脈を北西に臨み、ドーラ・リパリア川とポー川の合流する穀倉地帯ポー平原の西側に位置しています。2000年以上の歴史を持ち、17世紀にはサヴォイア家の安定した支配下で都市整備が行われ、碁盤の目のような通りにより、整然とした町並みが造られました。現在に残るイタリアン・バロック様式の美しい町並みは、ただ歩き周るだけでも楽しい!由緒ある世界遺産に登録されている建物が点在しています。
この町の入り口となるのは二つの鉄道駅。その一つ、行き止まり形式のトリノ・ポルタ・ヌオーヴァ駅は堂々たるアール・デコ様式の駅舎です。正面はポルティコというアーケード式になっていて美しい列柱とアーチが並びます。
ポルタ・ヌオーヴァ駅を出ると目の前に広がるのが、緑に包まれたカルロ・フェリーチェ広場。円形の池を中心に木蔭にはベンチや像が配され、のんびり寛ぐ市民や観光客の姿が見られます。
ここからまっすぐ進んでいく通りがローマ通りと言って、サン・カルロ広場を経由してカステッロ広場まで一直線で結ばれています。
もう一つの玄関口トリノ・ポルタ・スーザ駅は近代的な建物。ガラスのドームに覆われた明るい駅構内です。駅前には長距離バスの到着するバスターミナルのバス停が並び交通量の多い通りになっています。駅舎を背に中央正面から延びるチェルナイア通りを進むとサン・カルロ広場に、左手方向に進み、堂々たる像のある噴水がたつスタテュート広場からガルバルディ通りに入るとカステッロ広場に10分ほどでアクセスできます。
観光の中心地「カステッロ広場」
トリノ観光の中心地ともなるカステッロ広場は、噴水が水しぶきを上げ、とても広々としています。トリノの歴史はここから始まったともいえる所で、サヴォイア家権力の象徴である王宮が北の奥に控え、王妃たちが暮らしたマダーマ宮殿、トリノで最も美しい教会の一つサンロレンツォ教会など含め、堂々たる建物が広場を取り囲んでいます。
カステッロ広場の中央に堂々と建つのがマダーマ宮殿。王妃たちが暮らした宮殿で、世界遺産に登録されているサヴォイア家王宮群の一つ。かつてこの場所でイタリア王国宣言がなされました。現在は市立古代美術館として公開されています。素晴らしい外観の宮殿内は豪華絢爛な装飾で溢れ、イタリア絵画を中心とした充実したコレクションを見ることができます。
＜マダーマ宮殿の基本情報＞
住所:Piazza Castello 10122 Torino
電話:+39-06-67061
開館時間:(火〜土)10:00〜18:00、(日)10:00〜19:00
休館日:月曜日
また、カステッロ広場に面しており、王宮入り口の左手前に建っているのがサン・ロレンツォ王室教会。入り口はシンプルな建物にあり、奥に八角形のキューポラが見えなければ教会とは気づかない教会です。しかし、美術史を飾る宗教建造物の一つであり、大司教が聖骸布を崇め、宮廷詩人が詩に詠いあげている教会です。
＜サン・ロレンツォ教会の事本情報＞
住所:Via Palazzo di Citta, 4, 10122 Torino
ルネッサンス様式のドゥオーモ
カステッロ広場・王宮広場・ドゥオーモ前広場と続く立地関係にあり、サヴォイア家の象徴であるトリノ王宮の隣にピッタリ寄り添うように建つのがドゥオーモ。1505年に完成したルネッサンス様式の大聖堂です。正確にはサン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂といいます。建立当時のままの地下部分は教区博物館となっています。
ドゥオーモ入って左奥にあるのが聖骸布礼拝堂。バロック式のキューポラのあるところが礼拝堂で、キリスト処刑後にその身体を包んだ聖骸布(シンドーネ)があることで知られています。聖骸布は、十字架に掛けられた死者の体の跡のある布のことで、これがあるといっても現在みられるのはレプリカ。本物は1キロメートルほど北西に離れたシンドーネ博物館に厳重に保管されています。公開時期はローマ法王によって決定され、次回の公開は2025年の予定です。
内部はバロック様式の祭壇がいくつも並び、壁面には美しい細工の装飾が施されています。入り口上部を振り返れば、レオナルド・ダ・ビンチの名作「最後の晩餐」の精巧なレプリカが飾られています。
＜ドゥオーモの基本情報＞
住所:Piazza San Giovanni, 10122 Torino
電話:+39-011-436-1540
サン・カルロ広場周辺
