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流行りモノ調査隊 流行りモノ調査隊
#071 今週の急上昇キーワード(更新日:2008/12/02)
話題のネットスター PART3
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今回の調査内容
absorbと「桜ノ雨プロジェクト」
手作りが大好きなんです
「初音ミク」ブレイクの立役者 OSTER project
「初音ミク」ブレイクの立役者 OSTER project
 続いて12月3日に「みくのかんづめ /OSTER project feat.初音ミク」をリリースした「OSTER project」を紹介しよう。

 OSTER projectとはミュージシャンOSTER氏を中心とした音楽ユニットで、ニコニコ動画においては絶大な人気を誇る。特に代表作「恋スルVOC@LOID」は100万再生を超える大ヒットとなった。OSTER氏の原曲に対する派生作品も様々なクリエイターから多数投稿されており、名実共にネットスターの一人といえる。

『恋スルVOC@LOID』

OSTER project
OSTER氏の功績は、ただ単に人気楽曲の作者というだけではなくて、現在の「初音ミク」ブームの火付け役の一人だというところだ。

 ここで少し「初音ミク」ブームの歴史を紐解いていこう。「初音ミク」が発売当初は「初音ミク」を使った作品が頻繁にニコニコ動画などに投稿されはしていた。しかし、その大部分は既存の楽曲のカバー曲であり、独特な歌い方をする「初音ミク」に既存の楽曲を歌わせて楽しむのが主流だった。

 これだけであれば「初音ミク」は、おそらく一時的なブームとして終わっていただろう。しかし2007年9月13日、OSTER氏が自身のオリジナル曲『恋スルVOC@LOID』を発表する。当時はアニソンなどのカバー曲が「初音ミク」作品の中心であったので、誰も無名のアマチュアが作ったオリジナル曲なんて相手にしないと思われていた。しかしである。OSTER氏の『恋スルVOC@LOID』は瞬く間に注目を集め、人気楽曲へとのし上がっていった。つまりOSTER氏は「オリジナル曲でも通用するぞ!」という事を証明してみせたのである。

  また、OSTER氏が新しかったのはこれだけではない。実はOSTER氏が『恋スルVOC@LOID』を発表する以前にも「初音ミク」を使ったオリジナル曲を投稿しているクリエイターは存在した。しかしOSTER氏は他のクリエイターがまだ誰もやっていないある事を初めてやってのけたのだ。ここで『恋スルVOC@LOID』の冒頭の歌詞に注目して頂こう。

「私があなたのもとに来た日を、どうかどうか忘れないでいて欲しいよ」
「私のことを見つめるあなたが嬉しそうだから、ちょっぴり恥ずかしいけど歌を歌うよ。」


  読者の皆様はお気づきであろうか?
この歌詞の中の「私」とはミク自身である。OSTER氏は初音ミクというキャラクターを「私」という一人称で表現し、初音ミクにミク自身の想いを歌わせたのである。つまり初音ミクというただの絵にキャラクターを吹き込んだのだ。

  以後、多くのクリエイターが「初音ミク」を使ってオリジナル楽曲を投稿するようになり、それまで主流だったアニソンのカバー曲は徐々に姿を消した。そんな大革命の礎を築いたOSTER氏は、まさに初音ミク界隈の織田信長なのだ。

  更にOSTER氏の斬新な作品は続く。本来メロディーと歌詞を入力して歌を歌わせるソフトである筈の「初音ミク」に、「しゃべらせる」という暴挙ともいえる作品「恋スルラジオ」を発表した。下記の動画をご覧頂きたい。

『【初音ミク】恋スルラジオ第一回【おまけ】』

 見事なしゃべりである。まさか「初音ミク」がこのような使われ方をされることは、おそらく「初音ミク」のメーカーであるクリプトン・フューチャー・メディアも想像すらしていなかったであろう。

  こんな斬新な事ばかりするOSTER氏といったいどんな人物なのか? というより何を考えているのか?
我ら流行モノ調査隊は、苦心の末、そんなOSTER氏との接触に成功した。
さっそくインタビューをご覧頂こう。
――初音ミクとの出会いを教えてください。

 OSTER  初音ミクのようなボーカロイドの存在は、ミクが発売されるより遥か以前に知っていたんですけれども、そのデモソングを初めて聴いた時は、ボーカルとしては成り立たないと思ったんですよ。

 ところが、ニコニコ動画で「初音ミク」を知って、試しにデモソングを聴いてみたら「なんぞこれー」みたいな衝撃でした。しかもその声が今まで自分がやってきた音楽にベストマッチだったので「お!これだ!」と思って速攻で買っちゃいました。

――実際使ってみてどうでしたか?

 OSTER  僕は音楽機材を買った時は、毎回必ずそれをメインで使ったデモソングを作っているんです。その音楽機材と仲良くなるために。初音ミクの場合も「こいつ、いったい何が出来るんだろう?」と思っていろいろ実験しました。
12/3発売 「みくのかんづめ /OSTER project feat.初音ミク」「恋スルVOC@LOID」をはじめOSTER氏の代表作が多数収録されている。(C) Crypton Future Media, Inc. ALL RIGHTS RESERVED
12/3発売 「みくのかんづめ /OSTER project feat.初音ミク」「恋スルVOC@LOID」をはじめOSTER氏の代表作が多数収録されている。(C) Crypton Future Media, Inc. ALL RIGHTS RESERVED

――例えばどのような事をされたのですか?

 OSTER  初音ミクを使って、コーラスをいっぱい入れたらどうなるのか試してみたり、英語を歌わせてみたらどうなるのかというのも試してみました。また、音域を広くとったらどうなるのだろうとか。そんな「お試し要素」を詰め込んで生まれたのが『恋スルVOC@LOID』です。

――では、元々『恋スルVOC@LOID』は発表するために作った作品ではないと?

 OSTER  はい。たまたま公開する場として、そこにニコニコ動画があったから投稿してみただけなんです。まさかこんな事になるとは思ってもいませんでしたが(笑)

――『恋スルラジオ』もそんな実験の一環だったのですか?

 OSTER  はい。しゃべらせたらどうなるんだろうと思って。おそらく、僕よりもっと上手にしゃべらせる事の出来る方もいらっしゃるんでしょうけど、あの分量をしゃべらせようと思うのは多分自分ぐらいしかいないんじゃないかと(笑)

――本物の歌い手さんの生の声を入れてみたいという思いはありますか?

 OSTER  う〜ん…僕は実際の歌い手さんにはあまり注文とかつけにくいんですよね。その点、ボーカロイドだったら注文つけ放題ですし。「言うこと聞けや!」みたいな。

――ではやはり音楽ソフトとかにこだわりはありますか?

 OSTER  打ち込みはフリーソフトで、ミックスはSONARというソフトでしています。
基本的にどのソフトとも仲良くなりたいので使い込むようにしています
 一時間のインタビューの中で、彼から発せられた言葉の根底には全て「飽くなき探究心」が含まれていた。どうやらこれがOSTER氏の才能の源泉のようだ。今後プロの世界に進むであろう彼は、これからもずっと我々を驚かせてくれるに違いない。

今回取材した「absorb」「OSTER project」より、読者の皆様へプレゼント!!
今回取材した「absorb」「OSTER project」より、
読者の皆様へプレゼント!!



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