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河村隆一『INORAN&SUGIZOも参加!河村隆一の提案するロックアルバムが完成!!』

1年10ヶ月ぶりにリリースされた最新シングル「七色」に続き、9月11日に待望のアルバム『Life』をリリースした河村隆一。2年ぶりとなるアルバムは、“河村隆一の提案するロック”をテーマに作られた、華やかで美しい作品に仕上がった。

『Life』は、僕の提案するロックアルバム!

  • 河村隆一

    河村隆一

――2年ぶりのアルバムになりますが、今作を作られる上でのテーマはあったんですか?
河村隆一はい。ソロになって、LUNA SEAとは違う音楽を作ろうとしていたんですよ。ポップスだったり、最近ではオペラの曲を歌ったりもしているんですけど、LUNA SEAと毛色の違うことをやることで、ソロ活動の意義を見い出したいなと思っていたんです。ですが、今回は、LUNA SEAのRYUICHIがソロアーティストの河村隆一になるなら、“このくらいの変化かな?”“このくらいのグラデーションかな?”っていうのを考えながら作ってみたんです。LUNA SEAのRYUICHIもロックなんですが、僕がひとりでロックアルバムを作るとするなら、“僕は、この時代のこんなロックが好きだったんだよ”っていうのを感じてもらえるようなアルバムにしたいなって。だから『Life』は、僕の提案するロックアルバムなんです。

――なるほど。しかし、一般的に“ロック”というと、激しくて速くてヘヴィなジャンルだと思われがちだと思うんですけど、『Life』はそうじゃないですよね。
河村そう。ロックって、年代で全然違うんですよね。ザ・ビートルズも聴く人によってはポップスだと思う人もいるだろうけど、彼らはロックバンドですからね。育った年代によってもロックの基準が違うだろうし、現代だと激しいオケのアイドルもいたりしますからね。

――そうですね。隆一さんは?
河村僕は、1970年代後半から、特に80年、90年代の前半くらいのロックシーンを聴いて育っていて。80年代に10代で、そこで一番影響を受けたのが、僕のなかでのロック感なんですよ。U2やドアーズもいたし、ちょっと毛色の違うとこで言うならデヴィッド・ボウイやブライアン・フェリーとか。ジャパンやバウハウスもいたし。LUNA SEAと出逢う何年か前なんですけど、バンド活動を始めようと思い始め、中学2年生くらいの頃にオリジナル曲を作ったんです。その頃の僕は、ザ・ビートルズも好きだったし、デヴィッド・ボウイも好きだったし、かたやバウハウスみたいな、ニューロマンティックとかデカダンスって呼ばれていた世界感もすごく好きだったから、それらが混ざった楽曲を作っていました。でも、そこから最終的にロックとして残ったのは、ニューロマンティックやデカダンスだったんです。計算された外しの美学というか、ちょっと変わったルート。例えば、マイナーキーなのに、メジャーのスケールで弾いてしまうギターソロとか、そういう不思議な響きのするモノが、僕のロック感になっていったんです。そこが後に、LUNA SEAにも繋がっていくことになるんですけどね。

――ストレートなだけじゃないというか。
河村うん、そう。僕は、エアロスミスやローリング・ストーンズとかって、大人になってから聴いたんですよ。もちろん、当時も聴いてはいたんだけど、そこまで夢中に追いかけた記憶がないというか。80年代だと、ヴァン・へイレンやスティーヴ・ヴァイとか、ジミ・ヘンドリックスやジェフ・ベック、エリック・クラプトンといろんなロックギタリストがムーブメントを作っていたと思うんですよね。そのなかでも、僕は、ちょっとシュールな音を奏でるギタリストが好きだったんです。U2は、僕のなかではストレートなバンドなんですけど、ジ・エッジのギターのディレイの使い方とか、空間系のエフェクトの処理の仕方っていうのが、それまでのエアロスミスとかストーンズとかのストレートなギターの音とは一線を画していたというか。そのあたりが、僕が好きになった理由だったのかなって思うんです。LUNA SEAの音もそうでしょ?

