• ホーム
  • 芸能
  • 佐藤健『受け取る側が何を思うか?が答えだと思う』

佐藤健『受け取る側が何を思うか?が答えだと思う』

音楽シーンに生きる音楽人たちの熱い想い、楽曲に込めるメッセージを、キラキラとしたラブストーリーのなかでまっすぐに力強く描き出す映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』。そんな同作で主人公の天才サウンドクリエイター・小笠原秋を演じているのは、プライベートでも音楽の近くに身を置く佐藤健! 映画に対して、今の音楽シーンに対して、佐藤が心の奥から言葉を絞り出す☆  『カノ嘘』4週連続の連載第1弾!

唯一、本音を言っているかもしれない歌詞

――まずは完成した映画を観た感想をお願いします。
佐藤最初は作品に対して、恋愛モノの少女マンガで、キラキラ〜っとしているイメージを抱いていたんです。でも完成した映画は、大人の方にも楽しんで頂ける映画になっていて、日本映画らしいしっとりとした感じが出ていましたね。小泉(徳宏)監督は、こういう世界観で(映画撮影を)やってきたんだな……と思いました。

――脚本の段階から小泉監督と音楽プロデューサー亀田(誠治)さんとの3人で話し合いをされてきたそうですね。実際に佐藤さんのアイデアが生かされた点はどんなところでしたか?
佐藤決定稿になるまで僕も含め本当にいろいろな方の意見が入っていて、最終的に本当に素晴らしい脚本になっていると思います。一番わかりやすいところでいえば、最後に理子(大原櫻子)が歌う曲があって、その歌詞についてはけっこう具体的に「こういうことを秋は言いたいんじゃないか」「こういうフレーズがあるといいかもしれない」ということをメモして、それを亀田さんと監督にお渡しして、実際に取り入れていただきました。その部分は……、ヒミツです(笑)。なぜなら、この歌詞がこの映画の鍵だと思っていて。唯一、秋が本当のことを言っているかもしれない、秋の本音かもしれないと僕は思うので、その歌詞を聴けるエンドロールが一番の見どころかもしれないですね。

――秋の人間性をどう捉えていましたか?
佐藤登場人物のなかで、たぶん僕の性格が一番当てはまるのは秋なんですよ。たとえば高校時代のフラッシュバック・シーンがあるんですけど、瞬(三浦翔平)は高校時代、休み時間に外に遊びに行ったり他のクラスに行ったりしてすごく目立っていたんですね。だから女子からも注目の的だったけど、秋は窓辺の自分の席でそんな瞬を「コイツまたやってるよ」みたいな感じで見ている。僕もあんな感じでした。

――お気に入りのシーンは?
佐藤たくさんありますけど、やっぱり音楽関連のシーンが好きですね。理子とふたりでセッションしているシーンとか。

――健さんは音楽好きとお聞きしていますが、音楽プロデューサーの亀田さんとお仕事をされていかがでしたか?
佐藤本当に素敵な人です。秋を演じるうえでの一番の課題は、作曲のシーンだったんですよ。それで、亀田さんに作業部屋で作曲をしている風景を撮影させていただいて、それを家で見せてもらいました。亀田さん、本当にいい方で、普通に作業をしてくれて全然よかったのに、わざわざカメラの前に来て「○月○日、これから曲を作ります」と言って作業に入るんです。終わるときもカメラの前に来て「今日はこの辺にしておきます」と。すごくかわいいんです(笑)。

――音楽業界の内側が赤裸々に描かれていたところもありましたが、健さん自身、興味深い点はありましたか?
佐藤僕のプライベートには普段から音楽が近くにあって、友だちがほとんどミュージシャンなんです。なので、あらためて思うことというのは、とくにはなかったですね。ただ、クリプレみたいなバンドはすごいと思います。こういうジャンルでここまで人気があるところとか、ボーカル・瞬のカリスマ性とか、秋の天才的な楽曲で一気にモンスターバンドになったところとか……実際にいたらすごくおもしろいなと思います。オリジナル曲を作るのは本当に難しかったと思うんですけれど、そこは亀田さんが本当に素晴らしい曲を作ってくれました。

