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おかずクラブ・オカリナ、体を張った“ノーリアクション芸”で独自の立ち位置
現代のバラエティにあるまじき、薄〜いリアクションでシュールな空気を醸し出す
また、『かりそめ天国』(テレビ朝日系)の不定期コーナー『オカリナホラーショー』でも、薄〜いリアクションでシュールな空気を醸し出している。ヴィレッジバンガードやPLAZAなどの店舗に出向き、とにかく商品を試しまくるというロケだが、特に感想も述べず、ひたすら無言で商品をむさぼり続ける…にも関わらず、何となく画が持ってしまうという謎のビジュアル的な魅力も。「感想言えよ!」とワイプのマツコ・デラックスと有吉弘行に突っ込まれながらも、薄〜いまま淡々とVTRが続くと、逆にふたりは大絶賛。SNSでも、「オカリナのヴィレバン荒らし、めっちゃおもしろかった」、「恐怖映像だけどつい見ちゃう」等々、反響があったのだ。
時代の変化とともに変わる“リアクション”の存在意義
ひな壇形式のバラエティ番組が増えた昨今は、いいリアクションが取れればタレントとして重宝されるが、逆に取れないと埋没してしまうようにもなった。結果、ひな壇にしろロケにしろ、タレントたちは競って画面映えする大きなリアクションを取るようになったのだが、その背後には埋もれてしまうことへの恐怖感、“間”を恐れる心理が働いている気もする。
そんな時代の中で、オカリナのノーリアクションのスタイルは貴重な“例外”であり、リアクション全盛の今だからこそ、そのギャップと反動から余計「面白く」「新鮮に」映るのかもしれない。
ただ“リアクションしない”だけではない 体を張った“芸人らしさ”は健在
また、『しゃべくり007』(日本テレビ系)で、くりぃむしちゅー・上田晋也と4連続で“ビジネスキス”をして見せるなど、オカリナは女芸人の中でもかなり多くキスを経験していることでも有名。多くの芸人やアナウンサー、あの中居正広の“初めてのビジネスキスの相手”にまでなっているのだ。
決して“美女”とは言えないが、黙っているだけでもゆるキャラ的な可愛さがあり、押しつけがましさもないので老若男女から好感を持たれる。有吉弘行にも「いいブス」と名づけられたように、どこかオカリナには女性らしい一面があることも“愛されポイント”なのだろう。実際、先日放送された『イッテQ』でも、後輩女芸人であるガンバレルーヤのふたりが巨大ジンベイザメと共演し、ふと「あのジンベイザメ、オカリナさんに似ている」とつぶやいていたが、そんな動物っぽい可愛さ、ほんわか感がオカリナの魅力のひとつなのだろう。
大きな声&ハイテンションで先輩芸人にも容赦なく噛みつくゆいPと、ローテンションの癒し系のオカリナとのコンビがおかずクラブだが、その両者の個性を十分に際立たせるオカリナの“あえてのノーリアクション芸”の確立は、リアクション芸全盛期の中でも稀有なこと。今はアイドルでも俳優でも体を張ってリアクションし、新たな人気者が生み出されていく群雄割拠の芸能界だが、そうした流れに逆行するかのようなオカリナの“無の境地”は、新たなリアクション芸の指標となるかもしれない。