――ですね。ストレートなだけじゃない。
河村そう。ギターの音はだいたいエフェクティブなモノですからね。モトリー・クルーやホワイトスネイクなんかは、ギターの音がドライなんですよね。マーシャル一発みたいな音というか。

――そうですね。すごくストレートですよね。でも、U2とかロキシー・ミュージックのロックは空間系で。
河村うん。LUNA SEAのロックは明らかに空間系のロックですからね。


――そうですね。
河村今、LUNA SEAのメンバーも、ストーンズとか聴くだろうし、ビートルズも聴いているだろうけど。空間系のエフェクターが出て来たのは、70年代後半から80年代前半にかけてだったからね。昔のロックを聴いてカッコイイなって思って、ストレートなギターを弾いたりするアプローチも出て来てるのも事実だし。ただ、僕が今回『Life』で表現したかったのは、僕のロック感として、外しの美学というか、計算されているのか間違えちゃったのか、ちょっとクスッとする要素がある、そんなアルバムを作りたかったんです。

――なるほど。今のお話を聞いて今回のアルバムを聴き返してみると、隆一さんが思うロックの在り方が、すごく伝わってきますね。
河村うん、そうですね。「My Love」のイントロからAメロなんかもそうなんですけど、コード表記ができないようなコードを、僕が自分で弾いていたりするんですよ。ルートに対して1度で当たるのは、ぶつかっているから良くないって言われるし、メジャーコードかマイナーコードかでスケールも変わってくるわけで、そのスケールを無視したかのように敢えて通っている微妙な当たり方っていうのが、ニューロマンティックとかデカダンスといわれる、僕のロック感に通じるバンドには、たくさん出てくるんです。

――メジャーなのかマイナーなのかわからない感じというか。
河村そうそう。そういう感じを、今回はアルバムを通して表現しているところでもありますね。なんかね、難しく言葉で説明しちゃったけど(笑)、そんな説明はどうでも良くて、なんか不思議だなって感じを、聴いて感じてもらえたら嬉しいなって思うんですよね。なんか変わってるな、なんか不思議だなって感じてもらえたら最高だなって思うんです。僕のデヴィッド・ボウイのイメージっていうのは、「レッツ・ダンス」とかの時代だったんだけど、そこから「ジギー・スターダスト」とかに遡って聴いたのね。ダンサブルなのかなんなのか、歌い方も明るいのか暗いのかわからないような、独特な世界感に惹かれたんだけど、そこに緻密な計算式があったなんて、当時は考えてもみなかったんだから。まるで、宇宙から来たアーティストを見てる感覚というか。ハードロックとかヘヴィメタルバンドが地上のアーティストだとしたら、デヴィッド・ボウイは宇宙から来たアーティストみたいだったというか(笑)。法則もスケールも関係ないし、ギターの弦も6本じゃなくて8本くらいあるんじゃない!?って思いながら聴いてたというか。そんなところをね、ギタリストじゃなくても、感じてもらえたら、楽しいんじゃないかなって。それこそが本当の音楽の楽しみ方なんじゃないかなって思うんです。

河村隆一が歌うロックを……INORAN&SUGIZOもアルバムに参加

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――そうですね。ところで、「トパーズの丘」はINORANさん、「永遠の詩」はSUGIZOさんが楽曲を作られていますが、どういう経緯で?
河村今話したように、僕は、新しい機材や、新しいギタリストが生まれていくことで、ロックの歴史は築かれていくものだと思っているんです。そこが僕のなかのひとつのキーワードでもあるから。だからこそ、僕はINORANとSUGIZOに曲を書いてほしかった。彼らが思っている河村隆一が歌うロックを作ってもらいたかったんです。彼らそれぞれが通ってきたルーツもあるし、僕と一緒にLUNA SEAという時代を歩んで来た時間もあるし。彼らの作ってくる音楽に、自分の書いたメッセージを乗せて歌ってみたかったんです。

