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【SMAP連載16】「世界に一つ」300万枚突破を成し遂げたSMAPファンの底力
受け継がれた“スピリット”、ファンはタレントに似る
そして幸運なことに、その“SMAPスピリット”は、彼らの“歌”によって年を重ねるごとに柔軟に、かつ強固になっている。デビューシングルでは、“君をしあわせにする僕はここにいる”と盛大な誓いを立てたかと思えば、4枚目のシングルのタイトルは、「負けるなBaby!〜Never give up」と、タイトルからしてスポ根的なガッツを見せ、自己紹介ソングで“ピンチはチャンスだ”と断言し、ライブでは“大事なのは続けること”と語りかけ、“手を繋ごう”と呼びかけ、“どうか届きますように”と祈る。
木村拓哉も活動を認識、ファンが諦めない理由とは
11月18日に放送されたラジオ『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』(TOKYO FM)で木村は、「東京新聞さんとかに、ダダダダーッとメッセージを寄せていただいたりとか。本当にみなさんありがとうございます」とコメントしていた。誕生日直後の放送だったので、誕生日おめでとうメッセージに対する「ありがとう」だったのかもしれないが、いずれにせよ、木村はファンのそんな活動をちゃんと認識していた。ファンの活動に対し、ネットでは、「SMAPファン、しつこい」「もう5人を解放してあげたら」「本人は迷惑してるんじゃない?」などという声もよく聞かれるが、もしSMAPのメンバーの誰かに、「そういう活動、うざいんだけど」と言われたとしても、ファンはきっとこう言い返すだろう。「だって、ずっとSMAPが言い続けてきたんですよ。“諦めるな”“ピンチはチャンスだ”“なんでもいい、できることから始めよう”って。私たちはその教えを、ただ守っているだけなんですよ」と。
SMAPによって形成された、いわば“SMAPチルドレン”
中居をはじめ、SMAPのメンバーの持つ影響力は絶大だし、それがグループとして結束した時の魅力とパワーは計り知れない。そうして、ファンもまた25年の長きに渡り、SMAPに支えられ、励まされ、鍛えられ、育てられた。枯れそうになった心に潤いをくれて、ヘコんだ時は檄を飛ばされ、暗く沈んだ心を、その笑顔や歌で明るく照らしてくれた。
せっせと花を摘んだり、署名を呼びかけたり、新聞にメッセージ広告を出稿したり、SMAPの素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたくてコラムをしたためたり。いつまでも諦めの悪い私たちファンは、SMAPの愛によって形成された、いわば“SMAPチルドレン”なのである。
(文/菊地陽子)