今まで開いたことのないドアを開けてくれた

――映画でも描かれていましたが、好きなことを職業にするということは大変なことだと思います。健さん自身はそれを感じたことはありますか?
佐藤僕は好きなことを仕事にできているので、とても幸せ者だと思っています。もちろん苦労はあるけれど、その苦労もやりたくてやっているので。周りには仕事がつまらないと言っている人も多いから、本当に好きなことができているっていうのはありがたいです。

――苦労とは、たとえばどんなことでしょう?
佐藤普通にやっているだけじゃ届かないことをやっているから。秋という役だって、天才サウンドクリエイターにならないといけない。そうすると普通に生活しているだけじゃ無理。だから、新しい役をやるたびに、方法は決まってないけど、たくさんのものを背負ってやらなければならないことがあるワケで。でも……苦労とは言わないのかもしれないな。努力というか、それも仕事の一部だと思ってやっています。

――劇中、秋が苦悩するシーンで「どん底のときほど歌が浮かんでくる」といったセリフがありましたね。何かを創り上げていくという点では役者も似ている部分があるのでは?
佐藤役者の場合はどんな感情でもいつか役に生かせるんじゃないか? って思うから「このときのこの感情を覚えておこう」とするんですよね。そういったところでいうと、どんな悲しい感情でも全部無駄じゃないし、いい経験ができたと思えるところがいい……。そこはミュージシャンも一緒じゃないかな。

――その感情になっている自分と向かい合っているんですね……。
佐藤あとは、この悲しい気持ちをどこまで膨らませられるんだろう? とかはやりますよ。あと苦労といえば、僕らの仕事の場合、プライベートが制限されるっていうのはありますかね(笑)。

――映画の冒頭、理子と出会った瞬間に名前と職業を隠すという場面がありましたよね。あの気持ちには共感があったのでは?
佐藤ん〜わかる気がします(笑)。本当に僕のことを知らない人と出会いたい、話してみたいとかはたまに思いますね。

――それは、素の自分を知ってほしいから?
佐藤うん……そういうことになるのかな? 相手は僕のことを知っていて、僕は相手のことを知らない。その時点で平等に接せられないっていう感じは少しあるかも。でも僕のことを知らないまったくの初対面だったら、オープンに行けるかもしれませんね。

――最近はそんな経験、ありました?
佐藤う―ん……ないですねぇ(笑)。

――確かに今の日本で佐藤健を知らない人はいないでしょうね……。
佐藤(笑)いると思いますけど、そういう人に会わないですよね!

――理子は秋にとってどういう存在だったと思いますか?
佐藤葛藤して悩んで、何をやってもなんか違う……というモヤモヤを抱えて生きてきた秋が、突然現れた理子に救われるようなイメージでした。一緒にタワレコに行って走ったりして、久しぶりにこんなに笑ったなとか思いながら、年下の女の子に「あなたのことを守ってあげる」と言われて、今まで開いたことのないドアを開けてくれた。……そんな人だったんでしょうね。理子も秋も音楽がないと生きていけない人だから、その辺が運命的ですよね。

――では、この映画が伝えたいこととは? 健さん自身はどう思っていますか?
佐藤受け取る側が何を思うか? が答えだと思うんです。でも、ひとつは、僕たちがやろうとしていたことは少女マンガでラブストーリーだから。僕も演じながらキュンキュンしていましたし、楽しかったです。
(文:三沢千晶/撮り下ろし写真:逢坂聡)

<“カノ嘘”連載>
密着レポート『“カノ嘘”渋谷ジャックに密着!サプライズに街が騒然!!』
CRUDE PLAY『この曲にかけています――僕ら、崖っぷちなんです(笑)』
MUSH&Co.『フレッシュでエネルギッシュでキラキラ☆』

