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Dragon Ash『IKUZONEの急逝乗り越え、歩み続けることを決めたバンドの決意表明』

前作『MIXTURE』から3年。Dragon Ashにとってこの3年間は、バンドのキャリアにとって決して忘れられない時間となった。ベーシスト・IKUZONEの急逝という悲劇を経てメンバーが選んだ道は、自分たちの存在を証明しショーを続けること。多角的な側面を披露した最新オリジナルアルバム『THE FACES』(ザ・フェイセズ)とともに、新たな階段を駆け上がる。

“死ぬ気でやる”と決断した2013年、確かに感じた手応え

――年が明けて2014年を迎えましたが、昨年を振り返ると、どんな想いや感情が刻まれた年だったと思いますか?
BOTS(Dj)フェスに出演させてもらいレコーディングもして、バンドとしてはすべての活動が詰まった1年でしたよね。
ATSUSHI(Dance)一昨年(2012年)は手応えを感じる暇もなく、ガムシャラに突っ走った感覚があるかもしれませんね。逆に昨年は、手応えを客観視しながら活動できた1年だった気がします。
Kj(Vo&G)2012年にメンバーを失い、自分自身も血を吐くほど体調を崩したことで、いろいろなことがやりたくてもやれない状況に直面して。そのこともあって、2013年は死ぬ気でやると決断したんですが、1年間そのモチベーションを保ってやり切れたことは大きかったなと。
桜井誠(Dr)アルバムの制作期間中は、自分自身やバンドと向き合う時間も増えるんですよ。その中で思ったのは、2013年はしっかり“階段を登った”年で、見える景色も違ったということ。とはいえ、まだこの先も階段は続くし、自分たちが今どの高さにいるかはわからないけど。前進したというよりは一段登ったという、そんな感覚があります。

――その中で、もちろんアルバム『THE FACES』の制作が核になったわけですが、作品としてはどんな方向を目指し進めていったんでしょうか。
桜井昨年の6月頃に、冒頭の「Introduction」と「The Show Must Go On」の2曲を録音したことで、アルバムの全景や流れが見えてきたというか。
ATSUSHIやっぱり“The Show Must Go On=ショーを続けなければならない”というワードが指針になりましたよね。
Kjその大きなスローガンと、音楽的にいろいろな表情だったり、多面性を持ち合わせているという意味も含めて「THE FACES」というタイトルにしました。

――まさに、その名にふさわしい楽曲が揃いました。せっかくの機会なので、特に印象的な曲について教えていただけたらなと。
桜井今の時代のドラミングと自分の持ち味がブレンドできたのが、最新シングルでもある「Lily」ですね。たとえば、歌の符割りとアタック(叩いた時の音)を合わせるとか、ドラムだけに限らず(ギターなどの)ピックを弾く音や、各楽器の音層も含めて秀逸だなと。きれいなメロディだけどしっかりポイントもあるというか、すべての要素が上手く融合できたと思っています。
HIROKI(G)僕は「Lily」と同じようにシングルの候補になっていた「Neverland」ですね。自分はこの曲をシングル曲として推していて。というのも、「Lily」はキャリアを積んだからこそできる曲だと思うけど、「Neverland」ではここまでキャリアを積んでもまだ自分たちの範疇(はんちゅう)を覆すようなアイディアや曲構成に挑めたんです。あまりギターでは演らないフレーズを使ったり。
DRI-V(Dance)僕は「The Live feat.KenKen」が印象に残ってますね。バンドにとって初めて一発録りをした曲で、レコーディングの様子を見ている時もまさにライブだなと。みんな生き生きとしていましたね。

―― 一発録りに至った経緯は?
Kjライブ等でベースを担当してくれているKenKen(RIZE)とサク(桜井誠)で相談して。ミュージシャンとしては、やっぱり一発で合わせられるのは当然のことというか。何を良しとするか、そのジャッジも面白い。一体化した時の気持ち良さもあるけど、逆に一体化する直前のひずみ感もかっこ良かったりして。とはいえ、久しぶりに緊張しましたけど。

