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高齢化するグラビアシーン 年々高まる“大人の色香”需要

 時代とともに変遷を遂げてきたグラビアシーン。イエローキャブの台頭で巨乳タレントがシーンを盛り上げた1990年代から、2000年代半ばに20代後半で水着展開を始めた、ほしのあきが30歳を過ぎても人気を博し、年齢幅を大きく引き上げた。そして、2010年代に入ると壇蜜から橋本マナミと、完全に“大人の色香”に振った30代の女性タレントが成功している。ここ最近でも、28歳の人気モデル・泉里香が水着でグラビア初挑戦し、シーンの話題をさらった。“大人のお姉さん”の水着姿はドキドキ感を誘うのか、グラビアシーンでの“大人の色香”需要の高まりを感じさせる。

『セーラームーン』出演から紆余曲折を経て、28歳で水着グラビア初挑戦

 先月24日発売の『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で表紙+巻頭・センターページを飾った泉里香の水着グラビアが大反響を呼んだ。『Ray』(主婦の友社)の専属モデルを経て、現在は6誌でレギュラーを務める28歳の人気モデルのグラビア初挑戦だったが、豊かな胸、スレンダーで程よい肉づきの肢体、そしてかわいらしい顔立ちと、彼女を知らなかった男性読者にもたまらなく魅力的に映り、ネットの検索ワードランキングでも1位になった。そして検索したら、初めて見たと思った彼女が、かつて『美少女戦士セーラームーン』(TBS系)の実写ドラマ版に出演していた“浜千咲”だとわかり、驚いたユーザーも少なくない。

 泉は『Ray』で2008年から昨年まで専属モデルを務め、単独や白石麻衣(乃木坂46)との2ショットで表紙を飾ったほか、連載ページも持っていた。とはいえ男性の知名度は高くなかったが、13年前に浜千咲として実写版『美少女戦士セーラームーン』に出演していた頃は、美少女ファンには知られた存在だった。

 この『セーラームーン』は言わずと知れた人気アニメのドラマ化として話題になり、セーラー戦士役の5人に当時ティーン誌モデルも務めていた新人女優を抜擢。最年少の中学生だった浜は水野亜美=セーラーマーキュリー役。火野レイ=セーラーマーズ役は女優デビューの北川景子だった。沢井美優、安座間美優、小松彩夏を加えた5人はその後も親交を続け、今年4月の北川とDAIGOの披露宴では、『セーラームーン』でのオリジナルソング「Friend」を5人で歌ったことが報じられた。

浜千咲時代は地元・京都の事務所に所属していて、『セーラームーン』の放送終了後、芸能活動を休止。復帰後は芸名も事務所も変遷を経て、泉里香として人気モデルとなったが、かつての男性ファンの目には触れず、芸名が変わって転身もあまり知られていなかった。『Ray』専属時代の終盤や卒業後に出した女性向けスタイルブック『RIKA』では下着姿も披露し、“エロふわボディ”と評されるようになる。『ヤングジャンプ』から表紙オファーを受け、「こんな光栄な機会はないので、ひと肌脱ぎましょうという気持ちで」と、28歳での水着グラビア初挑戦となった。

アイドル参入やモデルの二刀流、グラビアシーンの変遷

 雑誌表紙を水着で飾るグラビアアイドルは、雛形あきこら巨乳タレント発掘で知られる野田義治氏の事務所・イエローキャブが台頭した1990年代から盛り上がりを見せた。当初は10代が中心で20代前半には卒業する流れだったが、2000年代半ばに20代後半で水着展開を始めたほしのあきが“最年長グラビアイドル”を旗印に30歳を過ぎても人気を博し、年齢幅が大きく上がる。“エロかしこい”が売りの優木まおみらも20代後半でブレイクして続いた。

 2010年代に入るとAKB48の大ブームが起こり、グラビア誌や青年コミック誌の表紙も48グループのメンバーが席巻。“本職”のグラビアアイドルたちが追いやられる形に。一方で壇蜜から橋本マナミと、完全に“大人の色気”に振った30代の女性タレントが差別化して成功した。

 ここ数年はAKB48ブームも一段落し、人気を高めた乃木坂46が水着展開を基本しないこともあり、改めてグラビアアイドルが登用されるチャンスと気運が広がっている。そのなかで新たな潮流となったのが、女性誌モデルと男性向けグラビアの両立。『CanCam』の久松郁実、『non-no』の馬場ふみからがモデル×グラビアの二刀流で“モグラ女子”と呼ばれた。一方、グラビアアイドル不遇のなかでも、杉原杏璃らがアラサーでの水着展開を守り続けていた。

 泉里香のグラビア登場は結果的に、こうした新旧の流れのいいとこ取りでハマった。モデルとしては必ずしもメリットでない豊満な胸が大きな武器となって男性読者を魅了。モデルならではのスリムさも併せ持ち、非の打ちどころがない。

 かつ、壇蜜らのように生々しくはないが大人感のある28歳のお姉さんの水着披露も読者のドキドキ感を醸し出す。『セーラームーン』時代からのアイドル的なかわいらしさも残していて。“全ての男子が虜になる!”との『ヤングジャンプ』で謳われたキャッチコピーもうなずける、完璧なグラビアアイドルぶりだった。

 そのエロふわボディを生かして今後も水着グラビア展開を続けるなら、業界に大きな波を呼び込みそうですらある。本人は「グラビアを観ていただいて反響が多くなれば、やりたい気持ちは高まってくると思います」とも語っており、期待したいところだ。
(文:斉藤貴志)

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