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レトロな乗り物で時空トラベル!「ロンドン交通博物館」

ロンドンのコヴェントガーデンは元来、中世から続いた青果市場でした。市場としての機能が他所へ移転した今も、1830年代に建てられたマーケットホールには沢山の店が並び健在です。ロイヤルオペラハウス等の劇場も集中し観劇、観光、買物にと連日多くの人で賑わう場所。ロンドン交通博物館もこの一角にあり、200年以上の交通史を展示しています。バスの原型・乗合い馬車に乗って、19世紀にタイムトラベルしてみましょう!

エレベーターを降りると、そこは1800年のロンドン

写真:小野 雅子

現在ロンドン交通博物館があるのは、花市場だった建物。1871年に築かれたのち約100年間は花市場として活況を呈し、その頃を舞台にした映画「マイ・フェア・レディ」でオードリー・ヘプバーン演じる下町娘が花を売っていたシーンを憶えている方も多いでしょう。
やがて都市の巨大化とともに花市場は1974年に移転。そこを改築しロンドン交通博物館として再生したのは、1980年のことです。
45万点にも及ぶロンドン交通局の所蔵品中とりわけ歴史的に顕著な逸品ばかりが展示された博物館は週7日、午前10時から午後6時までオープン。入口からエレベーターに続く通路には銀座線や浅草線など東京メトロ路線図の一部が壁にあしらわれ、世界最古の地下鉄を誇るロンドンでも一目置かれているように感じられて嬉しいですね!

写真:小野 雅子

博物館の入場者はまず地階からエレベーターに乗ってセカンドフロアー(日本式に数えると3階)に行き、そこから年代を追って閲覧するルートになっています。
そこでエレベーターに乗り込むと階数表示の電光掲示が現在の西暦(たとえば2020)となっていて、階上へ向かいエレベーターが動き出すとその数字がダダーッと急速度で遡り・・・目指すセカンドフロアーに着いたら、それが「1800」に。

写真:小野 雅子

そして扉が開くと、そこは1800年のロンドン!という楽しい設定になっているんですよ。さあエレベーターを降りて、200数十年前のロンドンへ行きましょう。

バスの原型・乗合い馬車の「オムニバス」に乗ってみよう

写真:小野 雅子

まず最初に現れるのは、イギリス版の籠(カゴ)。箱の中にしつらえた椅子に座った人を籠かき2人が運ぶスタイルで、椅子を除けば日本でも江戸時代までよく使われていた方法と共通していますね。
でも1度に1人しか運べないので、効率が良くありません。もちろん馬車は昔からありましたが、基本的に個人所有。その馬車を公共交通機関として使用するようになったのは、1800年代初頭からです。

写真:小野 雅子

こちらがロンドン初の乗合い馬車、1829年製のオムニバス。そのころ既にフランスのパリで実用化されていたものに倣って設計され、22人の乗客を乗せられる車両を3頭の馬が引きました。最初のルートはパディントンから、イングランド銀行のあるバンクまで。
ちなみにオムニバスは元来ラテン語で「すべての人々のため」を意味する言葉。今も乗合い自動車をバスと呼ぶのは、その省略からなのです。

写真:小野 雅子

博物館の中にある乗り物のいくつかは実際に中に入ってみる事が出来、この初代オムニバスもそのひとつ。座席に座ってみたり、当時の服装をした蝋人形といっしょに記念撮影するのも面白いでしょう。

ロンドン名物2階建てバスの誕生 最盛期は5万頭の馬が!

