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美しい大村湾に沿って全国で唯一稼働している古豪気動車キハ66系を追う


JR九州大村線は大村湾沿岸を走る非電化ローカル線で、佐世保線早岐駅から長崎本線諫早駅を結んでいます。なかでも彼杵駅から大村駅までの美しい海岸線に沿った区間は、鉄道写真を撮影するには絶好のスポット。現在、大村線には1974(昭和49)年生まれの古豪気動車キハ66系が集中配置されており、彼らの活躍の場として貴重な沿線です。
多くの撮影ポイントの中から今回は長崎本線を含む4か所を選んで紹介しましょう。

まずは鉄道ファンに人気の千綿(ちわた)駅ホームから

写真:飛騨屋 勘左衛門

最初は鉄道ファンだけでなく近隣の観光客にも人気の「大村湾に沈む夕日の名所」、千綿駅から始めましょう。千綿は「ちわた」とよみ、彼杵(そのぎ)駅と松原駅との間に位置する無人駅。木造の駅舎には多くの鉄道関係の写真が展示されており、売店もあることから一休みするにも適した場所です。
ホームの目前に大村湾が迫り、それを眺めるだけでも心が休まる思いですが、好天に恵まれた日の海に沈む夕日は、美しい情景を描いてくれます。写真はホームから撮影したキハ6613と6713の佐世保行き普通列車。8月12日の14時33分に撮影しました。

写真:飛騨屋 勘左衛門

大村線には豪華なイベントトレイン「ななつ星 in 九州」も通ります。時刻は17時3分。この写真は9月3日の撮影なので、まだ明るく支障なく撮影できますが、冬至の時期でもギリギリ撮影可能です。天候次第では引き続いて夕日の撮影もできるかもしれませんよ。
「ななつ星 in 九州」の詳細については「関連メモ」をごらんください。

珍しい「ハウステンボス色」車両も見逃せません

写真:飛騨屋 勘左衛門

千綿駅から松原駅へ向かって2kmほどの地点。「ハウステンボス色」に塗色されたキハ6612と6712の「快速シーサイドライナー」佐世保行き。並走する国道34号線上から撮影しました。撮影日時は9月3日16時。

写真:飛騨屋 勘左衛門

旧長崎街道から撮影した後継機キハ200系(ハウステンボス色のキハ200 14と1014)による佐世保行き普通列車。1991(平成3)年に登場したキハ200系は老朽化したキハ66系の代替機。やがてすべての列車が置き換わるものと考えられます。9月10日の17時に撮影。

旧長崎街道の踏切「餅の浜踏切」からも数ショット

写真:飛騨屋 勘左衛門

餅の浜踏切は千綿駅と松原駅との間にあり、旧長崎街道が通っています。この踏切のすぐ近くを通る国道34号線には休憩用のパーキングエリアがあり、自家用車で訪れるにはまことに都合がいい撮影ポイント。写真はキハ66と67のトップナンバーによる編成で、1974(昭和49)年の登場時の塗色で走っています。このスタイルはもう1編成、キハ66 110と67 110の組み合わせもあります。運しだいですが、ぜひカメラに収めたいものです。
列車は長崎行きで、撮影日時は12月27日15時36分。

写真:飛騨屋 勘左衛門

キハ66 2と67 2による佐世保行き普通列車。キハ66系は基本的にはみなこの青色スタイルでキハ200系も同様です。なお単線非電化区間とはいえこれらの列車を撮影するには1/250以上のシャッタースピードが適当でしょう。この写真は1/1000秒、ISO400で撮影しました。背後に見える高架橋は長崎自動車道です。撮影日時は12月27日15時36分。

