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女芸人という生き方 理想の“終着点”はどこに?

 今年も、横澤夏子やおかずクラブ、平野ノラといった多くの女性芸人が一躍ブレイク。また、デビュー10周年を迎えた渡辺直美が、ニューヨーク、ロサンゼルス、台北を回るワールドツアーを成功させたり、女優としての評価も高まるハリセンボンの近藤春菜が『スッキリ!!』(日本テレビ系)でのMCぶりも板についてきたりと、その活動の幅も広がりを見せている。そこで、ふと気になるのが、女芸人たちの“ゴール”。94歳の今でも“現役”バリバリの内海桂子師匠の例もあるが、男性と比較すると“一生涯芸人”という人は少ない印象で、普通の女性のように結婚でひと区切りをつけ、メディア露出を控えた山田花子のような場合もあれば、“芸人”から一歩引いたタレント活動をすることもある。果たして、女芸人の理想の“終着点”とはいったいどこにあるのだろうか?

女としての幸せに触れたときに生まれる“恥じらい”が芸に変化をもたらす?

 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のイモトアヤコを筆頭に、「イッテQ!温泉同好会」では、森三中の3人、いとうあさこ、椿鬼奴、たんぽぽの川村エミコ、おかずクラブ、やしろ優らが、相撲をガチで取ったり、温泉でシンクロするなど、今では女芸人たちの体を張った芸もすっかりおなじみになった。過酷な企画にもためらわず挑戦し、しっかりと笑いに昇華する彼女らの姿には、芸人としての強い心意気が感じられる。とは言え、今でもNo.1のリアクション芸人・出川哲朗や、ダウンタウンなどの大御所たちが年齢を重ねても体を張ってる姿を見るにつけ、女性が生涯体を張った芸を続けていけるのかどうか、疑問が残る。なぜなら女性としての幸せに触れたとき、“笑い”の追求にためらいが生まれる可能性がある。それは恋愛や結婚によって保守的になったり、恥じらいが生まれる。少なくとも女芸人たちの“転機”として、一般人と同様、恋愛や結婚があることは間違いないだろう。

「山田花子さんは2010年に結婚して、二児をもうけていますが、現在は大阪を拠点にNGK(なんばグランド花月)の舞台に出たり、マイペースな活動を続けています。クワバタオハラのふたりも結婚・出産後は、完全な主婦・ママタレ枠のタレントさんになりました。ただ、女芸人さんにとっては、結婚しても夫がヒモ状態をネタにする鬼奴さんや、逆に結婚できないことをネタにする久本(雅美)さんのように、結婚自体がネタになるんですね。一方で、だいたひかるさん(現在は再婚)や青木さやかさんのように、結婚と離婚の明暗両方のイメージによって好奇の目で見られたり、同性からの支持を失ってしまうなど、それなりのリスクもあります」(エンタメ誌編集者)

笑いを取り、嫌味なく“女性らしさ”も見せる渡辺直美、近藤春菜が今後の指標に

 かつては好感度No.1タレントだった山田邦子のように、多くの冠番組を持つようになってから、“天狗になっている”などと特に同性にバッシングされて、人気が急落した例もある。友近にしても、同業の芸人との交際が公にされると、“女をウリにしている”などとのバッシングを受けたこともあった。あまりに女性らしい一面が見え過ぎてしまうと、笑いへと昇華することができなくなってしまうのが、女芸人の“哀しい性”。その意味では、インスタグラムなどを発信して自己プロデュースし、芸人というより“エンターテイナー”として世界で活躍する渡辺直美や、体を張った芸はもちろん、女優業やMCでも存在感を提示し、嫌味なく女性らしさも見せることができる近藤春菜などは、バランス感覚に優れた女芸人といえるだろう。しっかり笑いをとりながら、オルタナティブな道への選択肢を残している分、むしろ“したたか”だとも言えるかもしれない。

 芸人である前に“女性”、そして“芸能人”でもある女芸人。女性に限らず、男性も芸人としてのキャリアを重ねる中で“副業”をしてみたり、文化人的な枠に向かうなど、岐路に立たされる場面は多いが、女芸人は男性以上に分かれ道の険しさや高い壁にぶち当たることが多いだろう。むしろ、“芸人”としての道を歩み始めたときから、いつか訪れるその瞬間からは逃れられないのかもしれない。今の若い世代を代表する女芸人、先述の渡辺や近藤にしても、今後は結婚や出産を機にさらにその経歴を書き加えていく可能性もある。自ら選んだ芸の道を究めたくてもまっすぐ進めない、その運命には悲哀さえ感じてしまうのだ。

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