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「夢と憧れは違う」リリー・フランキーが語る夢の実現方法

 SHOWROOM代表の前田裕二が務めるラジオ「SHOWROOM主義」。著名なビジネスパーソン、アーティスト、タレントなど、夢を追いかけている方をゲストに迎え、リスナーの一緒に見守り応援していく番組。今回はゲストに、イラストレーター・作家・俳優・ミュージシャン・構成作家など多彩な顔を持つリリー・フランキーをお迎えし、ラジオの魅力や音楽の持つ力、アイドル観などを独自の切り口で語ってくれた。

未来は意外と他人が決めてしまうもの(リリー)

前田裕二(以下、前田)先日、リリーさんが主演する『美しい星』が公開になりましたね。
リリー・フランキー(以下、リリー)三島由紀夫さんの中でも特異な小説を、現代風に脚色した作品です。家族全員が宇宙人だと思って覚醒する話ですが、最終的には家族のいい話です。

前田楽しみですね。個人的にリリーさんの演技がとても好きなのですが、俳優になることは子どもの頃からの夢だったんですか?
リリーいいえ、偶然です。尊敬する監督から声をかけられて、何の経験もないのに映画に出たのが始まり。大げさかもしれないけど、自分の未来なんて、他人が決めちゃうことが多いというか。決まってしまったが故に人生が動くものですね。

前田不思議な縁でいうと、自社には、僕の小学校時代の同級生が社員として働いています。彼は、子役として赤ちゃんの頃から、28歳まで俳優として活動していました。28歳頃までに俳優として食べていけなければ、俳優を支える側で生きていくと決めていていました。そのタイミングで、僕の活動を知って連絡くれて、晴れて今は演者を支える側で活動しています。
リリーそういう人が裏方にいてほしい。AKB48グループでも指原が毎年1位になっているわけですが、彼女も元々はアイドルの追っかけで、ファンの心情をよく知っている。経験に基づいたやり方ができる彼女が上位にいるのは本質に適っていると思います。

はじめてお金稼いだのは弾き語りでした(前田)

リリー前田さんは邪気がないですね。
前田小学生の頃に邪気を全部吐き出しちゃったんです。小2くらいの時に両親を亡くして、グレることもありました。自分の力で、ご飯を食べれるようになりたかったですが、幼いからアルバイトもできなくて。選んだわけでもない運命を努力で乗り越えようとしたのに、社会はそれを認めてくれないと思ってしまって、当時は邪気がMAXでしたね。

リリーでもそんな苦労をしたから、今の活力にもなっているんでしょうね。IT系の社長さんとかは、もともと裕福だったとか誤解をされがちだけど、やっぱり人間って、エピソードはアナログですよね。
前田僕も経歴を表層的に見るとエリートみたいに思われがちですが、はじめてお金稼いだのは弾き語りでした。オリジナル曲を作って東京の葛飾区で歌っていましたね。

リリーその経験はラジオに活きると思う。番組で毎回弾き語りすればいいんじゃないですか? 歌で番組が終わると視聴者が「いい番組だった」みたいな錯覚を起こすから(笑)。

リスナーとの距離が親密なラジオというメディア

リリー前田さんは自社でメディアを運営しているのに、なぜラジオを始めたんですか?
前田まず、ラジオに対する深いリスペクトがあります。テレビがある種、偶像だとすると、ラジオは身近なところにある。そういう意味で、ラジオってインターネット的だなと思っていて、個人的にとても好きなメディアなんです。連動したら、価値を生める自信がありました。
また、SHOWROOMの演者のモチベーションを考える過程で、ラジオでパーソナリティに挑戦したい、などと、ラジオを一つの夢として志向している人が多いことが分かりました。SHOWROOMでは、とにかく「頑張っている人」を支えたいという強い思いがあります。その為、僕らとしても、頑張っている演者に対して、ラジオという憧れのステージを用意してあげたかった。自社の目指す「頑張れば夢が叶う」 というシンプルな法則を、声の仕事を夢見る人たちに対しても作っていきたかったんです。

リリーラジオはパーソナリティとリスナーが1対1の関係で、親密感が生まれますよね。僕がラジオをやってるとき、リスナーと仲良くなることも多くて、過去には付き人になった人もいましたよ。
前田それはすごいですね!確かに、ラジオって発信側と聴衆の距離が近く双方向的で、絆やコミュニティが生まれやすいなと感じています。SHOWROOMではいま、ラジオに出たい人たち同士でアピールバトルをして、そこで勝った人は、アシスタント MC として番組に出られる企画をやっているのですが、そこで勝つには、いかにそういった絆をファンと築けるか、が大事なポイントになっています。

リリーネットで戦ってラジオに出るって、最終的にアナログを突き詰めている感じがいいですね。
前田そうですね、SHOWROOMはデジタルサービスでありながら、実際は結構アナログです(笑)。アナログに努力を積み重ねた人が、一番ファンを増やすことができて、その結果として、夢を勝ち取ることができる。企画している側が全てを決めるわけじゃない、というのが面白いですよね。

リリー僕も自分のラジオで、ゲストに来た人に対して「この子にアシスタントをやってほしい」とリスナーから一定数のお便りが来たらレギュラーになってもらうって企画をやりました。ゲスト頼みでなくレギュラーとアシスタントにリスナーがつくのっていいですよね。
前田僕も、民主的にリスナーが選んだ人が番組に出ていくような、ボトムアップの世界観が作っていけたら、と思い、SHOWROOMを作りました。運営側の都合によって独断でキャスティングするということではなく。

リリー100%リスナーに選んでもらう形ですね。たとえば名前も仮名で「声だけ勝負」でリスナーが選ぶのはどうでしょう。声には内面が宿りますから。
前田それは面白いですね!

遠く見える微かな星を追って旅することこそ、夢を追うこと(リリー)

前田最後に、この番組は「夢」をテーマに放送しているのですが、夢を持っている人たちにメッセージをお願いします。
リリーNコンと呼ばれるNHK全国学校音楽コンクールがありまして、そこで私は高校生の部の課題曲の詞を書かせてもらったんです。この今年のNコンのテーマはちょうど「夢」でして。「君が君に歌う歌」というタイトルで、未来の君が今の君に歌う詞です。高校生って将来が小さく暗く見えている子も多いと思うし「現実的にものを見ろ、夢は見るな」という仕事をする大人たちもいるわけです。でも、いざ歳をとってみると、堅実にものを考えていた人が全員幸せになっているかといえば、なかなかそうはいかない。真面目に取り組んできた人間に、こんな結果を与えるとは、どういうことなんだと思うわけです。

前田周囲の人に何と言われても、夢を追い続けてほしいですね。
リリーまた、歌詞の中では星の話もしています。夢を持っている子は、夜空の輝く星に憧れるけれど、なぜそれがキラキラ見えるかって、いちばん手前にあるからなんです。もっと奥の暗く小さい星は、今はあまり輝いて見えないかもしれないけど、そこを目指していたら、手前の星はとっくに通り過ぎている。そして奥にある星が本当に暗く小さいのか、自分の目で見に行ってごらん、それはもっと輝いているかもしれない。それが夢を追うということ、なんだと。手前にある星は憧れで、夢と呼ぶには値しない。

前田なるほど、憧れと夢は違うということですね。
リリー手前にあるキラキラしたものを追うことは、ミーハー心が肥大したもの。「私こういうものが夢なんです」と言う人がいますが、それは目標じゃん、叶うじゃんって思うことがあります。夢って叶わないものを目指すから夢。そこを目指すうちに、できることがあるんです。

(構成:笹山真琴)

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