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中島健人『悩めることも嬉しかった 体験したことのない夏』

新鋭若手俳優として、人気アイドルグループ・Sexy Zoneのメンバーとして幅広く活躍中の中島健人がORICON STYLEに初登場! 悩める主人公を演じた『銀の匙 Silver Spoon』での葛藤と苦悩の日々を赤裸々に告白する! いつものキラキラ感、カッコよさを消すのに苦労した!? 素の人柄の“耀き”があふれ出るロングインタビュー☆

徹底して“ふつうの少年”になっていた

──Sexy Zoneとしての活動と映画俳優としての仕事、それぞれに楽しさと大変さがあると思いますが、主演となる今回の八軒勇吾を演じるにあたっての挑戦はどんなことでしたか?
中島このお話をもらったのは撮影の始まる1年ぐらい前で、最初はほんとに僕がやれるのかなと思っていたんです。というのも、八軒を演じるには自分の(Sexy Zoneとしての)テンションを落として、ふつう感を出さなくちゃならないと感じていたので。撮影まではアイドルとしてがんばろうと思いながら(笑)。撮影に入ってからは、徹底して“ふつうの少年”になっていた気がします。

──撮影前には、帯広で乗馬練習や酪農実習など事前準備の合宿もあったそうですね。東京出身の中島さんにとって帯広はどんなところだった?
中島最初は「ボロ(馬糞)掃除するのか? 大丈夫か、俺? ダメだろうな……」って思っていたけれど、実際は自分のすぐ脇でボロを見てもぜんぜん平気で、酪農実習もまったく苦ではなかったです。乗馬はかなり練習しましたね。映画での八軒はヘタクソですけれど、上達しないと八軒の演技はできないって馬術指導の方に言われたので、めちゃめちゃ練習しました。ほんとの僕はもっとうまく乗れるんですよ(笑)。ヒロインのアキちゃん(広瀬アリス)がいいライバルでしたね。心のなかで「ぜったい負けたくない」って思っていたけれど(笑)、彼女はほんとにうまくて素敵でした。

──負けず嫌いなんですね(笑)。乗馬は好きになりましたか? 今後も続けていきたい?
中島好きですね。乗馬の仕事とか馬に乗る時代劇とかやってみたいです。最初は馬に何度も足を踏まれたけれど、そのぶん仲良くなれたというか。僕もセンチメンタル、馬もセンチメンタル君なんです(笑)。足を踏まれて「なんだよーっ!」って馬の背中を叩いたりするとすぐにそっぽを向いたり、傷つきやすいんですね。撮影前にジャニーさんに「馬は頭がいいから気を付けなさい。You、馬に優しくしなさいよ」って言われていて、その通りだったなぁと。あと、ジャニーさんってほんとにYouって言うんだなって(笑)。

──(笑)中島さん、センチメンタルなんですか?
中島センチメンタルというか感受性が強いというか、すべて抱え込んじゃう性格なんです。そういうところは八軒と似ているかもしれないですね。葛藤して葛藤して誰にも言えずにいる……というのが中学生時代のジャニーズに入る前にあったので。当時のそういう気持ち、過去の自分の気持ちを思い出しながら、それを八軒にあずけた。そうやって演じていました。撮影期間中は八軒としてこの映画だけに打ち込めたことが嬉しかったし、悩みも映画についての悩みだけ。それに悩めること自体も嬉しかった。体験したことのない夏を過ごさせてもらいました。唯一、ちょっとヤバかったのは早起き。それがきつかったですね(苦笑)。八軒も朝が弱いので、そこも似ています。

想いをなかなか伝えられないタイプ

──八軒はアキちゃんになかなか告白できない奥手なタイプでした。そういう恋心に関してはどうですか?
中島僕も想いを伝えられないタイプなんです。意外かもしれないですけれど、ほんとに(苦笑)。小学校時代とか、3年間想いを寄せた女の子がいたけれど、引っ越してしまって結局なにも伝えられなかったこともあります。御影(アキちゃん)の言動にいちいち反応してしまう八軒の気持ちもよく分かりますね。御影の脚を見るときに外していためがねを着けるシーンは、脚を見るならよく見えた方がいいですよねって、僕から提案したんです。監督も「いいじゃない!」って(笑)。って、ほんとに僕は一途なタイプですから!

──(笑)撮影期間中は、アイドルからふつうの青年になっていたということですが、スイッチの切り替えはどうやって?
中島吉田監督から「とにかく、アイドル感をなくしてくれ」と言われていたんです。「ちょっと今のかわいいな、もう少しふつうで行こう」とか「うぅーん、(それは)ジャニーズ!」って言われてNGを出してしまっていましたから。もう、ジャニーズでいることが罪なのかなって思うぐらいでした(笑)。でも、八軒を演じるには“100”のキラキラ感をゼロにするぐらい、自分を消す必要があったんですよね。

──具体的にどういうときにキラキラ感が出てしまったんですか?
中島ジャニーズの先輩ってカッコいい人ばかりじゃないですか。だから、いつの間にか先輩たちのカッコ良さを真似するクセがついていて。たとえば、原作で八軒がポケットに手を入れているシーンがいくつかあったので、そういうのもありなのかなと思って、ポケットに手をつっこんで「駒場ぁ」とか言ってみたんですけど、「お前は『クローズ』の撮影に来たのか!」って言われたり(苦笑)。なので、とにかく猫背を意識するようにしていました。あと、馬術のシーンで、初めて障害が飛べてニンマリするシーンがあるんですけど、「カット!」がかかって監督が映像をチェックして「あぁー、ジャニーズ!」で、もう一回でしたね(笑)。「カメラに顔を残さない!」って言われたり、意識はしていないんだけど、どこかでジャニーズが抜けきらないこともありました。

