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宮市、宇佐美、内田、そして関根。混沌のブンデス2部、4人の現状は?

内田所属のウニオン・ベルリン戦で移籍後初ゴールを奪った宇佐美。2部の舞台で捲土重来を期する。

異様な光景だった。ドイツサッカーのセカンドディビジョン、ツヴァイテ・リーガ第7節ホルシュタイン・キール対ザンクトパウリ(9月19日)のキックオフを控え、両チームの選手たちがウォーミングアップに汗を流していると、突如として“黒ずくめの集団”がピッチに雪崩れ込む。
30人くらいだろうか。顔をマスクで覆い隠すなど、揃いも揃って銀行強盗のような出で立ちをした男たちは、セキュリティーの制止を振り切りながらフィールドを縦断。向かった先はザンクトパウリのサポーターが陣取るスタンドで、彼らが掲げていたフラッグやバナーを取り外そうとしている。いったい何が起きているのか。試合開始を心待ちにするファンが呆気にとられたのは言うまでもない。
両軍にとって敗北が許されないローカルダービーを前に、蛮行に及んだのはホルシュタイン・キールのウルトラスだった。試合日の4日前にあたる9月15日にサポーターズグループの1人がザンクトパウリのファンと衝突し、その際に怪我を負わされたうえに応援旗まで奪われたことに対する怒りから、一連の報復措置に打って出たのだ。ほとんどの選手が口を閉ざす中で、ザンクトパウリのオラフ・ヤンセン監督が試合後に言葉を紡いだ。
「サッカースタジアムと縁のないような連中が、サッカーという舞台を利用してこうした行動に出るのは本当に残念なことだ」

選手やコーチが乱入したファンに介入した。

トップリーグに比べて警備のレベルが見劣りするツヴァイテリーガでは、残念ながらこうしたトラブルが稀に起こっている。その中で今回の騒動が大きな波紋を呼んでいるのは、選手やコーチたちが介入したからだった。
ザンクトパウリのGKコーチであるマティアス・ハインが侵入者の1人を捕まえてセキュリティーに引き渡せば、昨季までヘルタ・ベルリンで原口元気と同僚だったFWサミ・アラギは勇敢にもフラッグを取り返し、ザンクトパウリのサポーターから「偉大な行動だ」と大喝采を浴びた。とはいえ、その時に1人でも怪我を負っていれば、試合の中止・延期は避けられなかっただろう。

宮市の戦線復帰はウインターブレイク前後か。

ザンクトパウリに所属する宮市亮は右膝の十字靭帯断裂による離脱中で、今回のトラブルには巻き込まれなかった。
ツヴァイテリーガ3年目を迎えた快足アタッカーに期待されるのは、早期の戦列復帰と昇格に貢献するような働きだ。過去2シーズンの大半を怪我で棒に振りながら、「孤独を感じさせたくない」との理由から契約延長を申し出てくれたクラブの恩に報いるためにも、1日も早い全快が待ち望まれる。
当初の診断どおりなら、ピッチに戻ってくるのはウインターブレイク前後となりそうだ。
その宮市以外にも数多くの日本人プレーヤーがツヴァイテリーガに参戦している。なかでも注目度が高いのは、宇佐美貴史と内田篤人だろう。
第5節のフォルトゥナ・デュッセルドルフ対ウニオン・ベルリンでともに後半途中からピッチに立ち、奇しくも同じ舞台で新天地デビューを果たした両雄は、メモリアルゲームでいきなり得点に絡む。内田が敵のオウンゴールを誘発すれば、宇佐美は豪快な右足ボレーで同点弾を挙げたのだ。前者は相手の決勝点につながるパスミスも犯したが、シャルケに所属していた昨年12月以来となる公式戦出場で、しっかりと自身の存在をアピールしてみせた。

高原、大迫を指導した監督のもと宇佐美は復調なるか?

どちらもレギュラー定着には至っていないが、その第一目標を先にクリアーするのは宇佐美か。移籍市場閉幕間際にハノーファーへ去ったイフラス・ベブに代わるレギュラー候補としてデュッセルドルフに加わったが、高原直泰や大迫勇也ら多くの日本人を指導してきたフリードヘルム・フンケル監督からも即戦力と見なされているからだ。
前所属先のアウクスブルクでは守備重視の戦術に加え、フィジカルの強いアタッカーを重用する指揮官の嗜好に合わなかった。しかし新天地ではMF金城ジャスティン俊樹やフロントの瀬田元吾氏など同胞もおり、落ち着いた環境の中で水を得た魚のように躍動しても不思議はない。
一方の内田は2部のプレーヤーとしては図抜けた実績を誇るが、まずはバックアッパーという位置づけ。ウニオン・ベルリンの右サイドバックにはオーストリア代表歴を持つクリストファー・トリンメルが君臨しており、内田本人も地元紙『bz-berlin』に「彼から多くのことを学びたい」と話している。第7節のザントハウゼン戦で約2年半ぶりとなる先発フル出場を果たしたのも、前節から中3日だった過密日程を乗り切るためのローテーションとの見方が強く、スタメンに定着するまで相応の時間を要しそうだ。

内田の起用法として推奨したいのは……。

ただし、直近5試合で白星なしとチームが波に乗り切れていないのも事実。このまま低迷が続くようなら、イェンス・ケラー監督がレギュラーの入れ替えに踏み切る可能性は小さくない。
推奨したいのはトリンメルとの同時起用だ。プレースキッカーを務めるほどキック精度が高いトリンメルをボランチにコンバートし、サイドの低い位置で攻撃の起点になれる内田を右サイドバックに据えれば、チームの課題であるビルドアップが多少なりとも円滑になるのではないか。3バックの一角、左サイドバック、右サイドハーフでもプレー可能で、戦術理解力に長けたトリンメルなら中盤でも十分に機能するはずだ。

開幕早々の監督交代で、関根はいきなり試練。

デビュー戦で目に見える結果を残した宇佐美と内田とは対照的に、インゴルシュタットに加わった関根貴大は難しい滑り出しになった。第3節のヤーン・レーゲンスブルク戦でデビューしたものの、以降のリーグ戦4試合は出番なし。
チーム内での序列が下がった大きな要因は、デビュー戦直後にマイク・バルプルギス監督が解任されたこと。3-5-2や3-4-3を用いていた前任者とは異なり、4-2-3-1を基本システムに据えているシュテファン・ライトル暫定監督の下では、右サイドアタッカーの3番手という立場に甘んじ、ここ3試合はベンチメンバーからも外れている。
近年では細貝萌(元アウクスブルク)を皮切りに、乾貴士(元フランクフルト)、大迫(元1860ミュンヘン)、浅野拓磨(シュツットガルト)と、ツヴァイテリーガからトップリーグへと駆け上がっていった日本人選手は少なからず存在する。一方で、山田大記(元カールスルーエ)や田坂祐介(元ボーフム)のように、1部の舞台に辿り着く前に帰国の途についた選手もいる。
はたして、関根の未来は――。宇佐美や内田はもちろん、ドイツではひと際身体の小ささが目立つこのドリブラーの動向からも目が離せない。

提供元:Number Web

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