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Do As Infinity『解散時の心境と再結成への想い――結成15周年の軌跡を振り返る!』
今はすごくいいモチベーションでやれています
伴都美子15年って長いですよね。人でいったら思春期ですから(笑)。
大渡亮そう考えると奇跡。1999年にか細く始まったものがまだ存在しているのは本当に喜ばしいことだと思います。
伴ヒリヒリしていた時期もあったけど、それがあっての今だから偽りのない15年だったかなと。
――6年目の解散のことですね。
伴はい。結果的にあそこで一回、距離を置いたのが良かった。
大渡まあ伴ちゃんも年を重ねて大人になったのかな(笑)。俺もオヤジになって頑固にはなっているけど、グループに対する想いは悟りの領域になってきたというか、円熟してきた気がします。そんなフレーズを使うとフレッシュ感はないけど(笑)、当時に比べると相対的に見られるようになりました。
伴私も視野が広がって、今はすごくいいモチベーションでやれています。
――ちなみに解散当時は再結成を想定していなかった?
伴まったくないです。それぞれの活動に専念しましょうという感じだったので。
――喪失感はなかった?
大渡僕はジワジワきました。しょうがないと思いつつ、最初の3か月ぐらいはボディブローのように喪失感があって。でもそれを振り払うことにも慣れて、気づけば3年たっていたっていう。
伴私はすぐソロ活動がスタートして(Do As Infinityを)振り返るのはもうちょっと後かな。ふと大きいグループだったんだなぁって客観的に見られた時期があって。自分がもっと大人ならピリオドを打たずにすんだのかなとか責任感を感じたりもして。そんななかある日、亮くんに連絡したんですよ。
――恵比寿のお店で飲んでいる時に電話したんですよね。
伴広尾です。酔いどれた状態で(笑)。
大渡でもそこからまたやろうかって話になり、そうした話を重ねていくうちに昔のスタッフたちとその意識がグワーッとなる瞬間みたいのがあったんですよ。決起集会じゃないけど、またやるぞ!って熱量が高いのを感じて、人の“気”ってすごいなと思いましたね。
――そう聞くと改めて2人の縁の深さや運命みたいなものを感じますが。最初に出会った時はそれぞれどんな印象だったんですか?
大渡伴ちゃんは人見知りする子なのかなって感じで、僕の目を見てくれなかった。僕も実はそういうとこがあるのでお互いモジモジしちゃったみたいな(笑)。
伴亮くんはスタジオでギターを弾いてる姿を見たのが最初なんだけど、アディダスの赤いジャージを着ていて。“怖そうな人がいる〜”って(笑)。
大渡そんな2人がいきなり2か月後には路上ライブを始めて。日々過ごすことで距離を縮めていった感じでしたね。
Do As Infinityは、自分たちの人生そのもの
大渡僕は初めての日本武道館ライブ。お客さんが上から降ってくる感じっていうのは今でも覚えていて、あれは上の階まで人が入ってないと味わえない感覚なんですよ。ただとにかく緊張して心臓バクバクで正直、楽しめなくて。武道館パワーにやられちゃいました。
伴私は強いて言えば再結成後すぐの代々木公園でのフリーライブかな。あの景色は今でも胸いっぱいになります。
――雨でしたがそれがまたドラマチックで。
大渡雨男はオレって噂ですけどね(笑)。
伴でも雨降って地固まるだからね。いいリ・スタートだったなってしみじみ思ったライブでしたよ。
大渡それは僕も感じる。実際に再結成してから変に奇をてらわず、地に足をつけて活動できているし。
――今回15周年記念ベストも、そんなDo As Infinityの“足跡”がしっかり刻まれた作品だなと思いました。歴史を振り返りつつ、再結成後に培われた芯の太さや高い熱量が感じられて。ベストではありますが“今”の2人がより伝わる内容になっていますよね。
大渡今回は再結成後の曲を中心にしつつ、新しいお客さんたちに昔の僕らもお伝えしなきゃいけないってことで、現在の僕らが見えるような曲と今でもライブで取り上げる旧譜を織り交ぜたラインナップにしたんです。そういう意味ではすごく愛情のあるベストに仕上がったんじゃないかな。
――特に思い入れの深い曲を挙げるなら?
伴以前ファンクラブの会員の方に好きな曲を投票してもらったら、意外に上位を占めていたのがアルバム曲で。なかでも「空想旅団」は詞世界も独特だし、私たちのなかではキモ曲となる作品だと思います。
大渡僕は再結成後の「Special」がすごく好き。作詞を担当する際もこれを新しいDo As Infinityでできるのはすごい財産だと思えた曲。演奏したときも一体感が生まれるし、僕らのニュースタンダードになった曲じゃないかな。
――新しいといえば、新曲2曲もギターロック色が強かった再結成後の流れとはまた違うポップで爽やかな“ニュースタンダード”ナンバーですよね。
大渡僕らはロックバンドではあるけど、何でもやっていいのが本来のロックバンドの定義だと思うし、もっと違う方向にもいってみようかってことを新曲制作前にちょうど話していたんですよ。だから新しいと感じてもらえたなら作戦通りです。
伴いろんな要素があるのがDo As Infinityの本来の姿ですからね。
――先ほど“円熟”と言っていましたが、円熟しつつ未開拓の部分にもアグレッシブに挑戦していく。それが今の“Do As Infinity”なんですね。
大渡“日々是精進”ですから。その発想が良かったのか、2人とも作業的にはいい意味でどんどんスムーズになってきているんですよ。で、次の理想を目指すモチベーションも保てるっていう、それは再結成できたおかげで見えた景色なんじゃないかな。
伴私も歌に関してはまだまだ満足してない。だからやっていけるんだと思うし、10年後20年後歌っているかわかりませんが、歌っていたい気持ちでやっていますね。
大渡10年後だと伴ちゃんは40代?俺は……って、考えたくないんだけど(笑)。
伴怖ろしか〜。
――(笑)。最後にそんな2人にとってDo As Infinityはどんな存在ですか?
大渡ライフ。生活かもしれないけど。
伴それもすべてひっくるめて、自分たちの人生そのものですね。
(文:若松正子)
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