ポルタ・ヌオーヴァ駅とカステッロ広場を結ぶローマ通りのちょうど真ん中にあるのがサン・カルロ広場です。
17世紀中頃に造られた広場は「トリノの応接間」とも称され親しまれてきました。石畳で覆われた広々とした空間を取り囲むのは、美しい建物群。カフェ・レストランや洗練されたショップが入り、テラス席もたくさん設けられています。有名なカフェ・サン・カルロやカフェ・トリノなどでゆっくりされてはいかがでしょうか。
豪勢な建物が建ち並ぶ広場の中央にあるのが、16世紀にトリノの発展に貢献したサヴォイア公エマヌエレ・フィリベルトの騎馬像です。
広場からポルタ・ヌオーヴァ駅方面を臨む南西側には、サン・カルロ教会とサンタ・クリスティーナ教会がローマ通りを隔てて並んで建っています。「双子の教会」として知られていますが、それぞれ別の建築様式。右のサン・カルロ教会は聖骸布を賛美したサン・カルロ・ボッロメーオを記念し、左のサンタ・クリスティーナ教会はフランスからやってきた教会の建立者である王室マダム、マリア・クリスティーナ王妃に因んだものです。
ガリバルディ広場周辺
カステッロ広場やサン・カルロ広場から南西へ延びる通りを歩いて5分ほどで川沿いに出ます。この川がポー川。川の手前には、トラムも通るポー大通りが中央を突っ切るように走る、トリノで最大規模の広場があります。これがガリバルディ広場。
この広場でも両側には美しい建物が建ち並び、一階はアーチの並ぶアーケード形式。石畳の広場上にはテラス席が張り出されています。トラムやバスも走り、停留所もあるので、移動に便利な広場です。
ガリバルディ広場の北側に見えているのは、モーレ・アントネッリアーナ。トリノ市内ではどこからも目立つ存在のこの塔は、高さ167.5メートルあり、エレベーターで昇ることができます。内部には国立映画博物館が入っており、映画好きにはたまらない、映画の歴史や撮影技術・機材・特殊メークなどに触れることができます。
＜モーレ・アントネッリアーナの基本情報＞
住所:Via Montebello, 20, 10124 Torino
開館時間:(水〜金、日・月)9:00〜20:00、(土)9:00〜23:00
休館日:火曜日
トリノではどの通りや広場にもバールやカフェが軒を並べていて、休憩するにはことをかきません。そこで、トリノ名物の「ビチェリン」を試してみてはいかがでしょうか。
ビチェリンとは、ピエモンテ州の方言で「小さなグラス」を意味するもの。溶かした特産のチョコレートとコーヒーをミックスしたもので、ゆるめにホイップした牛乳がのっかっています。ほろ苦さと甘さが絶妙!街歩きに疲れたら一度味わってみて下さいね。
それぞれの広場を目安に観光
トリノでは、いくつかある広場を目安にすると観光しやすい立地になっています。
カステッロ広場に面する建物内には観光案内所があり、観光のアドバイスを受けたりトリノ・カードの購入ができ便利で一番に訪れたいところ。広場に面した北の奥にあるのが王宮で、いくつかの博物館や美術館が入っています。ここではたっぷりと時間をかけて見学することをお薦めします。また、サン・カルロ広場の近くには古代エジプト博物館やカリニャーノ宮殿など人気の高い観光スポットが数多くあります。
他にも、庶民的なレプブリカ広場では、大きなマーケットが繰り広げられており、野菜や果物に魚肉、日用品や衣類に小物類などが売られています。ドゥオーモそばのアウグスト広場にはローマ遺跡も残されています。
これらの観光をお得に時間も節約したいならトリノ・カードの利用をお薦めします。これについてはMEMOにリンクしておきますのでどうぞご利用くださいね。
2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
トリノ市公式サイト(英語)
https://www.turismotorino.org/en
マダーマ宮殿ホームページ(英語)
http://www.palazzomadamatorino.it/en
モーレ・アントネッリアーナホームページ(イタリア語)
https://www.moleantonellianatorino.it/
トリノ・カード公式ページ(英語)
https://www.turismotorino.org/en/your-trip/our-cards
【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
Hiroko Oji
