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水曜日のカンパネラ・コムアイ 新春インタビュー『“遊び心”がなくなっちゃったらおしまい』

芸能界は「本当に恐ろしい世界」と思っていた

――音楽活動を始めてからは、小さい頃から抱えていた“心の空洞”みたいなものが埋まって行く感じはあったんですか?
コムアイ 最初の頃は、“続くかな?”“辞めたくなるんじゃないかな”っていう不安はありました。でもケンモチさん(共同制作者のケンモチヒデフミ)の曲を聴いて歌っているうちに、曲の中に希望が感じられたりして。出来た曲を最初に聴けることも楽しいし、パフォーマンスも好きだし、“創る”ってことがすごく好きなんだと気づけたので。

――奔放な発言も話題ですが、ネットなどでの評判は気になりますか?
コムアイ 音楽をやる前は、芸能界はネットで有る事無い事書かれたりもするし、アンチもうじゃうじゃ湧いてくるし、本当に恐ろしい世界だなって思ってました(笑)。でも今の段階では、私なんか全然。目障りになるほど、目立ってないんじゃないかと思います。そこまでまだ有名じゃないのかもしれない。

――注目度が上がっていることに対しては?
コムアイ もちろん嬉しいです。その方がいろんな人に届いてるってことだと思うから。でも、“有名になる”とか“売れる”とか、そのこと自体が目的というわけではないです。ただ、注目度が上がると、仕事がやりやすくなるんですね。それは意外な発見でした。“話題になってる”ってことで動いてくれる人もいっぱいいるので、“キてるかも!”って雰囲気を醸し出すことは、すごい交渉材料になる。目に見える数字じゃなくても、とにかく“キてる雰囲気”で動くものが多いので、逆手にとって利用できる方がいい(笑)。

アイディアを養う好奇心、ジャニーズライブにも触発され

――キャラクターが注目されて、自分自身を発信したり、エネルギーを放出する時間が多くなって、アイディアが枯渇してきたりはしないんですか?
コムアイ ありますよ。やりたいことが全然出てこない時もあります。そういう時は、本を読んだり、鍾乳洞や釣りに行ったり、人に会ったり。展覧会、映画、歌舞伎、いろんなものを見に行って、少しずつ元気を回復します。旅行とかできればすごくいいですよね。私、東京は住みたい場所ではないんですが、キューバでも、シンガポールでもロスに行った時でも、“ここ、住める!”と思いました。空虚感を感じなかった。

――すごく活動的ですよね。根が働き者なのかな。
コムアイ 超怠け者ですよ。好奇心があるだけです。ただ、この仕事を続ける上では、“遊び心”がなくなっちゃったらおしまいなので。スタッフの人も、面白いものを見に行くことは仕事として捉えてくれる。そのためのスケジュールも開けてくれます。ライブでも演劇でも、見ておいた方がいいものは、なるべく優先させてます。意外だったのが、ジャニーズライブの面白さ! この仕事をしてなかったら見に行かなかったと思うけど、KAT-TUNの演出が自由で大胆で規模が大きかったり……。正直ちょっと甘く見てた部分があるのも否めないですが、堂本剛さんのソロライブとか、歌詞を全部“TU”で通してたり、ホールライブなのにファンクセッションがあったり、常識を逸脱している感じがあって新鮮でした(笑)。

――いやいや、コムアイさんの、媚びずに自分をさらけ出せるパフォーマンスも相当新鮮です(笑)。
コムアイ 自分で言っちゃあダメだけど、親の愛情はいっぱい受けて育ったので、私の心の中に、“愛されたい”みたいな隙間はない。自分でも気づいていないけど、なんとなく“世の中は自分を好きなってくれるだろう”みたいな謎の安心感があるのかも(笑)。そうじゃないと、たぶん“顔や体を綺麗に見せること”とか、普通は諦めきれないですよね。でも、私は自分を素材として面白いと思えるギリギリまで行ききりたいんです。

――2月8日にはメジャーで初のフルアルバム『SUPERMAN』も発売されますが、2017年の抱負はありますか?
コムアイ それは、今年だからといって特に変わるわけではないです。今までより、納得できる作品を出すこと。それだけかな。
(文:菊地陽子 撮り下ろし写真:草刈雅之)

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