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4月改編、“打倒日テレ”を掲げる民放各局それぞれの思惑とは?
日本テレビ◆2期連続プライム帯ほぼ無改編、絶好調の“日テレ式メソッド”強固に
ゴールデン改編率は0.5%で極めて低い数字。編成部長・岡部智洋氏も「ゴールデンタイムの改編なしは極めて異例」と語っており、その言葉からは現状の満足度が見て取れる。「いつでも見られるネット動画時代でリアルタイム視聴が少なくなっている昨今、テレビで最も重要なのは“視聴習慣”。それが根付いているからこそ、変える必要もないのでしょう」(衣輪氏)
TBS◆“ドラマのTBS”が完全に定着! 今最も爆発力を秘め、打倒日テレの最右翼!?
22時台を含む年間プライム帯視聴率は3位。そこで打ち出したのが番組そのものよりも枠の時間の変更で月〜木の22時台を7分拡大。内容の充実が図られている。また日テレ一人勝ちの日曜20時には『坂上&指原のつぶれない店』をぶつけている。編成部・企画統括の石丸彰彦氏は『坂上&指原〜』について「順風満帆ではないがここで一矢報いる番組にしたい」と熱を込めている。
「ここ最近は『マツコの知らない世界』『水曜日のダウンタウン』、また裏に日テレ『ぐるぐるナインティナイン』や『秘密のケンミンSHOW』があるにも関わらず『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』などバラエティも定着してきている。今最も爆発力を秘めているのがTBSかもしれません」(衣輪氏)
フジテレビ◆長寿番組終了で「変化」を意識、後番組に既視感も?
「新番組は、林修さん、梅沢富美男さん、坂上忍さん、東野幸治さん、石橋貴明さんなど手堅いMC陣ながら“どこかで見たことのある企画と番組名”でフレッシュ感が薄い。初動よりも内容で勝負して人気が出るのを待つ覚悟が必要かもしれません。しかしながら『とんねるずのみなさんのおかげでした』後番組の『直撃!シンソウ坂上』の裏番組には、日テレのバラエティ視聴率週間TOP10常連『秘密のケンミンSHOW』が。坂上さんが“ポストみのもんた”と囁かれていることもあって、ここはかなりの挑戦枠と言えるでしょう。また、早朝4時の『クイズ!脳ベルSHOW』や、深夜帯では関西テレビ『おかべろ』のレギュラー化など、プライム帯以外から挑戦的な姿勢は感じられます」(同氏)
また、土曜日の午前中はHey! Say! JUMP→関ジャニ∞→KinKi Kidsと3番組が続きジャニーズ枠に。ファン以外にはどう映るかも注目したい。
テレビ朝日◆“中高年”ターゲット? 刑事ドラマ・旅・報道を3大看板に
「ドラマ枠では『特捜9』(『警視庁捜査一課9係』の9係メンバーが再結集)、『警視庁・捜査一課長』のシーズン3、『未解決の女〜警視庁文書捜査官〜』と得意の“刑事ドラマ”が揃い踏み。テレ朝視聴層の視聴習慣にも合っており、かなり手堅い。深夜ドラマも『家政夫のミタゾノ』の続編、単発ドラマ『おっさんずラブ』のレギュラー化で保守的。旅番組も新番組『旅サンデー』がスタートし、報道は1周年を迎える『サタデーステーション』の放送枠を16分拡大して、より強固なものにしようとする気概が感じられます」(衣輪氏)
深夜の『『ぷっ』すま』終了で新しくスタートするのはもはや局の顔となりつつある破天荒ディレクター“ナスD”担当の『東京らふストーリー』。テレ朝は2000年代より深夜バラエティに大変な力を注いできた。視聴層の若返りは変わらず深夜帯で図るのだろう。
テレビ東京◆低予算で健闘する“ストーリー性”と“池”で更なるファン獲得へ
「斬新な選挙番組を打ち出した池上彰さんによる冠レギュラー番組『日曜ゴールデンの池上ワールド 池上彰の現代史を歩く』が新設されるほか、話題の『池の水ぜんぶ抜く』を月1のレギュラー化。すでにSNSなどで“池”の2番組は好意を持って受け止められているようです」(衣輪氏)。
人気番組『TVチャンピオン』の復活も発表され、これらテレ東らしさが新たなファンを獲得できるかに注目したい。
“日テレ無双”、他局の強化・挑戦で勢力図が変わるか
(文/中野ナガ)