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アイドル意識調査『憧れvs親しみやすさ アイドルに求めるのはどっち?』
アイドルに“不良性”を持ち込んだキョンキョン&明菜
国民的ドラマとなった連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK総合)の影響で、小泉今日子や薬師丸ひろ子など、“80年代アイドル”の再評価が高まっている。AKB48全盛の今、カウンターとしての“回帰志向”が、なぜ盛り上がりを見せているのか? ファンがアイドルに何を求めているのか、改めて検証してみよう。
まず、日本のアイドル史を振り返ってみると、1977年にキャンディーズが「普通の女の子に戻りたい」と引退宣言、さらに80年には山口百恵、ピンクレディーが相次いで引退。そんな“アイドル冬の時代”を予見される中で現れたのが松田聖子だった。その愛らしい容姿、伸びのある歌唱力、そして松本隆、大瀧詠一、松任谷由実(※呉田軽穂名義)など一流クリエイターらがこぞって楽曲制作に関与……すべての要素が絶妙に絡み合うことで、シングル24曲連続1位など数々の偉業を達成。まさにアイドルのイメージそのものを体現する存在だったと言える。
そんな彼女の影響下でデビューしたのが、小泉今日子、中森明菜ら“82年組”と呼ばれるアイドルたちだった。2人の共通項といえば、“クール”“不良性”などの、これまでアイドルにそぐわないとされていたエッセンスをその括りに注入した点にある。同じ“82年組”には、松田聖子を徹底的に模倣したアイドルもいたが、結局は本家に勝てず淘汰されていった感が強い。誰もが“聖子ちゃんカット”を真似する中で、彼女たちは模倣ではなく、新たなアイドル像を打ち立てたのだ。
眩いオーラの反動として生まれた“会いに行けるアイドル”というコンセプト
そんな“伝説のアイドル”たちの共通点といえば、近寄りがたいほどの眩いオーラに身を包んでいたこと。同性ファンはその髪型やファッション、話し方まで真似し、一歩でもアイドルに近づけるよう努力を惜しまなかった。異性ファンは“理想の恋人”を超越し神格視する傾向にあった。そんな強烈な憧れの上にアイドルが存在していたのだ。
対して、現在のアイドルを象徴するグループと言えるAKB48は、“会いに行けるアイドル”というコンセプトが象徴するように、ファンとの距離を極限までに近くしたことで人気を得たことは周知の事実。これは、秋元康プロデューサーが80年代中盤にデビューさせた、おニャン子クラブのコンセプトをさらに“鋭利”にしたものだった。
10代でも“憧れ”が“親しみ”を僅差で上回る結果に
【憧れ】をアイドルに求めるものとして選んだ理由としては、「素人とは違うんだという圧倒的なオーラがある人こそ、アイドルと呼べる人だと思います」(埼玉県/30代/男性)、「親しみやすさももちろん大事だとは思うが、アイドルは偶像であって常に手に届かない存在であるべきだと思う」(宮城県/10代/女性)など、やはり神格化できる存在こそアイドルという意見が。対して、【親しみやすさ】を選んだ理由には「あまり遠すぎても切なくなるから」(北海道/10代/女性)、「親近感が感じられてこそ応援できるから」(東京都/30代/男性)と持論を展開し負けてはいない。
確かに親しみやすさを強調したことで、これまでアイドルに興味がなかった人を引き込んだ点は最大限に評価されるべき。また、ひとつのムーブメントが巻き起きれば、反動として真逆のアプローチが生まれることも必然なのだ。今回は“憧れ”と“親しみ”で二極化しての検証だったが、近い将来、まったく異なるアプローチでこの二極化を根本から覆すようなアイドルの出現にも大いに期待したい。
【調査概要】
調査時期:2013年9月6日(金)〜9月11日(水)
調査対象:自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代の男女1000名
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
永遠のアイドルランキング
求めるのは「憧れ」と「親しみやすさ」どっち? <男女・世代別>
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