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Acid Black Cherry『音楽を始めるきっかけ&ルーツ……yasuの原点に迫る!』

Acid Black Cherryが、ニューシングル「君がいない、あの日から…」をリリース。現在行っているProject『Shangri-la』はもちろん、音楽を始めるきっかけ、影響を受けたアーティストなど、yasuの原点に迫る!

地方営業みたいなことを自分を試す意味でもやってみたかった

  • 「君がいない、あの日から…」【CDのみ】

    「君がいない、あの日から…」【CDのみ】

――なるほど。そんなyasuくんは、現在、2013年8月から始動したProject『Shangri-la』と題したプロジェクトを行なっていて、そのプロジェクトの1つとして8月13日の福島を皮切りにスタートした全都道府県ツアーを行なっている最中ですが。
yasuもう40公演終わりましたよ。Project『Shangri-la』は、全都道府県でライブをするっていうところと、各地でラジオの公開録音やハイタッチ会をやる触れ合いイベント『Shngri-la Meeting』をするってことなんですけど、なかなか実現できることではないと思うんですよね。でも、本当にいろんな人たちの協力もあって、みんながたくさん会いに来てくれて、実現できたことでもあったと思って本当に感謝してます。

――yasuくんのバンド人生で、初めてのことでしょ?それはyasuくんからの提案?
yasuそうですね。このプロジェクトを企画するずっと前から、ショッピングモールとかでそういうイベントってできないのかな?ってずっと思ってたし、提案してたことでもあったんですよ。

――へぇ〜!そうなの?どうしてそこでやりたかったの?
yasuみんなにより近い距離で会いに行きたいっていう思いがあってのことで、バンドの頃から普通にライブはやってきたけど、そういう地方営業みたいなことって今までやってこなかったし、自分を試す意味でもやってみたかったってのはあって。今でこそ、行けばAcid Black Cherryのことを知ってくれてる人たちが集まって来てくれようになったけど、初めてシークレットでツアーをやったときは、誰も見向きもされなかった(笑)。そういうときこそ、やる意味があるというかね。

――武者修行的な?
yasuそうそう。まさにそんな感じですね。

――ふぅん。でも、イオンとかでやると、本当に多くの人が目にしてくれるで、なかには“アレ誰?”って思う人もいるでしょ。それって、ちょっと恥ずかしいし、ちょっと傷ついたりしない?
yasuそうそう。だからこそ行きたかったってのがあったんですよ。

――敢えて?
yasuそうです。今みたいに、“行きますよ”って言ったら人が集まってくれるっていう状況もすごく嬉しいし有り難いことなんですけど、そうじゃないところに意味を見いだしてたというか。“誰?アイツ”って思われてるなかで自分は何ができるのか?やってみたかった。

――敢えてアウェイな場所に自分を置いてみたかったってとこもあるんだね。
yasuそうですね。


――でも、すごいね。ある程度のキャリアを積むと、もうそこには立ち返りたくないって思う人がほとんどだと思うけど。
yasuぶっちゃけ、そこまで立ち返ることもないかなって思うこともありますけど、今回はまったく別の趣旨で、みんなと近くで触れ合いたくてやったイベントで、実際にみんなと触れ合ってみたら、そう思った自分を恥じましたね。すごく大切なことに気付かせてもらった気がします。本当にたくさんの人と実際に触れ合えて、純粋に楽しい気持ちになれたし。この人たちがいつも応援してくれているんだって思ったら、すごく力にもなったし。手を上げれば“キャー”って言ってくれる、その現状に慣れることの方が良くないと僕は思うんですよ。極端な話し、ろくでもないライブしても“すごく良かった!”って言ってもらえるというか。そういうのって絶対に良くないでしょ。お客さんがまったくいなかった昔は、毎日どうやってお客さんを増やしていこうかってことばっかりを考えてたし、人気のあるアーティストが出るライブに出させてもらえたときは、絶対にここに爪痕を残して帰ろうって必死に頑張ってたし。現状に甘えちゃいけないと思うんですよね。