カノジョは嘘を愛しすぎてる

ストーリー:
 あの頃の僕は、大体が不機嫌だった――。
 若者を中心に絶大な人気を誇るバンド“CRUDE PLAY”=クリプレは、デビュー以来、音楽シーンのトップを走り続けている。その全楽曲を手がけるのが、サウンドクリエイター・小笠原秋(佐藤健)だ。かつてはクリプレのベースを担当していた秋だがデビュー直前、音楽プロデューサー・高樹総一郎(反町隆史)の手により、自分達の演奏を他の一流スタジオミュージシャンのプレイに差し替えられたことにショックを受け、クリプレを脱退。ベースの座を心也に譲り、自らは影からクリプレを支えていくことを決心したのだった。

 それから5年。秋はクリプレはもちろん、美貌と確かな歌唱力で人気の歌姫・茉莉(相武紗季)の曲も、高樹のゴーストライターとして手掛けるなど順風満帆な活躍を続けていた。だがその心は常に満たされない。実は秋の恋人の茉莉が、高樹とも密かに関係を持っていること、あまりにも安易に“消費”されていく日本の音楽シーンの実情。すべてが秋を苛立たせるに十分だった。

 そんな秋の前に、突然彼女は現れた。マッシュルームのような髪型をした小柄な女子高生・小枝理子(大原櫻子)。茉莉と別れ半分ヤケになっていた秋の、気まぐれなナンパ……のはずが「一目惚れしちゃった…です」と逆告白する理子。そんな理子に思わず「小笠原心也」と嘘の名前を告げる秋だったが、理子がクリプレの熱狂的ファンと知りますます本当のことが言えなくなる。しかも茉莉のトラウマから「歌う女、嫌いなんだ」と、さらなる嘘をつく秋。実は同級生とバンドを組み、歌うことが大好きな理子が、その言葉に思い悩むことになるのも知らずに……。

 ある日、秋の嘘は衝撃的な形で暴かれることになる。偶然理子の歌声を聞いた高樹が、理子と理子の同級生の3人を“MUSH&Co”(マッシュ&コー)としてデビューさせることを決定したのだ。高樹はマッシュのプロデュースを秋に要求するが、かねてから高樹の音楽への姿勢に強い反感を抱いていた秋はそれを突っぱねてしまう。一方、秋の嘘を知った理子は驚きつつも秋を受け入れ、2人の付き合いは続くことに。

 その日の夜、初めて理子の歌声を聞いた秋は、そのスペシャルな歌声に瞬く間に魅了され、プロデュースを辞退したことを激しく後悔する。だが時はすでに遅く、高樹はマッシュのプロデュースを心也に依頼していた……。秋と理子を取り巻く状況がめまぐるしく変わっていくなか、ある決定的な事件が起こる。そして理子の未来のため、秋は最後にまたひとつの嘘をつくことを決断するが……。

監督:小泉徳宏
出演者:佐藤健 大原櫻子
三浦翔平 窪田正孝 水田航生 浅香航大 吉沢亮 森永悠希
谷村美月 勝村政信 相武紗季 反町隆史
【公式サイト】
全国東宝系にて公開中
(C)2013青木琴美・小学館/「カノジョは嘘を愛しすぎてる」製作委員会

関連リンク

佐藤健インタビュー<第1弾>唯一本音を言ってるかも…
MUSH&Co.インタビュー<第2弾>歌詞を噛みしめて聴いてほしい…
“カノ嘘”渋谷ジャック レポート<第3弾>サプライズに騒然!!
CRUDE PLAY<第4弾>僕ら、崖っぷちなんです(笑)
予告編映像映画と音楽の融合した恋愛物語☆

オリコンニュース公式SNS

Facebook、Twitterからもオリコンニュースの最新情報を受け取ることができます!