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AKB48 渡辺麻友が“脱サイボーグ”、人間味の開放で増す鮮度

  • 約5年ぶり写真集『知らないうちに』で“新たな一面”を見せるAKB48・渡辺麻友 (C)ORICON NewS inc.

    約5年ぶり写真集『知らないうちに』で“新たな一面”を見せるAKB48・渡辺麻友 (C)ORICON NewS inc.

 AKB48 渡辺麻友(22)の約5年ぶりのソロ写真集『知らないうちに』(講談社/10月25日発売)が、1ヶ月足らずで実売4.6万部(最新11/21付オリコン週間“本”ランキングより)のヒットを記録している。同作は評判の“プリン尻”や初のランジェリー姿など、「まゆゆの人間らしさ」というテーマ通り“大人になったまゆゆ”の新たな一面を押し出した内容。渡辺といえば、完璧なまでの王道アイドルぶりで“アイドルサイボーグ”の異名でも知られている。しかし、最近はほどよく脱力しバラエティ番組などであっけらかんとアイドルらしからぬ発言もしており、写真集のように“生身の人間っぽさ”を開放中。それによって、AKB48のエースとして新鮮な存在感を保ち続けている。

CGとまで言わしめる完璧さ、まゆゆの天性のアイドル性

 渡辺は中1だった06年にAKB48の3期メンバーオーディションに合格。翌年にはチームBの一員となり、同期の柏木由紀と一番人気を争った。09年には4人組ユニット・渡り廊下走り隊のメンバーとしてもCDデビュー。同年9月に初めて行われた『AKB選抜総選挙』では4位に。高橋みなみや小嶋陽菜らの上を行き、当時は予想外の大健闘。15歳にしてAKB48大躍進期の“神7”最年少メンバーとなった。
 非の打ちどころのないルックスは“CG”と呼ばれ、本人も2回目の選抜総選挙では「起こしてみせますCGレボリューション」と語り話題に。握手会での神対応ぶりも徹底していて、例えばノドの炎症で声が出ない日も決して休まず、プラカードとジェスチャーでファンと接したことも。スキャンダルの噂もなく、週刊誌記者がいくら張り込みをしても何もなくて諦めたとの逸話もある(元々アニメヲタクでインドア派とのことだが)。総合プロデューサーの秋元康氏も「アイドルになるために生まれてきたような子」とコメントするほど。ファンにとって理想のアイドル像を貫いていった。

 12年に初主演ドラマ『さばドル』(テレビ東京系)の主題歌「シンクロときめき」でソロデビュー。AKB48から12年に前田敦子、14年に大島優子が卒業すると、次世代エース候補の筆頭と目される。優等生ぶりは責任感に転じたようで、14年の総選挙で初の1位になると「これからは後輩たちがついて行きたいと思えるような先輩に。そして先輩の背中ではなく、AKB48グループの未来を見上げながら初心を忘れず、感謝の気持ちを胸に前へと進んでいきたいと思います」と、エースらしいスピーチ。さらに「私がAKB48を守ります!」と宣言した。

15年が転換期?「アイドルはトイレに行かない」幻想を打ち破る“人間宣言”

  • ドラマ『戦う!書店ガール』の制作発表会見で、“脱アイドル宣言”をした渡辺麻友 (C)ORICON NewS inc.

    ドラマ『戦う!書店ガール』の制作発表会見で、“脱アイドル宣言”をした渡辺麻友 (C)ORICON NewS inc.

 強い責任感を持ちつつも、総選挙1位を取ったことで少しエースとして肩の煮が降りたのかは分からないが、翌15年4月、連続ドラマ『戦う!書店ガール』(関西テレビ・フジテレビ系)で稲森いずみとW主演を務めた辺りから、人間的な“素の一面”も見せるようになってきた。同年6月放送の『情熱大陸』(TBS系)では、睡眠が毎日3時間に満たないストイックな日々を追いつつ、本人が「めっちゃブスなんで」と語るメイク前のメガネ顔や、車でスタジオに着くなり腹痛でトイレに駆け込むという衝撃的なシーンも放送された。一部でこれは、彼女の“人間宣言”とも言われた。

 同年の総選挙では連覇はならず3位に終わったが、例年になくサバサバと明るい調子で「正直厳しいかなと感づいていたので」などとスピーチ。最後は「もう時間がないですね」と笑わせ、テレビ中継のスタジオMCをしていた宮根誠司らを「変わったね」と驚かせた。

 今年7月には『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に「トリオTHE寝付けない女」のくくりで初出演。深夜2時に大量のから揚げを自分で揚げて食べていることを明かし、そのうえ、“乳首がどこにあるか服の上から当てる”特技を同じゲストの西川史子を相手に実践。肩の力の抜けたところを見せた。

 さらに9月放送の『AKBINGO!』(日本テレビ系)では、柏木由紀と最強アイドルを競う企画で、座ると電流が流れるビリビリマシーンに挑戦。なかなか座れず「漏らしていい?」「漏らすぞコラァ!」などとアイドルらしからぬ言葉を口走った揚げ句、何とか座り電流を浴びて床に崩れ落ちると、「ケツがね……エグれた」などと発言しスタジオの笑いを誘った。

どこまで壊れられるか、がAKB卒業後の成功のカギ?

 こうした“脱サイボーグ”路線は、ファンのツイッターでも「まゆゆ、めっちゃウケる」「キャラ変した?」「暴走、面白い」などと、おおむね好意的に受け取られている様子。写真集『知らないうちに』も正当派アイドルから踏み出したセクシーさでヒット中。肩肘張らない人間らしさが渡辺麻友の新たな魅力となってきている。

 同写真集の発売記念イベントでは、AKB48からの卒業は「まだ」と否定しつつ、「頭の片隅にはずっとあって。ひとりでこの世界で生き残るための準備はしなくては、と思ってます」ともコメントした。アイドルとして完璧であるほど、アイドルを卒業したらマイナス要因になる。女優をやるにせよバラエティに出るにせよ、自身のイメージに凝り固まらないことは重要。そういう意味では、究極のアイドルだった渡辺麻友がどれだけ壊れられるか、がいつか来る卒業後の成功のカギを握るかもしれない。

(文:斉藤貴志)

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