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【連載15】誰も狙えない“ポストSMAP”、チャリティで見えたオンリーワンの理由
整わない環境下でも、全力で“パラ駅伝”を盛り上げた
会場となったグラウンドはとても広大で、その端々で行われる競技は、観覧席からは見にくかったにも関わらず、SMAPの5人は楽しげに一つ一つの競技に参加し、積極的に盛り上げていたこと。競技に参加しないときでも、選手を応援したりインタビューで笑いをとったり、そこにいる全員を笑顔にさせようと必死だったこと。屋外の、しかも競技が行われるグラウンドで披露された歌は、特に凝った演出もなく、しかも歌のための音響設備が整っているわけではない中で、SMAPの“絶対に手を抜かない全力感”が伝わってきて、とても感動的だったこと。「何もないグラウンドを、あんなにキラキラ輝かせてみせるなんて。圧倒的なパワーを感じて、SMAPは本当にスーパースターだと思いました」と言われて、なんだか妙に誇らしくなった。
SMAPが“世界にたった一つ”である理由は――
SMAPは、いつも“傷ついた人”や“弱者”や“逆境に立ち向かう人”たちへの関心を持ち続けてきた。自分たちが逆境に置かれた時は、5人で結束し、ものすごいパワーで暗さや重苦しさを跳ね除けながら、人前に立つ時はいつも笑顔でいた。いつか、人間の仕事の大半は、AI(人工知能)に取って代わるなんていう話もある。アイドルが引退したり、グループが解散する時は、よく“ポスト○○”などと、そのボジションに取って代わるのは誰かということが話題になったりする。でも、SMAPは、エンタテインメント界のパイオニアであり、ずっとピンチをチャンスに変えて、成長してきたモンスターグループだ。それが単なる地位や役職なら、後任が現れることは当然かもしれないが、SMAPという存在は、世界にたった一つ。彼らには、経験によって進化し、磨き抜かれた表現と人間力、チーム力とがある。だから、絶対に、誰も彼らの代わりにはなれない。
(文/菊地陽子)
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