――お2人には、何かリクエストされたんですか?どういう依頼のされ方を?
河村神戸のイベントのときに、2人に「アルバム収録曲を書いてほしいんだけど」って頼んだら、「いいよ、どんな感じ?」って言われて。「LUNA SEAのRYUICHIじゃないけど、河村隆一が歌うロックな感じの曲をそれぞれ好きに作って」って言ったら、この2曲が上がってきたんです。


――なるほど。INORANさんの曲とギターと隆一さんの歌、SUGIZOさんの曲とギターと隆一さんの歌だけど、LUNA SEAとは違うんですよね。もっとそれぞれの個性を感じるモノというか。
河村うん。LUNA SEAを長くやっているから、INORANとSUGIちゃん(SUGIZO)が好きな音楽性も知ってるし、最近こんな感じ好きなんじゃないかな?っていうのもなんとなく想像がついてたんだけど、やっぱり当たってたというか(笑)。SUGIちゃんは、ニュー・ウェーヴ系のダンサブルな音楽とロックが融合した感じの音楽がすごく好きだから、“おっ、やっぱこのリズムパターンで来たか!”って感じだったし、INORANは、常に16ビートを感じる裏拍を感じるダンサブルなロックを作って来てくれたしね。すごく2人のルーツとロック感を再確認できた作品になったと思いますね。

――分かり合えてるメンバーと、音楽で遊べる感覚というか。そういうチャレンジ感って、いいですね。
河村うん。そうですね。すごく楽しかったです。

――隆一さんは、「the earth〜未来の風〜」に込めた想いとして、“自分を諦めない。そして、今をもっともっと良い時代にしていく責任があると思っている。だから、みんなも夢を捨てないで生きてほしい。未来に夢を持ってほしい“というメッセージがあるとおっしゃっていましたよね。そんな想いを、このアルバム全体からも感じたんです。
河村そうですね。僕らが生きて来た時代は、戦争を直接経験することもなく、バブルと言われる時代で、CDがすごく売れていた時代でもあって。夢は“大きな家に住んで、高い車に乗ること”という単純なことだったりしたのに、今の子供たちは、そんな夢すらも持たなくなってしまったように思うから。今の若い子たちは、僕たち大人が残した負の財産を背中に背負わされている時代だなっていう責任も感じていて……。だから、大人たちの責任として、僕らがしてこなかったチャレンジをさせてあげたい。それが成功したときは共に喜んであげたいし、たとえそれが失敗したとしても、ちゃんと生きていけるライフラインを作ってあげたい。そこは僕たち大人も含め、これから勝ち得るモノを考えたら、過去を振り返らずに、新しいチャレンジはどんどんしていくべきだと思うんです。何か新しいことをやろうとすると、“そんなのは上手くいくはずがない”って否定する人が出てくる。それがすごく嫌で。ロックというモノが、何かのアンチテーゼを唱えるモノだとしたら、僕のロック精神は、世の中に蔓延している負け組感に喝を入れたいということなんです。まさに、その想いこそが、このアルバムの根本であったりするんです。“若いんだから、失敗してもいいからチャレンジしてみろよ!ダメだったら俺たちが面倒見てやるぜ!”って言う様な連中がいっぱい出てくる様な、もっとイキイキとして気概のある世の中になってくれたらいいなって思っているんです。ここ最近は、不平不満しか言わない世の中になってしまっているような気がしてね。でも、絶対に若い子のなかにも気概を持ったヤツらはいるわけで。浮ついた夢じゃなく、ちゃんと明確な夢を持った新人類が生まれてくる時代だと僕は思っているんで、そういう時代の幕開けに、こういうアルバムを歌いたいなと思ったんです。ぜひ、このアルバムを通して、そんな想いが伝わってくれたら嬉しいです。
(文:武市尚子)

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