2016-03-14
オトナの社会科見学 −海外進出編− Vol.3『日本精密』
秘境の地に建つ「日本精密」カンボジア工場に潜入!
- 秘境の地に建つカンボジア工場に潜入!
岡林社長が“海外”と呼んだ、日本精密のカンボジア工場。その意味は、移動中に判明。カンボジアの玄関口、プノンペンは、ホーチミンから飛行機で約1時間。そこはまだまだ“発展途上”な印象。道路整備も不完全。
そんなプノンペンから目的地である工場のある町バベットへは、なんとクルマで約4時間。高速道路はなく、ひたすら続く田園風景を横目に片側1車線の道を走る。町らしい町は現れず、遠くに山が見えるということもない。変わらない景色が4時間という時間をさらに長く感じさる。
お尻が痛くなってきたころに、ようやく工場のある工場団地に到着。しかし、塀に囲まれた団地に入ると、さらに驚きが。だだっぴろい敷地内には、いっさい工場が見当たらない。
「日本精密の工場は?」と、そのままクルマを数分進めると、ようやく建物が見えた。それもそのはず。現時点でこの団地に進出している工場は、日本精密だけなのだ!
- 日本の時計ブランド人気で拡大するカンボジア工場
「ベトナム工場を見たあとでは、びっくりするでしょう?」と出迎えてくれたカンボジア工場の新井社長が言うように、ベトナム工場に比べて建物内には空いているスペースが多くある。しかし、この状況もすぐに変わるという。現在の社員数は約700人だが、近く1000人ほどまで増やすそう。
その理由は、なんと言っても日本の時計ブランドの商品が売れに売れているから。「日々、注文がすごいです。こんな量を作るのは、今は日本のブランドだけだと思いますよ」と新井社長。
- 食べ放題ランチで社員のやる気UP!?
ランチタイムには、とてつもなく広い社員食堂に数百人が大集結。なごやかに昼食をとる社員たちを見ていると、どうやらご飯が食べ放題のよう。「資金的に大変」と笑いながら語る新井社長だが、“胃袋を掴む”ことの大切さは十分理解しているようだ。
ふと食堂の外を見ると、自分の家でつくった果物を売っている村人が数人。のどかな感じは、カンボジアならでは。お隣の国とはいえ、ベトナム工場では見られない景色。
- 新井社長の笑顔は最高のコミュニケーションツール!?
カンボジア工場の新井富之社長は、2013年の立ち上げ時から抜擢され、現在まで手腕を振るっている。その前は、ベトナム工場の社長を14年間勤めあげた。その辣腕ぶりとは対照的に、笑顔から人柄の良さが滲み出ているのが印象的だ。
この笑顔を武器に、近隣の村の村長たちとは深い付き合いをしているとか。カンボジア工場で働く社員のほとんどが近くの村から通っているが、その甲斐あってか、安心して村人たちを任されている。
日本を離れ、ベトナム、カンボジアへ飛んだ「オトナの社会科見学」第3弾。日本から遠く外れた秘境に、想像を超える巨大な工場が存在していた。
多くの機械と多くの社員が働く工場は、一見すると日本の工場と変わらない。しかし、そこで働く地元の社員と赴任している日本人社員の明るさと快活さが特徴的で魅力だった。
その快活な雰囲気の源はいったいどこにあるのだろうか。この工場が成功している理由はなにか。数々の苦難を乗り越えてきた岡林社長に一人の人として、経営者として、語ってもらった。
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