写真:飛騨屋 勘左衛門

土曜には大村線名物「スウィーツ列車;或る列車」が走ります。「或る列車」とは明治時代(1906年)に旧九州鉄道が国有化直前にアメリカのブリル社へ発注した豪華客車の通称。日本に到着したのは国有化後の1908年でした。そのため、本来の運用に使用されることなく事業用等で生涯を終えた幻の豪華客車として一部の鉄道ファンに注目されています。
JR九州の「スウィーツ列車;或る列車」は気動車ながら、デザインや塗色等を忠実に再現したもの。車内では車窓から景色を眺めながらスウィーツ・コースを堪能することができます。詳細は「関連メモ」をご参照ください。餅の浜踏切には16時30分頃佐世保方面へ向かって通過します。

長崎本線唯一の非電化区間「長与線」でも1枚

写真:飛騨屋 勘左衛門

長崎本線喜々津‐浦上間には2つの区間があります。1つは市布経由の電化区間で、「特急かもめ号」をはじめほとんどの列車はこちらを通過。一方、もう1つの長与経由の非電化区間(通称、長与線)は、大村湾に沿った昔ながらのローカル色豊かな区間で普通列車のみが走ります。今回は大草駅付近の跨線橋をご紹介しましょう。
ここからは大村湾を背景に、キハ66系をはじめとする列車を俯瞰撮影することができます。自家用車で行かれる方は跨線橋付近の空き地に駐車できます。
写真はキハ66 3と67 3による普通列車長崎行き。撮影日時は8月6日14時34分。なお、この区間には快速シーサイドライナーは通りません。

写真:飛騨屋 勘左衛門

キハ66 13と67 13による長崎行き普通列車。この跨線橋は国道207号線のものではないのでめったに車が通りませんので、安心して撮影に集中できます。写真は8月6日15時36分の撮影。

キハ66系とは・・・

写真:飛騨屋 勘左衛門

登場して5年ほどたった1979(昭和54)年に撮影したキハ66 2と67 2です。筑豊本線を中心に日田彦山線で活躍していた頃の姿で、場所は筑豊本線直方気動車区。今から40年ほど前になりますが、当時は冷房付きの車両はまだ珍しく、この形式は急行列車にも利用されていました。それゆえか1976(昭和51)年に鉄道友の会第16回ローレル賞を受賞しました。

写真:飛騨屋 勘左衛門

長崎駅で並ぶ旧塗色のキハ66 1とキハ66 110。1974年と75年に15編成30両製造されたキハ66系は1編成2両(キハ66 4、67 4)が2015(平成27)年に廃車となったが、残りの14編成28両は今も活躍中です。とはいいながら40年以上たつ現在、引退する日もそう遠くはないでしょう。いざ引退が決定されると、おびただしい数の撮り鉄が集まることでしょう。そうなる前にゆっくりと心ゆくまで、お好みのアングルでこの老雄の姿を記録にとどめておくことをお勧めします。
ただ、くれぐれも線路内やトンネル内に侵入するようなことはなきよう、お願い申し上げます。

古豪気動車キハ66系を撮るなら今のうちに・・・

キハ66系も登場以来44年を経過しました。今もなお2両が廃車になったのみでトップナンバーを含む14編成28両が大村線を中心に活躍中ですが、後継車200系も登場しており、そろそろ引退の時期も近づいているものと思われます。「○○年〇月で引退」などと報道されると、沿線各地が撮り鉄だらけになって、とても落ち着いて撮影などできません。普通に活躍している今こそ思う存分に撮影が楽しめるというものでしょう。今回ご紹介したのは比較的アプローチしやすい、安全な場所を選びました。ぜひみなさまのアルバムに傑作を加えていただきたく、ご紹介させていただきました。

■関連MEMO
クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」
https://www.cruisetrain-sevenstars.jp/
JR KYUSHU SWEET TRAIN 「或る列車」
http://www.jrkyushu-aruressha.jp/
キハ66系気動車
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%89%84%E3%82%AD%E3%83%8F66%E7%B3%BB%E6%B0%97%E5%8B%95%E8%BB%8A

【トラベルjpナビゲーター】
飛騨屋 勘左衛門

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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