• ホーム
  • コラム
  • 続編が好調の秋ドラマ 要因は心地良い“マンネリ感”にあり

続編が好調の秋ドラマ 要因は心地良い“マンネリ感”にあり

  • 好調となっている『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』主演の米倉涼子 (C)ORICON NewS inc.

    好調となっている『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』主演の米倉涼子 (C)ORICON NewS inc.

 米倉涼子主演の医療ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)の第4弾が第1話で平均視聴率20.4%(ビデオリサーチ調べ)と今年民放で放送された連続ドラマとしては最高のスタートを記録、その後も2話19.0%、3話24.3%と好調に推移している。また、同じテレ朝で放送中のシリーズもの『相棒seoson15』、『科捜研の女』も視聴率10%超えと、ドラマ不況と言われる中で今期はシリーズものが健闘している印象だ。もちろん、続編が作られること自体、もともと人気が高いということもあるのだが、ドラマ不況の中、続編やシリーズものが安定した視聴率を獲得している要因は、視聴者の溜飲を下げる“心地いいマンネリ感”にあるようだ。

1話完結の“水戸黄門”的な展開を望む視聴者

 昨今、連続ドラマが平均視聴率10%を超えれば“好調”と言われるなか、今期の民放連ドラでは『ドクターX』をはじめ、TBS系『逃げるは恥だが役に立つ』、日本テレビ系『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』といった“ヒロイン”の魅力が際立つドラマが10%超えを記録しているが、続編モノもまた根強いファンからの支持を感じさせる推移となっている。主にテレ朝ではあるが、『ドクターX』のほか、水谷豊主演の『相棒』は初回15.5%、沢口靖子主演の『科捜研の女』も初回11.3%を記録。続編モノ、シリーズものが強さを見せつけているのだ。

 ここ数年を振り返ってみても、2014年に続編が放送された木村拓哉主演の『HERO』(フジテレビ系)は全話の平均視聴率が20%超えを記録したし、杏主演の『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)、土曜ワイドから連ドラ化した草なぎ剛主演の『スペシャリスト』なども初回から最終話まで平均視聴率10%以上の安定した推移となっている。もちろん、続編が作られたり、シリーズ化すること自体、“安定した視聴率が見込める”人気作であることが前提で、「視聴率が良いのは当たり前」と思う人も多いかもしれない。しかし、これらの作品を見ていくと、いくつか共通点が見えてくる。

「まずは、基本的には“1話完結型”の作品が多いこと。これは近年の連ドラヒットの傾向のひとつでもあるのですが、全話を通してテーマはあれど、基本的には1話の間に何か事件などが起こって、それを1話内で解決します。生活スタイルの変化でドラマの継続視聴が難しくなっているといわれる中で、見逃してしまったり、途中から見たりしても楽しめるので、右肩上がりになることも多いです。そしてその1話完結型の作品に多いのが、「決め台詞」など、いわゆる『水戸黄門』的な“お約束感”でしょう。例えば、『ドクターX』であれば、米倉さん演じる大門の「いたしません」「私、失敗しないので」という台詞を心待ちにしている方は多いと思います。歌舞伎のような「待ってましたー!」感が心地いいのです」(ドラマ制作会社 スタッフ)

マンネリでもブレない“王道”を突き進んでいるからこそ安定した人気を獲得

 確かに、シリーズ作品や、近年高視聴率を記録した連ドラを見ていくと、毎度おなじみの決め台詞や、物語の展開に良い意味でのマンネリ感を感じる作品が多い。刑事ドラマであれば事件発生後、主人公が捜査からはずされたり上層部から圧力をかけられても、最後は解決に至るという道筋はわかっているし、医療ドラマならどんなに困難な手術でもこの主人公ならやってくれる、というのをわかっていて、それでも“ハラハラドキドキ”しながら見ている。また、『ドクターX』のほかにも、続編制作のうわさが耐えない『半沢直樹』(TBS系)、松嶋菜々子主演の『家政婦のミタ』という高視聴率ドラマも、主人公の決め台詞を心待ちにしながら観ていたものだ。

 続編ドラマにしても奇抜な展開に頼らず、心地よいマンネリ感を与える“王道”を丁寧に作り込んでいることが安心感につながり、「やっぱり面白い」という評価につながるのだろう。たびたび続編の話題があがる人気ドラマは多いが、続編を制作するからといって、流行などに乗ることはせず、視聴者が望んでいる“王道”を突き進んでほしいもの。心地良いマンネリ感こそが、人気シリーズのヒットの秘訣なのだ。

オリコンニュース公式SNS

Facebook、Twitterからもオリコンニュースの最新情報を受け取ることができます!