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地下アイドルヲタの現場記録〜知られざる世界の実情〜【第7回】

地下アイドルヲタを自認するライター、シーウィード高科。アイドルへの“ガチ恋”経験も経て得た、その特異な世界でのすべての感情、思い出の数々を赤裸々に白日のもとにさらす! ここまで深い地下アイドルの世界、アイドルヲタの実情を少しでも理解してもらうために……。3ヶ月間の集中連載第7回!!

【第7回】アイドル業界のビジネス

写真を撮るのに500円〜2000円。非日常な値段設定だと思うのは最初だけ。
ヲタはだんだん慣らされる。そして買い支える。

 まずは、客のCD複数買いについて。 これは地上も地下も若干の差はあれどほぼ同じで、投票券であったり、特典として握手券やチェキ撮影券がついていることが多いので、自然と複数買うことになる。それはまぁ、昔で言うところのビックリマンチョコを思い返してもらえればわかるだろう。

 オリコン連載の中で書くのも多少はばかられることだが、事務所によってはアイドル本人が複数買いを促すようなコメントをし、それを受けたヲタは買い支える情熱をさらに燃やし、数十枚は通常ロット。数百枚から千枚を買うヲタまで現れているのだ。

 これの賛否について議論するつもりはないし、枚数を多く買っているのはヲタなわけで、外野は一銭も払っていないくせにガタガタ言わないでもらいたいという気持ちがある。これは自分がヲタ側だからだと思うが。

 と、これは大きな話としての例なのだが地下現場だって同じだ。固定ヲタが20人もいない現場でCDをリリースするのは、明らかに赤字なのは誰しもわかるだろう。ではどうするか……やはり複数枚買わせるレギュレーションを作るしかない。1枚買ったら握手。2枚買ったらメンバー1人と写真撮影。3枚買ったらメンバー全員と写真撮影できるよ、など。そしてこのイベントを10日間やりましょう! なんて。その分、イベント観覧自体は無料だけれど。

 やり方は千差万別だが、どれもこれも結局は同じ。これはリリースする側もわかっているからこんなことをするのだと思っている。あいつら、どーせ毎回来るし毎回必ず握手か写真撮るでしょ。だったら複数枚買わせちゃおう! と。

 すべての現場に行き、すべての現場で物販に参加するヲタの心理を利用した商売が、アイドル現場でのCD販売だ。

 でも、とうに感覚は麻痺している。完全に慣らされてしまっているのだ。あれ? 今回は10枚くらい買えばいいの? と普通に言葉が出てくること自体が異常なのに、気づかないふりをしているだけ……。怖い。

 そしてそして。実は地下現場においての商売は、CD収益が大事というわけではない。それは少し考えればわかることで、CDにはレコーディング、スタッフなどの人件費、ジャケ、プレス費用、流通・販売マージンなどを考えればたいして旨味が無いのだ。

 では何で収益をだしているのか? それはずばり“通常物販でのチェキ撮影”である。一般の方々には理解しえないだろうシステムだが、写真を2ショットで撮るには500円〜2000円(値段は現場によってバラバラ)の費用がかかる。ここからアイドルの活動に必要な費用が生まれるのだ。チェキ用カメラなんて1万円もあればお釣りが来る。それに、フィルム代なんて1枚につき60円程度……。これが月に20本もライブをやれば……。

 と、これまた勘違いをしないで欲しいのだが、決して運営側は素晴らしい黒字化をしているわけではない。ここで得た“上がり”は、ダンスレッスンや衣装代、お弁当代や交通費などの諸経費やギャラで相当持っていかれる。手元に残る額は微々たるものだろう。いつか一発当たる日を夢見ているのはアイドルのみならず、運営側のほうなのかもしれない。
(文:シーウィード高科)

連載:地下アイドルヲタの現場記録 BUCK NUMBER


【最終回】地下現場に通うヲタの気持ち
【第9回】新規アイドルファンに注意セヨ!
【第8回】ロックフェスにアイドルがブッキング!
【第7回】アイドル業界のビジネス
【第6回】推し被り敵視と心の病み
【第5回】ファンとヲタは違う生き物!
【第4回】ブレイク=古参が離れるタイミング[Part2]
【第3回】地下→ブレイク→地下のループ[Part1]
【第2回】女の子に突きつけられる競争社会の現実(握手会編)
【第1回】地下アイドル現場の実情(序章)

[PROFILE] シーウィード高科
出版業界で働きながらもモーニング娘。の登場でアイドルにハマり、その後、有名無名の様々なライブに通うようになる。1年間でのライブの本数は約200本。現在はデジタルコンテンツ・プランナーとして働きながらアイドルライターとしても活動する。ご飯代よりも握手とチェキ代を優先しているうちに自然にダイエットに成功した現場主義者である。

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