写真:小野 雅子

しかし3頭の馬では道幅を占領するうえ、走行制御が難しいという問題点が顕著になったため、オムニバスは2頭立てで牽引できる造りに改良されていきます。同時により多くの乗客を収容できるよう、2階建て車両が開発されました。

写真:小野 雅子

1870年代からはホーストラムという、2頭の馬が引く路面電車も登場します。まだ石畳や泥道だらけだったため凸凹の激しい路上よりも、滑らかな鉄製レールの上を走行するほうが馬にとって負担軽減。ひいては更なる大型車両の使用が可能となり、最高46人乗りの車両などもありました。

写真:小野 雅子

ヴィクトリア時代のロンドンは、馬による公共交通機関の最盛期。ひとつの車両につき2頭引きで1日に少なくとも6回交代するため6組=12頭の馬が必要でした。
1900年までには5万頭の馬がロンドンの街中で働いていたそうで、1日に処理する馬糞も1000トン!また馬の食費、装蹄師や獣医などを含む人件費などもあり、膨大なコストがかかったというのも頷けますね。
そしていよいよ動力は馬から蒸気機関へ、そしてガソリン車へと移行していくのです。

世界初の地下鉄は蒸気機関車!メトロポリタン鉄道の開通

写真:小野 雅子

産業革命によって様々な技術が開発された中、最も著しいのは蒸気エンジン。紡績工場などで威力を発揮したのち、蒸気機関車という輸送手段への利用が実現しました。
1863年に世界初の地下鉄として開通したメトロポリタン鉄道でも、トンネルの中を走っていたのは蒸気機関車です。煤煙によって駅や乗客がススだらけになったなんて今では笑い話のようですが、当時は最先端技術だったのですね。

写真:小野 雅子

こちらの車両も、入館者が中に入ってみる事ができますよ。普通車両ながらクラシックな造りで、網棚や木製ドアも時代がかっていてフォトジェニック。また別の車両には女性専用車もあり、当時のファッションに身を包んだ女性2人がお喋りしている様子がリアルに再現されています。

写真:小野 雅子

やがて蒸気機関車に代わって電気牽引方式の列車、いわゆる電車が登場。煤煙に悩まされていた地下鉄は、電車を導入することによって飛躍的に改善されました。
いっぽう路上では馬車バスからガソリンエンジン搭載の自動車バスへと推移し、現在ロンドン公共交通機関の主軸であるバス&地下鉄ネットワークへと発展したのです。

子供に人気のプレイエリア ショップとカフェもお勧め

写真:小野 雅子

ところでバスや電車が大好き、といえば子供たちですよね!館内には幼児向けプレイエリアが充実していますし、小学生ら学童には各種シミュレーションゲームや館内スタンプラリーも人気。また17歳以下ならば入場無料なのも、親御さんにとっては嬉しい配慮だと思います。

写真:小野 雅子

最後はショップに立ち寄って、オリジナル商品などのお土産探しをしてみましょう。「ラウンデル」と呼ばれる、丸の中に一本線が通ったロンドン交通局のシンボルをあしらった商品は、衣料から日用雑貨まで実にバラエティ豊か。またアールヌーボー全盛期にデザインされた麗しいポスターの復刻版をはじめとするアートな品々や、パディントン駅からロンドン生活を始めた熊のパディントン・グッズなども好評です。

写真:小野 雅子

ショップの上には、屋外も見渡せるガラス張りの明るいカフェが。サンドウィッチなどの軽食やケーキからソーセージ&マッシュポテトといった食事も出来ますし、ドリンクだけで休憩するのも良いでしょう。なお飲み物のうちカプチーノとホットチョコレートのどちらかを注文すると、ココアの粉でラウンデルをあしらってくれます。
ロンドンの風景に欠かせない2階建てバスや、地下鉄駅のマーク。それらの変遷がギュギュッと凝縮された、見応え満点のロンドン交通博物館なのです!

ロンドン交通博物館の基本情報

住所:London Transport Museum, Covent Garden, London WC2E 7BB
電話番号:+44-343-222-5000
アクセス:コヴェントガーデン駅から徒歩1分
入場料金:大人(18歳以上)当日窓口で18.00ポンド、オンライン事前購入だと16.50ポンド。チケットは発行日から12か月間有効です。なお17歳以下は無料
2020年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
ロンドン交通博物館(英語)
https://www.ltmuseum.co.uk/

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
小野 雅子

提供元:LINEトラベルjp 旅行ガイド

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