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【意識調査】LGBTへの理解、社会整備として【カミングアウトしなくても問題ない空気づくり】を望む声が約8割
「LGBT」知るきっかけ、若年層にとってはエンタメコンテンツが重要な窓口に
では「LGBT」という言葉を知ったきっかけは? 【LGBTについて扱っているニュースやインタビュー記事】が65.1%、【有名人・著名人のセクシュアリティのカミングアウト】が28.0%。次に【LGBTをテーマにした映像コンテンツ】26.2%、【SNS】22.0%、【LGBTに関する書籍(エッセイ、マンガ、専門書籍など)】12.7%など、ネットやエンタメコンテンツ経由で認知した人が半数近く。上戸彩が性同一性障害を演じた「ドラマ『金八先生』」(千葉県/30代)、草なぎ剛の女装姿も話題になった「映画『ミッドナイトスワン』」(埼玉県/60代)、言わずとしれた「ドラマ『おっさんずラブ』」(埼玉県/60代)など作品名を挙げての回答もあった。
年代別に見ると、20代の約9割が認知。きっかけは【SNSの話題で】が36.7%、【LGBTをテーマにした映像コンテンツ】が32.5%。7割近くがインターネットやエンタメとの接触が始まりとしている。また21.7%は【学校の授業・講義で】。2015年に初めて文部科学省が全国の小中高校に対し、性同一性障害の子どもたちについて配慮を求める通知を出し、その後も教育が続いているが、これらの結果があらわれているようだ。
「LGBT」理解の広がりに「よいと思う」が約6割「みんなが知ることからがスタートだと思うから」
サブカルチャー的側面で見れば、90年代前半には801(ヤオイと読む。今で言うBL)文化が一部女性の間ですでに定着していた。文学でも1989年に新宿2丁目を舞台にした比留間久夫の『YES・YES・YES』(河出書房新社※現在は品切れ)が第26回文藝賞を受賞。女性ファッション誌『CREA』(文藝春秋社)は1991年に特集「ゲイ・ルネッサンス91」が組まれるなど、理解の発芽があった。これらが受け継がれ、徐々に浸透し、00年代にはBLを好む「腐女子」の言葉も浸透。
また『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)などLGBTを扱ったドラマ・映画も増え、SNSでも自らを「腐女子」と名乗る女性が多数出現。LGBTに違和感のない人々も増え、「自分的にはすでに映像コンテンツなどで見慣れあまり違和感がないので、理解のない年代層に理解されるためには良いきっかけになると思う」(神奈川県/20代や、「知識不足で偏見が払拭される可能性がある。」(東京都/40代)など、エンタメ、著名人・有名人のカミングアウトは功を奏しているようだ。