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TUBE・春畑道哉が30年以上活動を続けられた秘訣を語る

 デビューから32年にわたって第一線で活躍するバンド“TUBE”のギタリスト、春畑道哉が16年ぶりのソロアルバム『Play the life』を発売。春畑自身もソロ活動30周年を迎え、彼の音楽人生が詰め込まれた作品になった。その春畑に、長年活動して来た上で感じることや、長く活動するための秘訣、今の音楽シーンについて話を聞いた。

レスリー・キーとの仕事で刺激を受け、僕もいろいろアイディアが沸いた

  • アルバム『 Play the Life』【初回生産限定盤】

    アルバム『 Play the Life』【初回生産限定盤】

――すごく久しぶりのソロでの発売ですが。
春畑道哉 フルアルバムとしては16年ぶり。ちょうどソロ活動30周年、自分の年齢が50歳になるという節目の年でもあったので、自分的にも記念に残せるようなものにしたいと思って発売しました

――何をテーマに?
春畑道哉 今回は、節目ということもあって。まず『Play the Life』というタイトルを決め、それをテーマに作りました。例えば「Mystic Topaz」と「Timeless」は、ピアノのインストなのですが……僕は中1でギターを始めるまで、3歳からピアノをやっていて。ギターだけじゃなくピアノもあり、歌ものもあるという構成で、自分がやってきた音楽の歴史をわかってもらいやすいように表現しています。

――歌ものの「Smile On Me」はTUBEの楽曲のセルフカバーで、初めて春畑さんが作詞作曲を手掛けた楽曲。エフェクトをかけたボーカルで、春畑さん自身が歌っていますね。
春畑道哉 最近、Zeddを車で聴いてるんですが、サウンドの処理や打ち込みの切れ味、トータルのサウンド感も含めて、すごく好きなんです。それで、あそこに自分のギターが加わったらどうなるんだろう? という興味からアレンジしました。ただボーカルのエフェクトは、経験がなかったのでなかなか上手くいかなくて。いろんなソフトを試し、違うエンジニアの方に頼んでみたり、いろいろやってようやく辿り着きました。

――あと、「LIFE」という曲は、春畑さんの音楽人生を1曲に込めたもの。
春畑道哉 はい。50歳にもなると、同世代で音楽をやっていた仲間もいろいろな人生を歩んでいて。「Timeless」で使っているピアノの持ち主や、春畑モデルのギターの製作者の方は、亡くなられてしまったのですが、僕の人生に関わってくれた多くの方の人生も、一緒にこの曲に乗せて表現できたらいいなと思いました。

――「LIFE」のミュージックビデオは、写真家のレスリー・キーさんが監督したそうですが。
春畑道哉 「春畑さんの音楽に影響を与えた人を呼んで、パーティをやってるところを撮ろう!」と言ってくださって。レスリーさんは本当にバイタリティに溢れる人で、ジャケットやアーティスト写真やツアーパンフの撮影もしていただいたのですが、撮影の合間にも、「実は今こういうアイディアを持っていて、こういう感じの音楽ない?」と話がいろんな方向に広がっていって、最終的に「Ripple」という曲がレスリーさんが手掛けるパブリックアートのテーマソングになったりして。刺激を受けて僕もいろいろアイディアが沸いてきて。今後また一緒に仕事をするのが楽しみです。

――撮影はどんな雰囲気でしたか?
春畑道哉 頭に明確に構図がある人です。これほどまでにイメージを明確に持って、撮ってくださる方は初めてで、レスリーさんとのフォトセッションは好きですね。でも、そのぶん時間はかかりました。ちょっと無理な体勢で腹筋をプルプルさせながら撮ったのに、手しか写ってない写真があって。手だけで良いんじゃないの? と思ったらダメだって言うんです。そのポージングが、手に表情を与えていたんだと思います。1枚に対する熱量やこだわりがすごかったです。アルバムに付いているフォトブックやパンフにはたくさん写真が使われているので、ぜひ見てほしいです。

30年以上TUBEを続けられたのは、“夏”という明確なコンセプトがあったから

  • アルバム『 Play the Life』【通常盤】

    アルバム『 Play the Life』【通常盤】

――ソロでは30周年、TUBEでは32年。バンドを30年以上続けて来られた秘訣は?
春畑道哉 いくつか考えられますが、1つはデビュー2年目という早い時期から並行して、ソロ活動をさせてもらえたこと。バンドでは、夏というコンセプトに乗っ取って楽曲を作っていたので、それ以外にやりたいことや興味を持ったことがあれば、ソロとして表現する。それは僕だけじゃなくボーカルの前田も同じようにソロでブルースのアルバムを出して。ムリなものをバンドに持ち込む必要がなかったので、ムダに求めることもなかった。

――楽曲制作の上で、良い環境だったんですね。それ以外では、どんなことがありますか?
春畑道哉 あと、TUBEが夏という明確なコンセプトを持っていたこと。夏の期間が活動のメインで、海でツアーをやったり南国に行ってアルバムを作ったり、ハワイでライブをやったり。毎年夏に野外ライブをやって花火を打ち上げて、水しぶきの中で演奏して。夏が忙しい代わりに、冬はちゃんと休めたのも大きいでしょうね。

――夏=TUBEというイメージ。楽曲と季節がまったくのイコールで結びつくアーティストは、唯一無二だと思います。
春畑道哉 今となってはありがたいことですが、20歳くらいの頃は嫌でした。何をやっても夏と言われてしまうのが。そこから脱却したいと思って、意図的に冬に発売したこともあって。でも、どうやっても夏のイメージからは脱却できないことに気づき、そこでやっと世間のイメージを受け入れることができて。そこからちゃんと夏というイメージを自分たち自身でも楽しんでやれるようになっていきました。

――TUBEは、学生時代からのメンバーですが、バンドによってそれはマイナスになる部分もあると聞きます。
春畑道哉 家族以上にお互いをわかり合っているからこそ、距離の取り方がわかる。もちろん最初の頃は、言い合うようなこともあったけど、いま思えば本気で言い合える存在がいることも良い面だったと思います。すべて音楽、バンドのため。ぶつかっても全員が良い音楽を作りたいと思っているからこそで、良い勉強だったと思います。いま振り返ると幸せな音楽人生だなと思いますね。あと、ファンとスタッフが上手くTUBEを回してくれたことも、長年の活動では大きいでしょうね。

――TUBEのファンは、ファミリー感があることでも有名ですよね。
春畑道哉 ファンは、応援もしてくれるけど、それと同じくらいダメ出しもしてくれる。親兄弟でなきゃ言えないようなことまで言ってくれるので、少し怖い部分もあります(笑)。誇らしい面もすごくあって。たとえば海辺でライブをやるときは、海を汚さないように気をつけて、帰るときにファンのみんなが、開催前よりきれいにしてくれるんです。ファンも僕らと一緒に30年歩み続けて来てくれているわけで、ずっと支え続けられているんだなって。彼らの存在が支えになっているし、だからこそがっかりさせたくない。そもそも僕は、ライブで一体感が生まれたときの喜びが好きで、それを味わいたいからアルバムを作っていたようなところがあって。ステージが好きで、一緒に時間を共有したい。その嬉しさが、自分のエネルギーになっていますね。

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