• ホーム
  • 芸能
  • 【連載番外編】SMAPベスト盤を読み解く PART.2 中居がプロデュース力を発揮、試練乗り越え生まれた紹介ソング

【連載番外編】SMAPベスト盤を読み解く PART.2 中居がプロデュース力を発揮、試練乗り越え生まれた紹介ソング

 前回お送りした『SMAPベスト盤を読み解く PART.1「世界に一つ」を生んだデビュー曲』に続く、SMAP連載番外編。ファン投票により収録曲が決まったベストアルバム『SMAP 25 YEARS』(12月21日発売)を元に、毎回、彼らの音楽を紐解いていきたい。今回注目するのは、“FIVE”で繋がれたメンバー紹介曲3曲。ここには、中居正広のプロデュース力と、SMAPが乗り越えてきた試練の歴史が詰まっている。

中居により驚くほど緻密に計算され、進化を遂げた“FIVEシリーズ”

 SMAPには、“FIVEシリーズ”と呼ばれるメンバー紹介ソングが3曲ある。ベストアルバム『SMAP 25 YEARS』では、ファン投票で選ばれた50曲が発売順に3枚のディスクに分けられているが、1枚目には「Five True Love」、2枚目には「FIVE RESPECT」、3枚目に「CRAZY FIVE」がそれぞれ収録される。3曲とも、楽曲制作を手がけたのは中居正広だ(一部共作/「Five True Love」の歌詞は中居と香取慎吾の共作)。90年代は“True Love”、00年代は“リスペクト”、10年代は“クレイジー”と、時代時代のSMAPのグループとしての姿勢が、これらの曲に集約されている。

 今回、ベストアルバム10曲ずつをレビューする試みの中で、たまたま11曲目から20曲目の中に、2曲のFIVEシリーズが入っていた。よって、ベストアルバムレビューの2回目は、SMAPのメンバー紹介ソング“FIVEシリーズ”について考察してみたい。あらためて3曲を聴き比べ、パフォーマンスの映像を見比べてみると、中居正広のプロデュース力がいかに優れているかがよくわかる。“音楽”に対する“Love”と“RESPECT”はもちろんのこと、ダンスやファンとの一体感に関しても、中居は、驚くほど緻密に計算し、また経験を経て、見せ方を進化させているのである。

リレー形式でメンバーを紹介、ライブ演出でより輝く

 99年に発売されたアルバム『BIRDMAN 〜SMAP 013』は、ある意味、SMAP初の“コンセプトアルバム”と言っていい、世界観のはっきりした仕上がりになっていた。SMAP30枚目のシングル曲「fly」のミュージックビデオは、「BIRDMAN」というタイトルで製作されたショートムービーで、悪の組織(?)に拉致された“ゴロー”を救出すべく、それぞれの日常を捨てて仲間が結集。追っ手から逃げるために全員で屋上から飛び降り、最後は鳥の羽だけが宙を舞う、というハードボイルドかつファンタジックなストーリーだ。「Five True Love」は、このアルバムの最後に収録されていて、ライブでも終盤に差しかかる、まさにクライマックスのタイミングで披露されていた。

 アルバムを聴いた段階では、「面白い歌だな」とか「盛り上がりそう」とか、漠然とした印象しかなかったこの曲だったが、初めてライブでのパフォーマンスを見たときは、その演出力に仰け反った。最初に中居のDJ風の前振りがあって、ラップで木村拓哉を“限界を超えても逃げない男”であると紹介、木村が稲垣吾郎を、稲垣が草なぎ剛を、とリレー形式で紹介していく。間奏の時にステージ上で木村と草なぎがイリュージョン風のダンスを披露したり、草なぎのラップから、「慎吾!」と呼びかけるところはファンと息を合わせたり、ジェットコースターのような変化の中で、5人が揃ってサビを歌うと、強烈な一体感が生まれる。

 SMAPであっても、それ以外のグループでも、アイドルのライブDVDを観ながら、ついリピートしてしまう場面はダンスのコーナーがどうしても多くなるものだ。そういう意味でも、『LIVE BIRDMAN』の6曲ノンストップのダンスコーナーは、今見ても強烈にカッコイイ。また、ダンスコーナーの曲の世界観に特化したダンスとは違う意味で、「Five True Love」のダンスは新鮮だし楽しいし、チームワークが伝わってきて嬉しくなる。このライブでSMAPは、たぶん限界まで踊っている。SMAPのシングル曲に、「セロリ」や「夜空ノムコウ」や「朝日を見に行こうよ」などの“踊らない曲”が増えてきていた時期に、ライブの演出を担当していた中居は、ライブでは“とことんまで踊るSMAP”を見せたかったのではないだろうか。

森の脱退後、SMAP解散の噂に対する意思表明のよう

 歌詞についても、「Five True Love」はとても思わせぶりだ。“後ろを向いても戻れるわけじゃない”など、まるで自分に言い聞かせるかのようなフレーズが散りばめられ、特に中居のソロでは、“探す”“失くす”“壊す”“迷う”などの言葉が並び、最後に「目指す 笑えるときまで」とつなぐ。それは、森且行を失ったその事実をなんとか受け止めようとしているようにも取れるし、当時から度々取りざたされていた解散の噂に、等身大の意思表明をしているようにも取れる。

 もう一つ深読みをすれば、ライブでこの曲を歌った時に、メンバーは全員白の衣装で登場したことも興味深い。“白”は、6人のSMAPが、「スマイル戦士 音レンジャー」という企画もののCDを発売した時の、森のメンバーカラー。『SMAP×FNS 27時間テレビ』(フジテレビ系)のノンストップライブなど、ここ一番の時、中居はいつも、白い衣装を選んでいるような気がする。5人の愛が、そこにいないメンバーにも届くようにと。

オリコンニュース公式SNS

Facebook、Twitterからもオリコンニュースの最新情報を受け取ることができます!