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田中麗奈『30代…今までと違う質感でお芝居をしている』

年齢と経験を重ねて女優としてまたひと際の輝きを増している田中麗奈。主演するNHKドラマ『激流 〜私を憶えていますか?〜』では、謎が渦巻く物語のなかでさまざまな悩みを抱える35歳の女性を演じている。そんな田中が今作を通して気づいた自らの新しいイメージ、自身にとっての30代とは!?

余裕がある大人な感じを心がけています

──田中さんが主演のドラマ『激流 〜私を憶えていますか?〜』の放送がスタートしました。どんなところにおもしろさを感じていますか?
【田中】 失踪した同級生・冬葉から突然メールが来て、それをきっかけに同級生が再会します。忘れたい過去、思い出したくない過去のフタを開けてしまって……冬葉はいったいどこに行ったんだろう? という謎が出てくるんです。生きているのかどうかも分からない人から連絡がくるので、ミステリーというかホラーっぽさもあるんですよね。

──いま撮影の真っ只中ですが、その謎は明らかになりかけていますか?
【田中】 ちょうどいま6話を撮っているところなんですけど、謎がまた謎を呼んで、さらにいろいろな人物が登場して複雑になっています。

──楽しみです! 田中さんが演じる圭子というキャラクターは、35歳、中堅出版社の文芸部の編集者。左遷や夫の浮気などさまざまな悩みを抱えている女性。圭子をどう捉えて演じていますか?
【田中】 脚本と原作を読んで自分なりの圭子像を作って現場に臨みました。すごく仕事が好きで、正義感があって、仕切りやタイプなんですが、そういう真面目な優等生タイプが仕事を失ったり異動させられたときの反動は人よりも大きい気がしました。正義感が強すぎると正しくないことに関してうまく反応できないというか……。そして、人には見せられない弱さとか孤独感もあるんです。

──演じ甲斐のある役ですね。35歳になった同級生たちの人生が、タイトルが表すように“激流”にのまれていくドラマ。実年齢よりも少し上の35歳の女性を演じることについては?
【田中】 そうですね、今までと違う質感でお芝居をしているという感覚はあります。腹の底では力を入れつつも、表向きには軽やかにふるまう。そんな余裕がある大人な感じを心がけています。

──なるほど。また、同級生という設定上、ほぼ同年代の俳優が集まっていますよね。撮影現場はどんな感じですか?
【田中】 すごく楽しいんですよね。撮影現場では子どものようになってしまうというか。撮影を終えて家に帰って一日をふり返ると「ああ、今日もはしゃいじゃったな〜」って(笑)。家にいるときは静かなんですけど、みんなと一緒だと「わぁ! 楽しいな〜」って、ほんとの同級生といる感覚になって、自然と気分があがっちゃうんです。みんなに会えるのが楽しくて。

ようやくわかりはじめてきた自分の性格

──そのなかでムードメイカーは?
【田中】 やっぱり山本(耕史)さんかな。おもしろい話をしてくれたり、ギターがあったら弾いてくれたり。みんながみんな調和を取ろうとするので、ほんといい現場です。

──同年代、いいですね。ドラマでは35歳がキーワードのひとつとなっていますが、田中さんにとっての35歳はどういう年齢?
【田中】 10代の頃は30代の自分を想像できなかったんですよね。20代の頃もはっきりとは分からなくて、20代の後半はどういう30代を迎えたらいいのかイメージできないことにもやもやしていました。30歳って、ちょうど心と身体の変わり目なんでしょうね。少女から女性になって、女性から母性が生まれて──というように、どんどん成長していくわけじゃないですか。その変わり目が30歳あたり。でも重心をどこに置いたらいいのか分からないのもその頃で……。それを過ぎて31歳になったとき、ようやく自分はこういう性格なんだなとわかりはじめてきて、新しいイメージが湧くようになりました。

──その新しいイメージとは? 具体的にどういう30代を過ごしたいですか?
【田中】 主なイメージは、役者の私、女優業をやっている私との付きあい方ですね。あと、趣味との付きあい方。絵画も好きだし、外国に行って昔の文化に触れることも好きだし、本も写真も好き。少し前にヨガと出会ったことで心も体も変わったのも大きかったので、自分の感性を高めるものにつねに触れていたいんです。

──2年前にお話を聞いたときにヨガをはじめたと言っていましたが、ヨガの良さって?
【田中】 精神状態が全然違うんです。お芝居にもいい影響があって──私、ものすごく緊張しいで、20代後半のときに、毎回こんなに緊張していたらこの先やっていけないなと思ったんです。そんなときにヨガをはじめたことで、身体がいかに緊張していたのかがよく分かりました。身体がほぐれることで自然と心もほぐれて、呼吸も深くなってリラックスできるようになったんです。お芝居のときはもちろん緊張はするんですけど、それは必要な緊張。以前のような、不必要な緊張がなくなりました。

──緊張がほぐれたぶん、より芝居が楽しくなったんじゃないですか?
【田中】 そうなんです! 緊張していると空気感が読めなかったり、吸収が悪くなったりするけれど、リラックスすることによって世界が広がって、よりお芝居が楽しくなりました。とくに、今回演じる圭子はいろいろなものを背負っている、ある意味、緊張感のある役なので、それがまた楽しくて。圭子をはじめ、このドラマに登場するメインキャラクターはみんながみんな問題を抱えていて、その表現方法がちょっと極端なところもあるけれど、男性も女性も登場人物の誰かに共感できると思います。

(文:新谷里映/撮り下ろし写真:片山よしお)

ドラマ情報

NHKドラマ『激流 〜私を憶えていますか?〜』

 中学3年のときの同級生、圭子、貴子、美弥の元に、「私を憶えていますか?冬葉」と不思議なメールが届く。京都への修学旅行で3人と同じ班だったが、旅行の途中でこつ然と姿を消し、今だに行方不明の冬葉からのメールである。圭子は同じ班だった鯖島と東萩にも声をかけ、5人は20年ぶりに顔を合わす。その時から5人の身の上に、次々と災難が降りかかるようになっていく。

出演:田中麗奈 桐谷健太 国仲涼子 ともさかりえ 山本耕史
【OFFICIAL SITE】
NHK総合 毎週火曜日 午後10時

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『激流 〜私を憶えていますか?〜』公式サイト

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