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二階堂ふみ イメージなんて壊した方が楽しくないですか?

事前情報なしで観たら「二階堂さんだ!」と思わせぬほど完璧な変容具合。しかもデビュー以来ずっと観る者の期待を上回り続けているのだから、二階堂ふみとは恐ろしい女優だ。ロリータファッションに身を包む、少女イモちゃんを好演した最新作『四十九日のレシピ』について聞いた。

大人の作るギャル、女子高生、ロリータが嫌い

――今回、演じられたイモちゃんは、母を亡くして動揺する主人公・百合子(永作博美)と百合子の父・良平(石橋蓮司)の人生に大きな影響を与えつつ、彼らとの関わりのなかで自分自身もかったるいと思っていた人生を愛おしく思うようになっていく、キラリと光った役どころ。スタイリングのアイデアを積極的に出して、役を作っていかれたそうですね?
二階堂もともとロリータのお洋服は好きで、よく嗜んでいたので。『地獄でなぜ悪い』(※インタビューはこちら)のときもそうでしたが、大人の作るギャル、女子高生、ロリータが嫌いなんです。“ロリータってこんな感じ”というザックリした枠に押し込めてしまうから、リアルなものを作ろうとすると、実際にそういうお洋服を好きな人たちから見ると違和感がある。今回は意見を出し合うなかで、衣裳の宮本茉莉さんがお洋服を作ってくださったりもして。ロリータファッションのなかに新しく、イモちゃんというジャンルができたらいいね、なんて話しながら、楽しんで作っていきました。

――自分自身に対する自信のなさから、ロリータファッション&厚化粧で武装する彼女のキャラクターについては、どのように咀嚼して役を造形していかれたのですか?
二階堂何のコンプレックスも持たないなんて人間っぽくないので、彼女の自信のなさは念頭にありました。母親といろいろな確執があった過去は当然ふまえておかないと、不思議で元気なだけの女の子になってしまうから。ただ、デリケートなバックボーンを吹き飛ばすくらいの、破壊力のあるキャラクターにしたいとは思っていました。高めの声で、滑舌悪くセリフをしゃべることで、少し漫画っぽくなったらいいなって。最初の本読みのとき、そのままの感じでいいと監督がおっしゃってくださったので、後は撮影現場で作っていきました。現場では、蓮司さんと仲良くさせていただいて。ひとつの時代を作って来られた、尊敬する役者さんの話が聞けて楽しかったです。永作さん、岡田(将生)さんと4人で集まっているときは、ひとつの本当の家族になれている感じがあって“あ、素敵だな”って思いました。ごはんもおいしかったし。ちらし寿司や豚まんなど、なかしましほ先生がふるまってくださるごはんは、どれもすごくおいしくて。ごはんを楽しみに撮影をがんばれたところもありますね(笑)。

運に頼って流れていけばどうにかなる(笑)

――突如、熱田家に現れたイモと日系ブラジル人の青年ハル(岡田)。不可思議なキャラクターたちの活き活きとした存在感が、ファンタジックな原作からリアリティに重きを置いた映画への変化を、違和感のない形に誘った印象を受けました。
二階堂普段は原作があってもあまり気にしないし、監督からの指示がなければ、むしろ読まないことの方が多いです。もちろん原作ありきだとは思いますが、今作られる映画には、時代に合った映画独自の世界観があってもいい。例えばイモちゃんって原作ではガングロの設定でしたが、時代性を考慮して映画ではロリータに変更されています。また、タナダ監督がこの映画で描いた“助けたり助けられたり”という人間関係が必ずしも家族じゃなくても成り立つのではないか? というメッセージは、(東日本大震災を経た)2013年の今、世に出る大きな意味でもあるけれど、一方ではいつの時代でも、他人同士の関わり合いって大事な、普遍的なことだとも思う。今、生きていて、今、作るという意識。そして世界に向けて発信していく作品として、映画に関わっていきたいという意志。そういうことを考えながら、作品に参加しています。

――観客を傍観者にせず、巻き込んでしまうような力のある作品への出演が続いているのは、やはり偶然などではなく?
二階堂それほど映画の現場に行っていない頃から、本気度の強い監督とどんどん出会って、一緒に作品を作っていきたいという気持ちがありました。力強いものを持つ作品に出演させていただけているのは、そういうことだろうと思います。役者という仕事は、人との出会いで作られていくもの。出会いはすごく大事だし、縁を感じることもとても多い。仕事をこなすのではなく、現場には出会いに行くつもりで向かいます。運はいい方だと思いますね。運に頼って流れていけば、どうにかなるかなあなんて(笑)。

――役との出会いは、新しい自分と出会う感覚ですか? あるいは古い自分のイメージを壊すような意識?
二階堂新しい自分と出会う感覚ではないですね。役によって、自分が変わることはないので。新しい人物像を作っている実感もありません。作るというよりは壊す楽しさの方が大きい。イメージなんて壊した方が楽しくないですか? 役者が保守的でいたら、映画なんて良くなるわけないし。必要ならば、髪の毛が傷もうと色なんて全部抜くし、太れと言われたら太るし、痩せろと言われたら死なない程度に痩せる。それで作品が良くなるんだったら、ぜんぜん構わない。だから演じることに苦しみなんてありません。眠れないとか、身体的なキツさはあっても、精神的にヘビーだと思ったことはそんなにないですね。つらいなんて女優っぽいこと、あんまり言いたくないし(笑)。あ、でもそろそろ明るい役をやりたいとは思います。それこそイメージがっ(笑)。今回は、久しぶりにお母さんや、おじいちゃんおばあちゃんに観てね! とちゃんと言える作品に出られて良かったです。このところ血まみれの作品にばかり出ていたので(笑)。

――高い志と自らに嘘をつかない誠実さで達成に向かうからこそ、努力も苦ではなくなって素晴らしい成果が生み出されるのですね! 最後に今日のお洋服のコンセプトは?
二階堂今日は水疱瘡です(笑)。いろいろなお洋服をコスプレ感覚で着るのが好きなんです。着こなす秘訣ですか?……『ビル・カニンガム&ニューヨーク』で、カニンガムが“誰だって着ることはできる。ただ勇気がないんだ”と言っていましたが、その通りだなって。背が高くないからこういうのはそぐわないとか、似つかわしくないものをわかったうえで、自分に似合うお洋服を見出していけたら、きっとファッションも楽しめると思います。なんか偉そうに言っちゃいましたけど(苦笑)。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

映画『四十九日のレシピ』

 熱田家の母・乙美が突然死んだ。夫の良平は茫然自失になり、娘の百合子は父が心配だからと実家に戻ってくるが、本当は自らの夫との間に問題を抱え、憔悴しきっての帰郷だった。そんな折、百合子と良平の元に派手な服装の不思議女子イモと、日系ブラジル人の青年ハルが現れる。

 生前の乙美に頼まれ、残された家族の面倒を見にきたのだと言うイモは、乙美がとある「レシピ」を書き残していること、そして四十九日には法要ではなく大宴会をするのが乙美の希望だったということを2人に伝える。
 こうして、”四十九日の大宴会“を迎えるまでの、おかしな4人での共同生活が始まるが……。

監督:タナダユキ
出演者:永作博美 石橋蓮司 岡田将生 二階堂ふみ
【映画予告編】 【公式サイト】
2013年11月9日(土)全国公開(C)2013映画「四十九日のレシピ」製作委員会

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二階堂ふみ 撮り下ろし!☆PHOTO GARALLY☆
ロリータファッション姿も!!映画予告編
映画『四十九日のレシピ』公式サイト

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