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サッカー中継に欠かせない松木安太郎 “解説者らしくない”のに愛されるワケとは?

  • サッカー中継に欠かせない松木安太郎 (C)ORICON NewS inc.

    サッカー中継に欠かせない松木安太郎 (C)ORICON NewS inc.

 8月31日のオーストラリア戦に2‐0で快勝し、見事にW杯出場を決めたサッカー日本代表。これでW杯出場は6大会連続となり、安堵したサポーターも多いことだろう。そんな代表戦に欠かせないのが解説者の松木安太郎だ。「6分? ふざけたロスタイムですね〜」「おい!! PKだ! PKだ!! PKか!? ゴール!? よしよし!」などと絶叫する姿は、もはや解説者ではなく、ただの“うるさいサッカーおじさん”なのだが、今やサッカー中継の風物詩ともなり、お茶の間からも愛されている。解説者らしくない松木が愛される理由とは?

元日本代表、監督としてもJリーグ創世記に活躍

 松木安太郎は、中学進学と同時に読売サッカークラブにゴールキーパーとして加入し、高校1年でDFにコンバートされると才能を開花、高校2年でトップチームへと昇格する。言ってみればサッカーエリートなのだが、当時のサッカーリーグはプロリーグではなかったので、松木が日本代表であり、日本サッカーリーグで多数の優勝を果たした読売クラブの主将であっても、印象に残っている人はあまりいないのではないだろうか。やはり多くの人にとっては、Jリーグ開幕時、ヴェルディ川崎の監督としての松木が“初対面”なのである。

 当時の松木はまだ35歳。チームには三浦カズ(知良)や武田修宏、ラモス瑠偉といったスター選手がそろっており、松木自体はそれほど目立つ存在ではなかった。2年連続でチームをJリーグチャンピオンに導いたが、1994年のシーズン後に退任。1998年にセレッソ大阪、2001年には東京ヴェルディ1969の監督を務めるが、短期で退任する一方、1995年にNHKのサッカー解説者を務めるあたりから、現在の“松木節”の片鱗が見えはじめる。

擬音だらけの解説 当初は“素人でも言える解説”と批判も

 ただ、サッカー解説技術に関しては、自身のラジオ番組『松木安太郎の「バーンってやってドーン!」』(JAPAN FM NETWORK)のタイトル通り、擬音だらけの解説で、当初は「素人でも言える解説」などと批判を浴びていた。反面、テレビ朝日のサッカー中継でコンビを組むことが多かったセルジオ越後の「辛らつな小言だらけの解説」とのギャップ感や、視聴者以上に感情移入する解説に視聴者もだんだん“慣らされて”いき、自分たちと同じ目線で喜んだり悔しがったりする松木は、どことなく憎めない存在となっていく。

 「多少システムがあっても、ボール持った人がガーッと行って、ドーンと決めたら監督は文句言いませんよ、ハッハッハ」「今日の西川(周作/GK)はグローブにノリがついていますね」「岡崎(慎司/FK)行け! 岡崎行け! あ〜ダメか…でも今、キーパーいなかったら入ってましたよ!」等々の“名(迷?)言”は、ネットでもまとめサイトがあるほど注目されている。言ってみれば、視聴者の感情をそのままに、いや、ときにはその想像を超えてくる珍解説の数々を前に、やがては視聴者も(松木だからしょうがないか…)とまさに“バカ負け”してしまうのである。

松岡修造に続く近年主流の“激情型解説”を確立

 そこで思い出すのは、松木同様に熱い(暑い?)解説をテレビ朝日等で繰り広げる松岡修造だ。今や松岡も、その“名言”が日めくりカレンダーになって大ヒットするほど“公認”された存在だが、その背景には、これまで松木が批判されつつも繰り返してきた“激情型解説”の歴史があるかもしれない。松木の“熱い解説”にさんざん慣らされてきた視聴者にとっては、松岡の解説にも違和感を抱かないどころか、楽しんでさえいるのだ。

松木と松岡、このふたりが“確立”したメンタルに特化した激情型解説は、スポーツ中継を盛り上げるために欠かせないものへと変貌を遂げた。これからも「なくなっては寂しい」ものとして視聴者に愛され、支持されていくことだろう。

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