精一杯向き合っていい作品を作って、いいライブをし続けていけたら

――なるほどね。現状に慣れてしまうと、そういうことすら考えなくなっちゃうもんね。
yasuそうそう。いま思うとね、インディーズの頃にちょっと勢いに乗り出したときの自分って、すごくギラついてたと思うんですよ。いい言い方をすると輝いてたというか、一心不乱に走っていた。裏を返せば、見えてなかったこともいっぱいあったとは思うんですよ。でもね、そういう時の勢いは、忘れちゃアカンなって思うんです。それは、バンドからソロプロジェクトのAcid Black Cherryをやり始めたときに強く思いました。感謝の気持ちというか。忘れてるつもりはなかったけど、やっぱり忘れてる部分が多かった。Acid Black Cherryを始めるときに、そういうとこを考えたし、自分の置かれている状況も冷静に判断して。そのときに、インディーズ時代は、それを苦労だとも思ってなかったけど、今は苦労だと思ってしまったりするのは、その環境に慣れてしまっているからなんだろうなって。じゃあ、そこをもう1回やってみようじゃないか!ってね。

――すごいyasuくんっぽい話しだね。でも、すごくyasuくんの人間性が出てる話しだと思うな。昔は我武者らに頑張れたことが、今はそこを恥ずかしく思ったりしちゃうっていう。それって逆にカッコ悪いことでもあると思うからね。自分の過去を否定することほどカッコ悪いことはないし。
yasuほんまにそうですよね。いろんなことが俯瞰(ふかん)で見れるようになったのか、大人になったのかわらないですけど。

――両方あると思うけど、バンドからソロになったのは大きな変化だったんじゃない?
yasuそこは本当にそう思いますね。すごく感謝する気持ちが大きくなったし、周りに支えられているってそれまで以上に強く思うようになりました。

――アルバム『(2012)』が週間ランキングで1位を獲得したとき、周りのスタッフがすごく喜んでくれていたのが本当に何より嬉しかったって言ってたもんね。
yasuほんまにそうでしたね。ランキングは、ひとつの目安としか思ってないけど、いつも周りで自分のために一生懸命頑張ってくれてるスタッフが、すごく喜んでくれてたのを見て、嬉しかったし、改めて感謝しましたね。

――そうね。それはファンの人たちにも言えることだよね。さっきのアウェイ話しに繋がるところでもあるけど、『a-nation』でも、ファンの人たちが盛り上がってくれてることに対して、すごく感謝してた。
yasuそうですね。やっぱりイベントは、自分を応援してくれてるファンの前だけでライブをするわけじゃないから、本当にアウェイな空間でもあって。でも、『a-nation』のときは、そんななかで来てくれたファンがいつも以上に頑張って応援してくれて。そのファンの盛り上りを見て、Acid Black Cherryに興味を持ってくれた人たちが多くいたっていう。本当に俺はこの人たちに支えられてるんだなって、幸せにしたいなって思えた瞬間でもありました。

――良い話しだね。そういう意味でも、今回のツアーは、1本1本すごくファンと向き合った、距離の近いライブができてるよね。全員のリクエストに応えるわけにはいかないけど、ちゃんと聴きたい曲が聴けるようなブロックも用意されていたり。
yasuアルバムツアーとは違って、“自分が魅せたいモノを届ける”ということじゃなく、“みんなの聴きたい曲を届けにいく”ということでもあったから、セットリストを考えるときにもすごくみんなのことを考えて決めていきましたね。

――Project『Shangri-la』が終わった後、yasuとしては、Acid Black Cherryを通してどんなことを伝えていきたと思ってますか?
yasuそうですね、やりたいことって言われると、パッとは思い浮かばないんですけど、そのときそのときで、精一杯向き合っていい作品を作って、いいライブをし続けていけたらなと思います。
(文:武市尚子)

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