――ゲスト参加曲でいえば「Still Goin' On feat. 50Caliber, Haku the Anubiz, WEZ from YALLA FAMILY」もそうですよね。
BOTSYALLA FAMILY(音楽とファッションを融合させたエンターテインメントグループ)は、Kjの友人。今回は(いつもの)自分たちの作品とは違ったことをしよう、と誘ったみたいですね。彼らは普段、ゴリゴリのヒップホップをやっているグループですが、“Dragon Ash的”にまとめ上げたのはさすがというか。

まだやりたいことがある、そのこと自体が幸福なこと(Kj)

――今作で初披露される1曲「Golden Life」についても。
ATSUSHI自分はこの曲が一番印象深いですね。いろいろな人たちと同じ目線の世界観が歌われていると思っていて。東北から帰ってくる時に聴いていたんですが、自然と涙が出てきましたよね。
Kjこの曲を含めて、今回のアルバムは“いろいろなことがあった”からできたはずで。前作『MIXTURE』を発表した3年前にこの作品が作れたかといえば、作れていないと思う。言葉の意味も重みも説得力も違うから。そういったさまざまな想いや音や言葉の色が重なって金色になり、それが何にも脅かされない財産になるという。

――それぞれの曲に個性を持たせながら、アルバムを通して1本の道筋が設けられたような作りになりましたね。
Kjレコーディングの最後の最後に演ったのが、アルバムでもラストを飾る曲「Curtain Call」。今回のアルバムは“多面性=THE FACES”だけど、最終的にはすごくシンプルで高揚感のある曲が自然発生して録音できた。制作中は辛さや苦しさが多かったけど、今回のアルバムに対する自信や充実感を噛みしめているからこそ、こういう曲ができたのかなと思いましたよね。

――ミュージシャン冥利に尽きるエピソードですね。
Kjうん。エンディングを最後に作ることって当たり前に思えるけど、我々のアルバム制作は決してそうとは限らない。そういう意味では、最後にラストの曲を録ったことで、おのずと起承転結があるコンセプチュアルな作品になったなと。

――タイミングも含め、何かに導かれるように完成した『THE FACES』ですが、改めてどんなアルバムになったと思いますか?
DRI-V純粋に、多くの人たちに聴いてほしいと思える作品ですね。複雑なことを演っているのに聴きやすい。タイトル通り、多面性を感じてもらえると思います。
Kj敷居が低くて中が広い、それは理想だよね。ありきたりの言葉が羅列しているけど、ありきたりじゃないことが言えているというか。
桜井決して玄関の扉は閉めていないからね。誰でも入っていけるアルバムであってほしいよね。
BOTSクール、躍動感、共闘、共鳴……、Dragon Ashが持っているキーワードってさまざまですが、それらが随所に散りばめられたアルバムになっている。しかも、1曲1曲それぞれに個性があって、まるで勇気や冒険がテーマになった、往年の『週刊少年ジャンプ』のように思えました。
Kj小手先ではなく肉体を使い、汗水流して制作した作品。それでありながら、1本の映画を観たようなストーリー性もある。熱量が高いです。
ATSUSHI間違いなく自分たちの中にも残りますし、何かしらの分岐点になる作品じゃないかと。何年か後に「あのアルバムが……」と語っているような気もしていて。追々、今この時が良かったなと思えるようになっていたいですね。
HIROKI(新生Dragon Ashの)1stアルバムという感覚も強いですし、とはいえ考え抜いて作った感じとも違う。自分にとっては、今後何かがあった時に今回のアルバムを聴いて気持ちを奮い立たせる、そんなアルバムになったと思います。
桜井6人になってからの処女作なので、新たな気持ちで邁進していけたらなと。まだまだ、やりたいことがいっぱいありますから。表現は尽きないですよね。
Kjそれも幸福なことだと思う。まだやりたいことがある、そのこと自体がね。
(文:鈴木貴視)

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