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片桐仁インタビュー「才能のある若い人たちに業界を面白くしていってもらいたい」

 今年はTBS系ドラマ『99.9−刑事専門弁護士−』などで独特な存在感を放ち個性派俳優として活躍するかたわら、舞台でコントを披露したり、粘土作品を発表するなどマルチな才能を発揮している片桐仁。11月20日より全5回にわたって放送されるフジテレビTWO ドラマ・アニメ初のレギュラーとなるオムニバスコメディドラマ『GAKUYA〜開場は開演の 30 分前です〜』で、物語のキーとなる小劇場「シアター黒猫」の小屋主・猫柳を演じる。役者として、今、ノリにノッている彼に、今作の魅力や役者としての現在の心境などを聞いた。

本番直前、何度も体験しているあの嫌な感じ(笑)がしっかり描かれていた

――片桐さん演じる小屋主の猫柳はどんなキャラクターですか?
片桐仁 猫好きで、芝居に猫の話が出てくると「劇場代を半額にする」という変わった人なんですけど(笑)、実際に僕も猫が大好きなんです。猫アレルギーなんですけど…。でも猫だけじゃなく、舞台に対する愛情や、ライブでお客さんに楽しんでもらいたいという猫柳の気持ちには、すごく共感できました。でも、その思いだけでよかれと思って劇団の人達にアドバイスをするんだけど、全く的を得ていないんですよね(笑)。その結果、その日の劇団に迷惑をかけてしまうんです。善意でやってることなんですけど、善意ほど怖い物はないですから(笑)。でも、そんなところも含めて魅力的な人だと思います。

――撮影が進んでいるところだと思いますが、いかがでしょうか。
片桐仁 全部で5話あるんですけど、1話を2日間で撮るスケジュールで、僕はそのうちの1日ずつ参加するような形でした。僕の出ていないシーンを前日に撮ってたりすると、チームがすでにできあがってるんですよね。そこに途中から入っていくのは何だか気恥ずかしいというか、主演なのに毎回ゲストのような気分でした(笑)。例えば連ドラの5話だけにゲスト出演するときは、前日にすごくドキドキするんですけど、それが今回は毎回だったんです。だから、「台詞を合わせましょう」と、僕から他の役者さん達に声をかけるようにしていました。今回は劇団系の役者さんが多かったので、みなさん稽古がないことを非常に不安がっていましたね。

――「楽屋での開演30分前」という今回の脚本は、片桐さんにとっても興味深いものだったのでは?
片桐仁 楽屋の中だけで展開されていて、しかも開場後、本番の開演30分前というのっぴきならない状況を描いているのが面白いなと思いました。緊張感のある楽屋の中で、何が起きても何とかして無事に幕を開けたいと思っている小屋主を演じていますが、実際に僕自身、何度も体験しているあの嫌な感じというか(笑)。特に初日はアドレナリンも出つつ、不安もありつつ、そういう楽屋独特の空気感が脚本できちんと描かれていたのですごいなと思いました。

楽屋は「あまりいたくない場所」 舞台に出た瞬間の開放感

――若手クリエイターのたかせしゅうほうさんが脚本を書かれていますが、たかせさんは昔から片桐さんのファンだったそうですね。
片桐仁 大分で僕のライブを見てくださっていたみたいで、嬉しいです。たかせさんの脚本はコメディのセンスがとにかく素晴らしいので、そこに僕なりの面白さを盛り込めたらいいなと挑んでみました。他の役者さんも“台本通りやれば面白くなる”という安心感を感じながら演じていたと思います。

――ご自身のファンを公言されている方と一緒にお仕事をするのは、感慨深いものがあるのでは?
片桐仁 感慨深いというか、最高の気分です。もっとそういう人達と一緒に仕事ができたらいいですよね。才能のある若い人たちにこの業界をどんどん面白くしていってもらいたいです。若い頃は僕を使おうとしてくれる人たちもまだ若かったので、僕を起用したくても上司に「誰だそれは?」と言われてダメになることが多かったでしょう(笑)。でも、だんだん決定権を持つ同世代が増えてきたので、どんどん僕を使って欲しいです(笑)。

――片桐さんはたくさんの舞台に出演されていますが、一番思い出深い劇場はどこですか?
片桐仁 下北沢の本多劇場ですね〜。あの舞台に初めて立てたときはとっても嬉しかったですし、感慨深かったです。あと三軒茶屋のシアタートラムも。とにかく有名な劇場に初めて立てたことがいつまでも印象深く心に残っています。

――片桐さんにとって楽屋とは?
片桐仁 あまりいたくない場所……かな(笑)。楽屋は役者モードに切りかえざるを得ないというか。密閉空間だからか、圧を感じてあまり好きではないんですよね。早く楽屋から出たくなる。楽屋から舞台に出た瞬間に、何とも言えない開放感を感じます。あの開放感は経験した人にしかわからないと思いますけどね。あと、ドラマでも描かれている通り、楽屋は何かしらのハプニングが起こる場所でもあります。

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