──そういう苦労があったんですね。そのキラキラ感、今は完全復活した?
中島それが、おもしろいのが……撮影中はずっと帯広に行ったままだったんですが、途中、少しだけテレビ収録で東京に戻ったことがあったんです。いちど消したキラキラ感はすぐには戻らないみたいで、そのときに収録したオンエアを見たら、自分だけすごく地味だったんです。でも、それだけ八軒になれていた証なんですよね。今はもうキラキラ感を取り戻したつもりです。このメガネを外したら(みなさん恋に)落ちますよ(笑)。

──たしかに、映画のなかにはSexy Zoneでは見たことのない中島さんがいました。きっと演じる楽しさを得た役なんですね。
中島何かを演じることが好きなんですよね。先日まで舞台でシェイクスピアの10役をやらせてもらっていたんです。帝国劇場の1幕の最後の7分間、ずっと出っぱなしで、そのなかで10役を自分に憑依させる──昨年もやっている舞台なんですけど、その経験によって、自分のなかで役の切り替えが早くなった気がしています。芝居をする、役になりきることってすごくおもしろいなって。シェイクスピアの経験がなければ、今回の八軒役はできなかったのかなと思います。

楽しかった“カッコよさ”に葛藤した日々

──今までの経験を活かせた役なんですね。
中島これほど難しい役はないと思うぐらい時間はかかったけれど、やり甲斐もありました。ふつうの青年役なんだけど、実はめっちゃカッコいい男でもあって。女性をエスコートするカッコいい男性はいくらでもいます。でも、大自然のなかにいて自然とにじみ出てくる人としてのカッコよさが、八軒のよさだと思うんです。それを出そう、でも敢えて出そうとしちゃダメなのかな……って葛藤しながらの日々がすごく楽しかったです。

──途中から徐々に変わっていく八軒の一生懸命さにとても心打たれました。
中島そういう言葉、ほんとに嬉しいです。実は、カッコよかったって言われるとすごく落ち込むんですよね。普段ならすっごく嬉しいし、カッコいいって言われるの大好きなんですけど、今回はカッコいいって言われると「えっ……?」ってなる(笑)。

──そのカッコいいという言葉には置き換えられない八軒らしさ、八軒の心の変化をどう演じたのかも聞かせてください。
中島八軒を変えたのは、生命との触れ合いだと思うんです。動物を通して考えを改めて、自分で決断をしていきます。彼は高校受験に失敗したりして自分から逃げていたけれど、寮があるからという理由で大蝦夷農業高校(通称:エゾノー)に入学して、そこで動物と触れ合うことで成長していく。プロデューサー気質なところもあって、自然と彼の周りには人が集まってくるんです。自分がカッコいいことをしていることに気づいていないそのカッコよさというか、とにかく八軒は一生懸命なんですね。とくに後半は、すべてに対して一生懸命。あと、「夢がないってことは何にでもなれるってこと」っていうセリフがあるんですけど、いい言葉だなって思いました。

──動物との触れ合いのなかには、経済動物と向き合う、食と向き合うことも含まれますね。
中島そうなんです。経済動物っていう言葉も動物には失礼なのかなとも思っていて。たとえば、人間が動物のポジションで、今の人間のポジションに違う存在がいたとして、人間が食べられる運命だとしたら──美味しくいただいてくださいって思うんです。だから、経済動物に対して、かわいそうだから食べられないというのではなく、ありがたく命をいただきますという気持ちを持ってほしい。そうじゃないと動物たちも悲しいと思う。撮影では実際に屠畜のシーンも目にしました。今まで見たことのない光景で……目の前で命が食に還元されていくのを見て、それを真摯に受け止めて考えたことを広めたい、ちゃんと美味しくいただくことが動物への恩返しだと伝えていきたいと思った。この作品と出会ってからは、食事も残さないようになりました。あ、茄子だけはまだ克服できないですけど……(苦笑)。
(文:新谷里映)

<インタビュー連載 第1弾☆>広瀬アリス『意外な素顔!? やれることはなんでも経験したい!』

銀の匙 Silver Spoon

 受験失敗をきっかけに、北海道の大蝦夷農業高校へ入学した八軒勇吾(中島健人)。同級生のアキ(広瀬アリス)や駒場(市川知宏)のように明確な将来の展望を抱けない自分に違和感を抱きながら、酪農実習や部活に奮闘していた。
 北海道の大自然と動物たちに囲まれ、これまで経験したことのない生活を送る中で八軒は悩みながらも自分の進むべき道を見つけ始めるが……。

監督:吉田恵輔
出演者:中島健人 広瀬アリス 市川知宏 黒木華 上島竜兵
【公式サイト】
2014年3月7日(金)全国東宝系にてロードショー
(C)2014 映画「銀の匙 Silver Spoon」製作委員会(C)荒川弘/小学館

関連リンク

<連載第1弾>広瀬アリス「思いのほか気持ちよくて」
<連載第2弾>中島健人「想いを伝えられない…」
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『銀の匙 Silver Spoon』公式サイト

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