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韓国音楽界の異色デュオ・10CM(シプセンチ)、移り変わりの早い音楽シーンで「気負わず気長に」

 日本でワンマンライブを行うたびに完売になる韓国ストリート出身のアコースティックデュオ・10CM(シプセンチ)が、3度目の日本ワンマンライブを敢行した。透明感のあるボーカルのジョンヨルと、寄り添うようなギタリストのチョルジョンが奏でる音楽は、ソフトな楽曲に透明感あるパワフルなボーカル、爽やかな楽曲にセクシーな歌詞というギャップが印象的。ライブMCでは進んで“エロトーク”をするなど、アコースティックの概念を覆す要素を多く持つ。そんなふたりに話を聞いた。

ストリートや小さなカフェから始めたのでその雰囲気を大切にしたい

――日本でコンスタントにライブを続けている『10CM Night〜オヌルパメ(今夜)』シリーズとは?
ジョンヨル僕たちのアルバムに「オヌルパメ(今夜)」という曲があるのですが、10CMの音楽は昼間より夜に合うので、曲名からタイトルを付けました。10CMの日本だけのライブブランドという感じですね。先々もし「オヌルパメ」が大盛況すぎたら、「オヌル ナジェ(今日の昼)」も作ってみようかと(笑)。
チョルジョン「オヌルパメ」(夜)がしなやかな感じだとすると、「オヌルナジェ」(昼)はもっとロックで楽しい感じで。

――韓国では数千人規模のライブをする10CMですが、日本では数百人規模に拘っているのはメンバーの意向だとか。
チョルジョン日本ではまだまだ知られていないので、親近感のあるライブができればと。もともと僕たちはストリートや小さなカフェから始めたので、その雰囲気も大切にしたいので。
ジョンヨル最近はもっと大きな会場でもできるとスタッフから聞いていますが、規模を急に大きくするより、少しでも近くで僕たちの魅力を伝えることが大事だと感じているので、アットホームな空間にこだわっています。
――1年半ぶりに行った日本ワンマンの手ごたえは?
チョルジョン最初は圧倒されましたね。韓国のお客さんは、リラックスしながら楽しんでいる感じですが、日本のお客さんは、一瞬たりとも聴き逃すまいという姿勢で集中して聴いてくださることに、緊張感が高まりました。
ジョンヨル僕も気になっていたんです、以前よりお客さんの姿勢がものすごく僕たちに集中していて。そんな待ってくれているみなさんを前にすると、もっと日本へライブしに来なきゃなと感じました。

――海外のミュージシャンがコンスタントに日本でライブを続けるのは、実際簡単ではないと感じます。『サマーソニック2013』で初来日したあと、同年秋に初ワンマンを開催して、日本リリースも行いながら来年春には4回目のワンマンも発表になりました。10CMが日本で支持され続けている理由は何だと感じますか?
ジョンヨル待ってくださる間に、音楽により共感してくれているのかなということも感じます。あと僕たちのトークもぜひ聞いてほしいので、初回から会話の同時通訳をスクリーンに字幕で出しているのも、特徴のひとつでしょうね。僕ら大好きな“エロい”トークも楽しんでもらっています(笑)。

日本では「幸せでした」と言われてキュンとする

――日本のファンと触れ合ってみて、印象に残っていることはありますか?
ジョンヨル大多数の方が韓国語で挨拶してくださるのが嬉しいです。「もっと日本に来てください」というメッセージも多いですが、キュンとするのが「幸せでした」と言われることです。韓国では「良かった、楽しかった」という声かけがほとんどですが、「幸せでした」って……。表現の違いかもしれませんが、すごく新鮮で嬉しかったです。

――そんな「オヌルパメ」シリーズも来年4月22日に4回目を迎えますが、会場も彩の国さいたま芸術劇場と、素敵な空間ですね。
ジョンヨルこれまでよりひと回り大きな会場なんですが、規模は少し大きくなっても、これまでのアットホームな雰囲気を保ちながらできると思っています。4回目だから、ちょっと違う楽しさを出せたらいいですね。
チョルジョン個人的な目標としては、日本語でMCを……やりたいです(笑)。日本ライブをするたびに、日本語勉強しなきゃと思うのですが、なかなか出来ないものですね。
――韓国での活動についてですが、ジョンヨルさんはコラボレーションも活発で、昨年は少女時代のユナさんをはじめ、アイドルやバンド、ラッパーなどさまざまなアーティストと行っていました。日本では大橋トリオさんとコラボしましたが、今後日本でコラボしてみたいアーティストはいますか?
ジョンヨル星野源さんですね。僕たちと似た雰囲気をもっていると感じます。ジャンルは違いますが、なんていうのかな、見た目は清潔感あるのに、作る音楽がクレイジーな面があるというか。そんなところが似ていると感じます。
チョルジョンあと、変態な部分も似てるかな(笑)。

身構えずリラックスして聴ける存在だから飽きられない

――爽やかな変態でクレイジーな音楽、まさにお似合いですね。そうした日本の音楽情報をどうやって知るのですか?
ジョンヨル音楽仲間に教えられるか、YouTubeが一番多いです。自分の好きなアーティストを見ていたら、横に推薦動画が出てくるじゃないですか。そんな感じで日本の音楽を知ることも多いです。でも星野源さんは、韓国ミュージシャンの間では有名ですよ。最近、日本ですごくヒットしているんですよね? 僕は日本のカルチャーに疎い方ですが、周囲の音楽仲間から教えてもらいます。
チョルジョン僕も星野源さんとのコラボは興味がありすね、彼はギタリストとしても上手いですし。
ジョンヨルとはいえ、僕らが望んだところでコラボできる方じゃないですよね……。

――言い続けていると叶うかもしれませんよ。2017年は10CMデビュー7周年です。移り変わりの早い音楽界で、インディーズから出発して今メジャーシーンのチャート上位で活躍する存在となり、人気を保っているのは素晴らしいですね。
チョルジョンたぶんジョンヨルが言うと思う言葉を僕が言いましょう、“僕たちが上手いから”です!(笑)
ジョンヨル(笑)僕らが特別真面目なわけじゃないのに、支持してもらえるのは嬉しいです。
チョルジョン変わらず支持してもらえるのは、身構えずリラックスして聴ける存在なんじゃないかと感じています。
――最近のK-POPは新人アイドルでも曲作りをするメンバーがいたり、幅広く海外展開するチームも多いです。音楽人の先輩として、今の韓国音楽界をどう感じていますか?
ジョンヨル今の若い子たちは本当に真面目。自分の想いを表現することに長けていて、本当に良い音楽を見せるチームが増えたと感じます。レベルの高いアーティストがひしめき合っていて、1日でもリリースを間違えれば競合しまくるという、大変な時代になりました。それだけに、ピンポイントでどれだけアピールをするかという点でも、今の若い子たちは鍛えられていると感じますね。
チョルジョンそのなかで僕たちはアコースティックチームとして、ジャンルを超えたコラボレーションや、日本を含めた海外ライブなど、気負わず気長にやっていけたらと思います!
(写真:AKIYOSHI YOKO)
10CM プロフィール
ボーカル・ジャンべ:クォン・ジョンヨル(33)、ギター・コーラス:ユン・チョルジョン(34)によるアコースティックデュオ。
路上ライブや小さなカフェでスタートして2010年デビュー、路上ライブ文化のほとんどなかった韓国において、路上ライブとアコースティックブームの先駆者となる。学生時代にメタルバンドで出発したため、パワフルな楽曲もある。
★10CM日本オフィシャルHP:http://www.10cm-kjmusic.com/(外部サイト)

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