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【ポルノグラフィティインタビュー】余裕よりも必要なもの「燃え尽きるまでやって、初めて伝わることがある」

 ポルノグラフィティが、ニューシングル「LiAR / 真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」を発売した。本作は、彼らがメジャーデビューしてから実に44作目のシングル。両A面シングルといえばイメージの異なる曲を採用することが多いものだが、この2曲はどちらもポルノらしい勢いと力強さに満ちている。数々のヒットを飛ばし、長いキャリアを持つポルノグラフィティだが、それだけに思うところはあったよう。本作に込められた“攻め”の姿勢とは?

「THE DAY」の反応で確信、今は“ポルノグラフィティ再評価”の期間

  • 岡野昭仁

    岡野昭仁

――両A面シングル「LiAR / 真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」が発売されました。真逆な2曲ではなく、パワーのある曲を2曲出してしまうって大盤振る舞いですよね。
新藤晴一 CDを買ってくれる人たちは、音楽へのリスペクトを持ってくれてるのだから、その人たちへの誠意は見せたいなと思うんです。リリースのペースも、昔は年にシングル3枚、アルバム1枚とか出してたけど、今は制作的にスパンが開いてるぶん、良い曲が出来たら早く聴いてほしいなと思うんですよね。
岡野昭仁 「オー!リバル」とアルバム『RHINOCEROS』を出して、「THE DAY」を出して。その流れの中でファンの反応を見ると、“ポルノグラフィティっぽさ”みたいなものに対する信頼感みたいなものがすごくあったんです。そんな中で、ラテン調の「LiAR」が出てきた。僕らの軸には、“アップテンポで言葉が詰まったもの”っていうのもあるから、またそういうところで曲を作れないかというスタッフの提案もあり、「真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」が出来たんです。ベクトルとしては、ひとつの”攻め”というポルノっぽさに向かってたんですよね。

――でも、聴き手がポルノの好きなところを再確認できる一枚だなと感じました。
新藤晴一 そうですね。もっと俯瞰で言うと、本間(昭光 ※音楽プロデューサー)さんに頼らずに作っていこうという形になってから7〜8年、いろんな試行錯誤をしてきた中で、そのサイクルがここに近づいてるというか。自分の中では、ポルノルネッサンスというか、ポルノグラフィティ再評価というか。もちろん、ここからまた違うベクトルのものを作りたくなることもあるとは思うけど、自分では、今がポルノグラフィティ再評価の期間なんですよね。

――今回、ビデオクリップでは2曲の映像と曲を入れ変えても楽しめるという驚きの仕掛けがあります。テンポやキメどころが揃っているのは偶然なんですか?
岡野昭仁 それはもう、偶然ですね。多少、「真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」のほうが短かったので、VCバージョンとして伸ばしてみたりはしましたけど。僕らは、AメロBメロサビっていうJ-POPらしい曲の作り方をしてるので、そういう意味ではテンポ感さえ揃えばあんまり違いは出ないという。そういう土壌のもとに曲作りをしてるし、“1コーラスは1分半で収める”みたいな癖もついてるから。今回は偶然でしたけど、僕らは20年この流れでやってるので、自然と揃ったんだと思います。

――「LiAR」は晴一さんによる詞曲ですが、これもあえてポルノらしさと向き合った結果ということになるんですよね?
新藤晴一 デモアレンジでは、また違った聴こえ方だったんです。でも、“これが自分のシングルだ”っていうモードで歌詞を書くと、ここまでポルノグラフィティになるんだなっていうのは感じましたね。自分でも驚くくらい(笑)。それは前作の「THE DAY」もそうだったんだけど、やっぱりポルノグラフィティのフィルターをしっかり通ると、ポルノグラフィティになるなぁって思ったし。

――「THE DAY」も、アレンジ段階で気が付けばポルノらしい曲になったと言ってましたね。
新藤晴一 そうそう。今回もそうで、“これぞまさに!”みたいなイントロがついたりすると、完全にそっちの世界に行く。だからむしろ、外からラテンラテンって言われると、“ラテンって何よ!?”ってなってくるんですよね(笑)。マイナーコードで16ビートでやれば、大体ラテンアレンジにはできるな……とか。ちょっと乱暴ですけども(笑)。そういう意味では、たとえばレゲエで作っても、ポルノのフィルターを通せば「ポルノグラフィティっぽいラテンだね」ってきっと言われると思うんです。そのくらい、強いフィルターがあるんだってことなんですよね。

フェス出演で言われた「足りない」の言葉、必要なのはギリギリ感

  • 新藤晴一

    新藤晴一

――昭仁さん詞曲の「真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」はライブ感たっぷりで、まさに昭仁さんならではの高速ボーカルが楽しめる一曲ですね。
岡野昭仁 ディレクターから、「テンポが速くて言葉がたくさん詰まってて、迫ってくるような緊張感のある曲にトライしないか」という話もあって。「THE DAY」を出したときも、若い世代に「ポルノの新曲、カッコイイよね」と言ってもらえてるのをよく見たんですよ、エゴサーチをしてたら(笑)。そういうのもありまして、攻撃的で、ギターサウンドで迫ってくるような曲を、もっと強みにしてみてもいいんだなと思って。で、今回はかなり限界までやってね、ちょっとやりすぎたかなと(笑)。えずきながら歌ってますから。

――(歌詞に出てくる)”嘔吐(えず)いた”のは、自分だったと。
岡野昭仁 そう、僕だった(笑)。アレンジをしてくれた江口亮くんが、僕の原曲よりも10くらいテンポ上げてきたんですよ。レコーディングの最中にも、「まだいけますね!」って、さらにテンポを2つ上げたりしてきて……。でも、“限界までいこう”っていうのが僕の中でのテーマだったので、どうせテンポ上げるならギリギリまでいってやろうと思ってた。変な話、そういうのにチャレンジすると、僕的には歌が変わっていく。これを歌い切れたことで、また次の歌にチャレンジできるんですよね。「THE DAY」を作って、すごくそれを思った。ライブをやると、自分の喉が研磨されていくのも感じる。

――灰になるまで燃え尽きたその先に、自分の求めるものがあった?
岡野昭仁 いや、本当にそう。そうやって歌わなきゃいけないなと思った。それは、夏に北海道でやったフェス『JOIN ALIVE 2016』に出たときに、とくに感じたんです。自分たちとしては、これまであまりフェスに出てないけど、それなりにキャリアはあるし、“ポルノの18年のキャリアをここで見せます!”みたいな気持ちでやったんですね。そうしたら、長年僕らを見てきたスタッフの人に、「ちょっと足りないかも」って言われたんですよ。僕としてはもちろん、目一杯やったつもりだったのに。そう思ってたときに、台北のライブがあった。このときは、台湾でライブをやるのもまだ2回目だし、キャリアも何も関係ないし、出し惜しみせず全部見せてやろう!っていう意気込みでやったんですよね。その結果、同じスタッフから「すごく良かったよ!」って言われて。「あれぐらいやらないとね」と言われて、なるほどと思ったんです。そして、その後に9月の横浜スタジアムライブがあった。けっこうチャレンジもある内容だったから不安だったけど、とにかく燃え尽きるまでやろう、と。それだけ信じてやったら、自分的にもお客さんに伝わった気がしたんですよね。長いキャリアだけに、余裕を見せるようなことも時には必要なんでしょうけど、僕のスタイルとしてはギリギリまでいって、灰になるまで燃え尽きるまでやって、初めて伝わることがあるんだなって、再確認したんです。

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