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黒柳徹子、大衆を虜にし続ける“少女”の魅力

 今年、御年 83歳ながら、例年以上に精力的な活躍を見せているのが女優の黒柳徹子だ。2月に永遠不滅のトーク番組『徹子の部屋』(テレビ朝日系)が放送40年目に突入したのをはじめ、4月には自伝的エッセイを原作としたドラマ『トットてれび』が放送(本人も出演)。10月には一夜限りの復活を果たした『ザ・ベストテン』(TBS系)のMCを務め、先日は『徹子×さまぁ〜ずの爆笑芸賓館 イチオシ芸人GP2016』(テレビ朝日系/11月20日放送)で、初めてネタ番組のMCにも挑んだ。中でも話題を呼んだのは、9月に福山雅治の勧めで始めたインスタグラム。取れてしまったつけまつ毛におどけた表情を見せたり、ハロウィンの仮装をしたり…いい意味で実年齢に見合わないチャーミングな写真を次々と投稿し、ネットを賑わせた。黒柳徹子はなぜ、今もなお“少女”であり続けることができるのだろうか?

日本初のテレビタレント、各世代それぞれの黒柳徹子像

 黒柳の経歴の詳細を紹介するにはあまりにも文字数が足りないので、ざっと“肩書き”だけを追えば、1953年にテレビ放送の開始と同時に誕生したNHK専属のテレビ女優第1号であり、“日本で初めてのテレビタレント”である。1958年に当時最年少で『NHK紅白歌合戦』の司会に抜てきされて以降、計5回赤組司会を担当(最多タイ記録)。さまざまな活動をする一方で、1971年には1年間ニューヨークのメアリーターサイ演劇学校に留学する。

 1976年から、“同一司会者による番組の最多放送回数”の世界記録として、ギネスにも認定された『徹子の部屋』(テレビ朝日系)が放送され、1978年には伝説的な音楽番組として語り継がれていくことになる音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)がスタート……などなど、日本のテレビ界を代表する最重要人物であることは誰もが認めるところだ。そのほか、1981年に出版した『窓ぎわのトットちゃん』が大ヒットを記録し戦後最大のベストセラーとなるなど、まさに黒柳徹子は不世出の“マルチすぎるタレント”と言うしかない。

 「黒柳さんのすごいところは、日本国民の各世代、老若男女の心の中に“それぞれの黒柳徹子”がいることでしょう。おじいちゃん、おばあちゃん世代であれば『夢であいましょう』(NHK総合)だし、中高年だったら『ザ・ベストテン』ですさまじい勢いでしゃべる“玉ねぎおばさん”です。そして今は、若い層にも“芸人キラー”のおばあちゃんとして(笑)、よく知られていますよね」(エンタメ誌編集者)

“芸人キラー”の異名も、少女らしさが爆発する『徹子の部屋』

 この“芸人キラー”の異名は、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の企画「徹子の部屋芸人」で紹介された、自由奔放&奇想天外すぎる黒柳のトークがきっかけで広く浸透した。黒柳との“格闘”を例に出せば、ダチョウ倶楽部が出演した時には、鉄板ギャグ「なんでお前らに謝るんだよ!」を披露しようとメンバーが“前フリ”をするも、黒柳は「私は謝っていただく必要ないです」とバッサリ。バナナマンが出演した時には、日村勇紀が得意の動物モノマネを披露するも、負けじと全力の動物モノマネを披露する黒柳が“おいしいところ”をかっさらっていった。

 芸人仲間から“傾向と対策”を学んだ後に『徹子の部屋』に出演した小島よしおにいたっては、チュートリアル・徳井義実の「意外と下ネタが好き」というアドバイスを真に受け、徐々にシャツのボタンを外していく“ボケ”をするもガン無視。しかも、最後にお決まりの「そんなの関係ねぇ」で締めようとするも、「…って3回もやるんですか?」と想像もしなかったツッコミを入れられてしまう。しかし、そんな想定外の黒柳の天然ボケっぷりも、無邪気な“かわいらしさ”“少女っぽさ”があるからこそ日本国民に愛されるのである。

 「俳優の竹野内豊さんが『徹子の部屋』に出演した際は、番組終了間際というエンディングの場面で『芸能界入ってどうでした?』と壮大な質問を投げかけ、『この短い時間では答えられない…』と竹野内さんがパニックに陥るなど、芸人以外でも普通に“泣かせる”黒柳さん。8月に俳優のディーン・フジオカさんが出演した際は、特技のラップを披露してほしいとねだる黒柳さんに、『それじゃあ、ビートボックスをやってもらってもいいですか?』とディーンさんが“逆襲”。そんな無茶振りに黒柳さんは、動揺せず見事にボイパ風のリズムを刻んでみせて、改めてその偉大さを認識させられました(笑)」(前出・編集者)

 そういったエピソードのほかにも、トレードマークとなっている“たまねぎヘア”にまつわる話題も満載。「心の清らかな人にしかプレゼントしない」というあめ玉がいつ“たまねぎヘア”から飛び出すか。また、レディー・ガガが“玉ねぎファッション”を披露したり、ももいろクローバーZ全員がおそろいの“玉ねぎ頭”で登場したり…コンスタントに何かしらの話題を提供してくれるのである。

謎めいたプライベートも幻想を高める要因に

 また、少女のイメージを与え続けている理由には、黒柳が独身を貫いてきていることもあげられるだろう。故・渥美清さんや近藤真彦など、好意を寄せていると公言する大物芸能人も多く、黒柳のプライベートをいっそう謎めいたものにしているのも事実。さらに最近では、「2、3回結婚してもいいかなと思う人はいた」、「お見合いを3回したことがある」といった告白も。純真無垢なだけではなく、こうしたつかみどころのなさも黒柳の魅力といえるだろう。

 タレントのみならず、ユニセフの親善大使や平和運動家、パンダ研究・保護といった文化人としての活動も高く評価されている黒柳。日本を代表する偉人なのだが、メイクをしてとびきりオシャレな洋服を着たり、スイーツを食べたり…インスタの投稿を見ていると、やはりどんな時でも何歳になっても“かわいい少女”なのだ。

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