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小栗旬『今だから自然に思える…文句いわれるのを想像しながら作るのもおもしろい』

大ヒットアニメーション映画『銀河鉄道の夜』公開から27年。杉井ギサブロー監督、キャラクター原案ますむら・ひろしらスタッフが熱い想いを胸に、5年の歳月をかけて製作した愛と勇気のファンタジー『グスコーブドリの伝記』。宮沢賢治の原作発表から80年、その想いを託された小栗旬は、天災でひとりぼっちになるもさまざまな人々との出会いを経て成長する主人公・ブドリとどう向き合ったのか。本作から受け取ったテーマ、仕事へのスタンスが変わったという現在の心境も直撃した。

肉体を使わないから拡大できること

――小栗さん自身、原作に触れて(演じる)ブドリへの想いが強くなったそうですが、改めて完成した映画をご覧になったときは、どのような印象をお持ちになりましたか?
小栗アニメーションが可能にする、さまざまな要素がつまっていると思いました。ストーリーは実写で描いてもいいほどですが、ネコというキャラクターを借りて表現できることがアニメーションだと思ったし、30数年前に誕生した小田和正さんの主題歌を始め、いろいろなことがこの時代にリンクしていることがすごいと思いました。あの大震災以降、いろいろな作品で絆や希望が描かれてきましたが、突発的に作るのではなく、いろいろなリズムで流れていた時間が、ある瞬間にピタッとはまってこの作品ができた。とても光栄に思います。

――声優業には何度も挑戦されていますが、実写作品とは異なる醍醐味は何でしょうか?
小栗声の仕事は肉体を使わないぶん、拡大できることがいっぱいあるんですよね。たとえば、人種を超えてしまっている“人間”を演じるときは、そこには僕の見た目がないわけです。この見た目から起こるであろうことを、一切投影しなくてよくなることがおもしろいことだと思います。つまり、自分の見た目を知っている人たちが僕に純粋さが見えないと思っていたとしても、キャラクターの体を借りて自分の声を当てることで僕にはまったくない純粋さを出せる。そういうところですね。

手に入れたいものが明確だから動けた

――杉井監督は『銀貨鉄道の夜』(1985年)とは違う宮沢賢治の世界観を打ち出したかったそうですが、どのような会話をされましたか?
小栗今の宮沢賢治さんは自己犠牲の代名詞のようにいわれがちだけれども、杉井監督は宮沢賢治作品に感じるユーモアや、本当はおもしろい人という部分を打ち出していきたいとおっしゃっていましたね。見た目から怖い人だろうと思っていましたが、とても物腰が柔らかく、すごく情熱的な方でした(笑)。劇中にブドリがトマトのスープを飲んで家族と過ごすシーンが登場しますが、「ブドリはその瞬間をただ取り戻したかった。その想いだけで行動していった結果の物語」という説明を受けて、僕もそう思いました。

――最初ブドリは農作業に誘われますが、やがてイーハトーヴ火山局の役人になります。状況をすべて受け入れていくブドリは、小栗さんにとってどういう人に見えていますか?
小栗そのときを一生懸命に生きた人だと思います。状況を受け止めて、目の前にあることに誠実に向き合っていった人。ブドリがいつの時代の人なのか分からないし、置かれた環境にも左右されると思いますけど、山のなかで自然とともに育って、現代のように情報がないから受け入れられたんだと思います。自分の手に入れたいものがすごく明確。だからこそ動けたと思いますけどね。現代とはちょっと違いますよね。

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(文:鴇田 崇/写真:片山よしお)

映画情報

グスコーブドリの伝記

 イーハトーヴ森の木こりの息子として両親と妹と穏やかに暮らしていたグスコーブドリは、森を襲った冷害のため家族を失くし、ひとりぼっちになってしまう。それでもブドリは、生きるために精一杯働き、やがて成長し火山局に勤めるようになる。
 そこに再び大きな冷害が襲ってきた。あの悲劇を繰り返さないため、ブドリは決心する。両親が自分を生かしてくれ、工場長が自分を鍛えてくれ、火山局の博士が自分に教えてくれたこと、それは何のためだったのか。そしてブドリはただひとり火山局に出かけていく。みんなのために、自分ができることを行いに―。

監督:杉井ギサブロー
声の出演:小栗旬 忽那汐里 草刈民代 柄本明 佐々木蔵之介

2012年7月7日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
(C)2012「グスコーブドリの伝記」製作委員会/ますむらひろし

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