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「パパ彼女いるよ」不倫に気づいた子ども…、それでも離婚しない理由に集まる賛否の声

  • 『マタしてもクロでした』より(C)うえみあゆみ

    『マタしてもクロでした』より(C)うえみあゆみ

 著名人の不倫が報じられるたびに、ネットでは「許せない」「当事者の問題で他人が口を出すことじゃない」等、賛否両論巻き起こっているが、漫画の世界でも、浮気や不倫ネタは論議の的となっている。今や浮気や不倫を題材にした作品は、不動の人気ジャンルとして定着したようだ。さまざまな不倫のかたち、さまざまな夫婦のかたちが描かれる中、「あり」か「なし」か、多くの論争を呼んだ2作の不倫マンガを紹介する。

「すぐに離婚は決断できない…」親だからこそ感じているリアルな現実

 夫の浮気が発覚するも、「子どもたちに与えられる教育の機会やクオリティを下げたくない」という理由から夫婦生活を継続。うえみあゆみさん著の『カマかけたらクロでした』は、家族が再生していくまでの実体験を描き大反響を呼んだ。

 その10年後、相変わらず浮気を繰り返す夫と、一方で頼もしく成長していく子どもたちの姿を描いた『マタしてもクロでした』とともに、「子どものために離婚をしない」選択の是非をめぐって、ネット上ではさまざまな議論が展開されている。うえみさんの持論はこうだ。

「もともと私は子どもの貧困問題に関心があり、取材を重ねてきました。そこでわかったのは、教育とは『子どもの選択肢を広げ、いずれ夢や希望への挑戦権になるサイクルである』ということ。それを与えてあげられないのは、親として違うなと私は判断したんです」

 さらに、次のようにも語る。

「人間は完璧ではありませんからね。子どもたちには、不倫を擁護はしないまでも、両親の姿を通して、どうしようもない弱さを持ったのが人間であるという視点を持ってもらえたらと思いました」

 しかし、ネット上では、「子どものために離婚を我慢していたと言われて子どもがどうとらえるか心配」「子どもに隠し通せなかった時点で離婚」と、子どものためを思うならこそ離婚を選ぶべきという人に加え、「一度浮気をした人はくり返す」「なぜ浮気をされてこちらが妥協したり許さなきゃいけないのか。慰謝料、教育費をもらって別れるべき」という浮気は絶対許さない派も多数。中には、「どんなに謝られても、子どものためにと思っても無理なものは無理だった」「(親に)あなたがいるから離婚したくてもできないと打ち明けられて嫌だった」という実体験も寄せられた。

 一方、「浮気夫が必死で謝るなら現状維持」「子どもたちのことを第一に考える姿勢は素晴らしい」という賛同意見も散見されている。

 そんな中、興味深いのは「浮気夫とは別れて、シングルマザーとして頑張って生きろという人は強いなって思う。すぐに離婚を決断できない妻の気持ちはちょっとわかる」という意見。賛同する人の中には、「別れても養育費を払わなくなるケースが多い」と金銭面の不安をあげる人もみられたが、3組に1組が離婚すると言われる日本で、金銭面への不安から離婚に踏み切れない人がいるのも事実である。

「日本がもっと女性の再就職が安易で、賃金が男性と同じの離婚しやすい国で、別れた子どもに対して親が責任取る国ならいいんだけど」という意見どおり、女性の社会的地位153か国中121位、女性にとって生きづらい国・日本の現状を浮き彫りにしたことだった。

それぞれの家庭に事情がある、続く不倫の「あり・なし」論争

  • 『夫がいても誰かを好きになっていいですか?』より(C)KADOKAWA

    『夫がいても誰かを好きになっていいですか?』より(C)KADOKAWA

「不倫する当事者の大半は、悪いことだと認識しているし、それで信用を失って、社会的立場も失うほどのリスクがあることも理解しているはず。にもかかわらず不倫が絶えないのは、もしかしたら人間にとって、ひとりを愛し続けることよりも、いろいろな人に好意を抱くことのほうが自然だからかもしれません」

 大学院で心理学を学ぶただっちさんが、こんな自説と心理学の知識をベースに、夫がいながら他の男性を好きになってしまった主婦を描いた『夫がいても誰かを好きになっていいですか?』(KADOKAWA刊)も話題を集めている。

 主婦の不倫物語というと、ハラハラ、ドキドキ、時に愛憎渦巻く展開がつきものだが、本作では、自分に対して無関心な夫から家政婦のように扱われながらも、“養ってもらっている”という負い目から不満を口にできない日々を送っていた主人公が抱える孤独感、そんな時に現れた“運命の人”と思える男性に傾いていく心、トキメキ、とまどい、ためらい、そして罪悪感といった気持ちの動きがていねいに描かれていく。

 そんな主人公に対して、ネット上での読者の評価は「あり」「なし」の真っ二つに。これには著者のただっちさんも驚いたと語る。

「連載を始める前、芸能人の不倫報道への世間の反応を見ていて、ほとんどの人が不倫を絶対に許さないという気持ちなのだろうと思っていましたから」

「あり」派の意見は、「気持ちだけならいい」「一線を越えなければいい」というもの。一方の「なし」派は、「2人きりで会う時点でダメ」「夫にも浮気相手にも不誠実」「恋愛したいなら離婚した後で」という、プラトニックであろうがなかろうが、結婚したら他の人に心を向けるのはNGというものだった。

 物語の最後には、家庭にはそれぞれの事情と考え方があることを実感させられる展開が待ち受ける。果たしてこの不倫は「あり」か「なし」か、リアルな展開に多くの読者から反響が集まっている。

 離婚することだけが、決して正解ではないだろう。この2作からは、つらい日々を過ごす妻の複雑な心境が読み取れる。外野の意見に惑わされず、自分の考えをしっかり持つという重要性にも気づくことができるだろう。

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